22 リンカ2歳、商人になる(?)
おなべのふたのおかげで、盾ギフトがハズレではないことが証明され数日が経った頃、街では台所からおなべのふたが消えるという珍事件が頻発していた。もちろん犯人はその家の子供たちだ。
そしてとうとう、事態を重く見た親たちから【おなべのふた禁止令】が発令されたのだった。
これはいかんと、いつもの寺子屋メンバーで話し合った。
[おなべのふたの代わりになるものってあるのかな?]
「「「「うーん…?」」」」
「ていうか、盾の代わりがおなべのふただからな?」
カイが正論を宣った。さすが武器防具屋の息子である。
でも盾は高いし、片手が塞がるから大人でも愛用者は少ないんだよね?
それなら、両手が自由になる盾があればいいんじゃね?
そういえば、前世で見た漫画かテレビで腕時計で攻撃を受けるのがあったなぁ?
思いついた私は、アルフの手首に5cm角くらいの木片をリボンで巻き付けてみた。
「アルフ、ステータス見てみて?」
「あっ!すごい、ちゃんと盾になってるよ!守備力(+1)だけど」
アルフによると、おなべのふたを装備した時と同じようにステータスが上昇したらしい。こんなものでも盾と認識されるようだ。
「こ、これは凄い事ですよ!親父に見せてもいいか?」
カイ兄が喰いついた。カイ兄の親父さんはドワーフの鍛冶師で武器防具のスペシャリストなのだ。
早速、カイ父の店に行きプレゼンすることになった。
「あのね、即席だからこんなのだけど、皮ベルトで作ったらお洒落だと思うの。貴族様には宝石とかつけたらどうかなあ?」
私は前世の記憶にある『腕時計』を元にした絵を描いて見せた。
G-SH●CKとか○レックスみたいな、お高そうなやつね。
「おおお、素晴らしい!これは売れますぞ!早速商業ギルドで契約をっ!」
「えっ?私?まだ2歳だからわかんないよーっ」
カイ父ちゃん、押しが強すぎるわ。
本当に契約とかわからないから、後日しっかり者の副院長と共に話を聞くことになり、無事契約は締結されたのだった。
それから……
私が考案した小さい盾は【腕盾】として商標登録され、バカ売れしているらしい。
そもそも、成人が100人居れば、単純計算で盾ギフト持ちは45人も居るってことだからね。
当然、戦闘職以外の人にも売れている。とくに体力を使う肉体労働の人にはめっちゃ感謝されているらしいよ。確かに【腕盾】なら仕事の邪魔にならないもんね!
売り出した【腕盾】は、子供向けが500レアから、一般向けが5000レアからで、貴族様向けの宝石付きのものはそれこそ青天井……。
こちらの取り分は売り上げの10%ということに決まった。
新しく作ってもらった商業ギルドの口座には、徐々にお金が貯まり始めている。
ちょっとビビり気味なのはみんなには内緒だよ☆




