side??
「ねえ、ちょっとぐらいよくない?」
「嫌って言ってるじゃないですか!」
(む?揉め事か?少なくとも穏やかではなさそうだ)
暮れ果てた帰り道を歩いていると道の先から喧騒が聞こえてきた。
どうやら、女性と男性が言い争っているようだ。
「別に、ちょっと向こうで遊ぶだけだって」
「離してください!」
(これは、目視し難いな)
女性が男を振り払おうと腕を振るう。それが男の癇に障ったのか、拳を振り上げた。
「っいいかげんにー!」
「暴力はよくないぞ」
私ー佐野響が咄嗟に男が振り上げていた腕を掴むと男は私を睨んできた。
「なに、、」
「その人は困っておるではないか。仁は大切にすべきだ」
「は?なにを、、って、へー、べっぴんさんじゃん。君でもいいよ。俺と一緒にこない?」
べっぴん?言っている意味がよく分からんが私は、どこかに行くのに誘われている、ということでいいのだろうか?
「ふむ?よく分からんが用事があるので遠慮させていただく」
「えー、いいじゃん。きっと楽しいよ。」
と言いながら男は腕を強く掴み顔を近づけてくる。
「すまない。誘いは嬉しいが用事があるのだ」「え、嬉しいなら一緒に行こーよ。用事くらいサボっちゃえばいいじゃん」「いや、私はだな」
(いかようにすべきか……。これでは埒が明かん。その上、掴む力が次第に増している。もしや、危うい奴なのかもしれんな)
私は、どう対処すべきか暫し思考を巡らせ、女性の方を見ると女性の表情には男に対しての怯えが浮かんでいた。これは、、、
(荒事は好まんが仕方ない)
「失礼するぞ」
そう言うと、私は素早く男の腕を絡め取り捻り上げた。
「ギャッ!」
男が軽い悲鳴をあげる。
「すまない。私とて、好きでやっているわけではないのだが、用事に遅れるといかんのでなな。このまま立ち去ってくれると、ありがたい」
腕を捻り上げながら男を見ると、男はみるみるうちに顔を、引きつらせた。
「お、覚えておけよ!」
何をだ?そう思ったものの、それを聞く前に男は走り去ってしまった。
いったいなんだったのだ?
私が首をかしげていると後ろから声がかかった。
「あの、ありがとうございます!」
見ると女性が頭を下げていた。
「礼を言われるようなことはしておらん。道中、気をつけて帰宅するのだな」
「はい。本当にありがとうございました」
女性は何度も礼を言うと去っていった。
(ふむ、、礼を言われるほど大したことはしていないのだが)
だが、これで帰路に着ける。時間に余裕はあるものの早いことに越したことはないからな。だが、そう考え半半刻ほど歩いていたとき、後ろから声をかけられた。
「あのー、、、」




