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人類滅亡学者の旅路  作者: さくら
探索
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再出発

 猫とは実に利己的な生き物であるなと思った。

 勝手に来て、自分の用が済めば、勝手に去っていく。

 …

 少し考えてから気がついた。

 これって私達人間と同じでは?

 行動だけ見れば、まるで一緒だ。

 なのに猫のように可愛くはない。


 だけど天におわす神から見たら、地上に蔓延っていた人類は猫のように可愛い見えていたのだろうか?

 勝手に繁栄し、勝手に滅んでいく人類。

 なんて勝手な奴ら…。


 人類は滅亡しました…乾杯。


 グラスにシュワシュワを入れて掲げ、青空に透かす。

 うん、綺麗であるな。

 唇に着け、味わうように飲む。

 うむ…美味い。


 炭酸は天然物があるそうで、蛇口から蜜柑ジュースが出るくらい、割と驚きの情報であります。

 初めて知ったときは、サイダーが地面から湧き出すとは摩訶不思議と思ったよ。


 …


 ああ、私以外に生き残っている人が、一人でもいれば世界の半分をあげるというのに。

 鴎の鳴く声がした。


 身体をブルッと振るわす。

 海の近くは寒い…僕は私は飲み干したグラスを堤防に置くとその場を後にした。




 都入りした僕は、都内を歩き出した。

 相変わらず人は見かけない。

 あっ、生きてる人は居ないという意味です。

 変死体ならばそこら中に転がっている…それこそ無数に転がってますわ。

 変死体の原野だ。


 それをチラッと見ては無視する。

 もはや都市部では日常茶飯事な光景であるからに気にしていては神経が持たない。

 僕も神経が図太くなった。

 人類滅亡学者たる大人で男なる私に支えられて、今の僕はある。

 一種の気狂いであるかもしれない。

 でも、きっと人類滅亡直後のこの光景は、僕には耐えられなかったのだろう。

 魂の安全装置が働いたのだ。

 楽天家で、いい加減で、でも殺伐としていて…僕から見ればユニークな自称人類滅亡学者な私、いまでも僕と一緒に支えてくれている。

 だから、寂しくはない。

 さあ、共に歩んで行こう。


 都を北上してみる。

 これは今はなき人類の遺跡を訪ねる旅である。



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