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人類滅亡学者の旅路  作者: sakura
探索
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蒼天の下

 テントを畳み、大通りを北上とする。


 猫は、いつの間にか居なくなっていた。

 …自由気ままだ。

 少し羨ましい。


 テクテクと急がずに歩いたりする。

 オーバーパスを徒歩で登り切ってしまった。


 天気は良いが、風は冷たいな。


 高台からは先を見通せる。

 見晴らしが良いという。

 


 ああ…この感じは、まるで山の頂上のよう。

 見晴らしが良く、誰も居ず、風が自分を吹き抜けて、風が来た先、風の行き先に思いを馳せる。

 心を広く開放出来る。


 蒼天には、お陽さまが照っている。


 まさか、街中で山地を歩くのと同じ心持ちとなるとは…。


 歩いていると血流が全身を巡り、脳が活性化するらしい。

 走っている時とか、お風呂に入っている時にアイデアが閃いたり思い出したりするのは、そのせい。


 だから、歩きながら思い出すのを試みてみよう。


 思うにどうにも妙な事がある。

 妙である事も今日漸く気がついたのだ。

 僕には二つの記憶がある。


 それは、僕の記憶と私の記憶である。

 今までの私である滅亡学者を宣言した大人の私。

 そして身体の持ち主である本来の僕。

 私と僕は同一である。

 いや…今日、同一となり融合したのだ。


 非常時の私。

 日常の僕。

 おそらく、日常の僕の意識では耐えられなかったのだろう。

 僕の意識は眠り、耐えられることが出来る私が意識の底から浮上してきた。

 だが、私から僕へチェンジはしなかった。

 まだ僕では、心元ないと判断されたのだ。

 誰が?

 おそらく判断したのも、心奥に存在する僕なのだろう。

 私も僕で、僕も私だ。

 表層の意識の違いに過ぎないと考える。

 僕は、こんな事は考えないから、些か私の意識が強いようだ。


 さもあらん…僕だけでは、まだまだ道のりは厳しい。

 この見晴らしの良い場所から辺りを見渡すに分かる。


 この道路上におびただしく置かれている死体の数々が、現実を私に突きつけている。

 今まで、意識外にわざと外して来た、倒れ伏している腐ったおびただしい死体の山には僕には耐えられないだろう。

 私でも、今まで敢えて無視することで耐えてきたのだから。





 

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