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あの、パン落としましたよ  作者: 中州乙乙
13/21

第13話 「再会」

「お姉ちゃん?お姉ちゃんなの!?」


「うん。」


 電話の声の主は姉の茜だった。いままで音信不通だったのに……。どうして今更?


「ねぇ、今から会わない?麦子に話したいことがあるの。」


「いいわ。私もお姉ちゃんにいろいろと聞きたいことあるし。」


 こうして久々の再会を果たすこととなった山崎姉妹。待ち合わせ場所は駅前のオシャレな喫茶店だ。その喫茶店は結構昔からあり、幼いころはよく家族で行った。特に姉は気に入ってたっけ。そんなことを考えながら、麦子は家を出た。


 喫茶店につくと優雅にコーヒーを飲む姉の姿があった。やはりサイボーグだから年をとらないんだろうか。姿は4年前のままだった。


「ごめんね、お姉ちゃん。待った?」


「いや、私も今来たとこ。」


 麦子は姉の前に座ると、姉と同じコーヒーを注文した。


「あれ?麦子、コーヒー飲めるようになったんだ。確か4年前は全然飲めなかったよね。」


「そうだっけ?」


 4年前をなつかしむ姉の姿は、とても殺人鬼には見えない。どっからどう見ても普通の女の子だ。


「ねぇ、早速で悪いんだけど聞きたいことがあるんだ。いい?」


 自分も久しぶりの再会をしばらく楽しみたかったが、やはりどうしても佐々木さんの兄のことが気になる。


「佐々木俊介さんって知ってる?」


 単刀直入に聞いてみた。すると、さっきまで笑っていた姉の顔がみるみるうちに険しくなる。


「知ってるわ。だって彼は私が人生で唯一本気で愛した人だもの。」


 愛していた?まあ、でも沙織さんの話では二人は交際していたみたいだし、当然か。でも、だったら何故殺したんだろう?それとも何かの間違いで、殺した犯人は別にいる……?


「俊介さんって3年前に殺されたよね?その犯人ってやっぱり……。」


 おそるおそる聞いてみた。


「ええ、殺したのは私よ……。」


 姉は、はっきりとした口調で答えた。


「なんで殺したの?愛してたんでしょう?」


「もちろん本気で愛していたわ。だからこそ、殺したのよ。」


 そう言うと、姉は静かに3年前の事件のことを語りだした……。

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