表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親ガチャ転生~毎回親に殺されるので転生を拒否したら、異世界の女神様から産まれました~  作者: 里見みさと
第3章 孤児院にて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/25

24 悪意


●悪人視点


建物の陰からリンカを睨みつける男の名は【ズラートル()男爵】。

その名は初耳であろうか?3年前、大聖女強盗傷害事件を起こし、リンカにヅラをむしり取られた挙句、断罪され男爵位をはく奪・追放された、あの()男爵その人である。


「クソッ!あのガキをぶっ殺すつもりで来たのにっ!なんだこの騒ぎは!近寄ることも出来ないではないかっ!」

「坊っちゃん、やべえですぜ。日を改めた方が良いっす!」

「ぐぬぬ……」


「おや?随分と物騒な話をしていますなぁ?ズラートル()男爵」


突然現れたのは、全身黒ずくめで顔を布で覆った男たちだった。見た限り5人だが、物陰にも何者か潜んでいる気配がする。こちとら優男と下男の二人組だ、到底勝ち目はない。


「き、聞いていたのかっ!た、たのむ見逃してくれっ!」

恥も外聞もなく命乞いだ。まだ死にたくはない!


「うむ、ワタシもね、あの娘に興味があるのだよ。ここはひとつ、取引と行こうじゃないか?」

「は、ははーーっ!」




●リンカ視点


新年の宴は領主様のおかげで大いに盛り上がっていた。

新しく大聖女になったクリスだけでなく、光のギフトをもらった私の元にも、ひっきりなしにお祝いの者がジュースを持って訪れている。

そんな中やって来たのは、立派な身なりのカイゼル髭を蓄えた紳士だった。


「やあやあ、マーサ殿。賑わってるね!」

「これはこれは【ネカラアク子爵】!いつもご寄付をありがとうございます」

「いや、ワタシの町には孤児院がないからな。その代わりと思ってくれ。こちら寄付金と、美味しいジュースだ」


「こちらの御方はね、隣町の町長でネカラアク子爵というのよ。教会に援助をしてくださってるの」

「「は、はじめまして。いつもありがとうございます!」」


院長先生の説明に私とクリスは深々とお辞儀をしてお礼を言った。


「いやいや、かしこまらなくていい。町長としての務めだからな。それより、ジュースで乾杯しようではないか!シスターたちもどうぞこちらへ…」

「「「「「ありがとうございます!」」」」」


多分お高いと思われるジュースが、惜しげもなく教会・孤児院関係者()()に振舞われた。

私はすでにお腹タプタプだったけど、美味しいジュースはあっという間に腹に収まった。


「甘くて美味しいね♪」

「うん!もう一杯もらってもいい?」

アルフも尻尾をブンブン振って大喜びだ。おかわりまでしている。


「おや?そろそろ、陽が落ちるようだね。ワタシはこれで失礼しよう。子供たちも疲れただろう?無理せず休むといい。では、またな!」


「「「「「はい、ありがとうございました!」」」」」


その後、ネカラアク子爵が笑顔で去って行ったのを見届け、宴はお開きになった。

まあ、男たちはまだ飲み歩くようだが、教会の関係者はその場を辞したのだった。



「クリス姉…。私、もう疲れて動けない……」

「あはは、私もだよー」


慣れない場で緊張したせいなのか、ひどくだるくて眠い……。

部屋に辿り着くと、着替えもせずベッドにダイブした。


「…クリス姉、大聖女になっちゃったから、別の街にいっちゃうの?」

「うん、ここから500kmくらい離れてる街なんだって。こうして一緒に寝るのもあと何回か……」

「…………」

「あれ?寝ちゃった…?おやすみ、リンカ……」

「ん……」


眠くて眠くて、曖昧な返事をした…ような気がする。

私は、まるで泥沼に引きずり込まれるように眠りに落ちていた。


●●●


(ぶるっ……)


身震いとともに目が覚めた。体感では2~3時間寝ていたか?

頭がガンガンするので、まず『痛いの痛いの飛んでいけ』を唱えた。

重だるい体を気合で起こし、急いで向かった先はトイレだ。

ジュースの飲みすぎだったからね。間に合った自分を褒めてあげたい!


……それにしても静かだ。まだ大人は起きている時間のはずなんだけどな?

不思議に思い事務所を覗くと、院長と副院長が机に突っ伏していた。

寝ているだけのようだが、ゆすっても起きない。

アルフの部屋も覗いてみた。死んだように眠っていて、やはりゆすっても起きないようだ。


何かがおかしい。頭もすっきりしないし…ナニコレ?


怖くなってクリスの待つ部屋に戻ると、中には黒ずくめの服を着て顔を隠した二人組がいた。

「あっ、坊っちゃん!居ましたぜ!」

「このガキ!なぜ起きてる?薬が効かなかったのかっっ!」


薬?そうか、眠り薬か!

もしかしたら、不老不死の私には薬は効きづらかったのかもしれない。


「どうします?坊っちゃん」

「捕まえろ!傷はつけるなよ、()()()()()なんだからなっ!」


「いやーっ!こないでーー!」


私は手あたり次第に物を投げて抵抗した。

(いざとなったら∞の力で殴ってやるんだからね!)


しかし、抵抗むなしく男は最終手段に出た!


「仕方ない、あの方に頂いたアレを使うぞ!むんっ!!」


男が床に向かって何かを投げると、途端に白煙が上がった。

いつの間にか男たちは防毒マスクをつけている!


「っ!しまった、これは催眠ガスっ……」


気づいた時にはすでに遅く、私は白煙に包まれて意識を失っていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ