道
旅をするようになり、天気を気にするようになった。
でも、携帯はネットには繋がらず、当然天気予報は更新されていない。
全く、必要なときに程、必要なものがない。
なんとかの法則だったっけ?
まあ、もともと当てにはしてないけどね。
大変なとき、困ったとき、有事の際、勝負のときは、僕は、いつも一人だ。
これまでも、これからも。
だから、たとえ人類が絶滅しても、僕には基本支障は無い。
人類は絶滅しました。
そうですか…クスクス。
今日は、割と良い天気ですね。
良いお日和です。
この道を歩いて行けば、何処に行き着くのか。
テクテクと唯1人歩く。
自動車が動いて無いと、世界は静かだ。
暑い中、トンネルに入る。
陰になり涼しい。
トンネルを潜り、出口付近を見ると明暗のコントラストが凄い。
この気持ちを、誰かと共有したい。
そんな気持ちに、とらわれる。
ポケットに入れている携帯を、左手でいじる。
気のせいなのです。
そんな人は、僕にはいない。
これまでも、これからも。
僕の脳裏に浮かぶ数多くの人々には、顔がない。
人類が絶滅しても、しなくても、僕には同じ事なのだ。
…
トンネルを抜ける。
振り返ると、トンネルの暗がりの向こうに入り口が見える。
誰もいない。当たり前です。
歩いて来た。
少なくとも、僕は自分自身で、ここまで歩いてきた。
トンネルの上は、丘陵であり樹々に覆われて、家が建っている。
こんな所にも家が建つんだね。…ふん。
振り返り、前を見る。
先には、また、トンネルが待っている。
この道は、僕の道。僕だけの道なのだと感じた。
そう思うと何やら懐かしささえ感じる。
僕には、この道を歩いて、この先に行くしかないんだ。
…でなければ、きっと道は開けない。




