21 生活魔法の習得
初めての授業から半年が経ち、生徒全員が読み書き計算をマスターした頃、また新年のお祭りの日がやってきた。そう、あのガチャの日である。
今年はアルフとカタリーナが【5歳の洗礼の儀】を受けたのだが……。
新年最初の勉強会。
みんなの興味はやはり女神のギフトについてだ。
「アルフー、カタリーナ、どうだった?」
「僕は盾だって……」
「わたしは土だったのー♪」
喜んでいるカタリーナに比べて、アルフは沈んでいるように見える。
「あー、盾かー。ハズレじゃねーか!」
「ニック、そんなこと言ってはダメですよっ!」
ニックと聖女クリスが睨みあっていると、タイミング良く院長先生がやってきた。
「はいはい、みんな席についてね。今日は折角だからギフトについてお勉強しましょうか」
「先生、僕も魔法を使いたいです!」「わたしもー」「ぼくもー」「うんうん!」
アルフを先頭に年少組が続く。私もまだ使ったことないから同意するね。
「そうねぇ…、ではまずは【生活魔法】を覚えましょうか?あると便利よ」
「「「「せいかつまほう?」」」」
初耳だ。フィーレア様、教えてくれなかったよね。
院長先生の説明によると、ギフトに頼らず使用できる弱い魔法のことらしい。
人にダメージを与えるような危険な魔法ではないため、私のような2歳児でも使えるんだって。
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『子供向け生活魔法のすべて』著・大聖女マーサ
【ライト】
灯り。夜間やダンジョンなどで使う。たいまつみたいに熱くならないよ。
【ウオーター】
指先から水が出るよ。きれいだから飲んでも大丈夫だよ。貯めるには容器を使ってね。遠くに飛ばすことはできないよ。
【種火】
指先に小さな火を灯すよ。野営の火起こしに便利だよ。遠くに飛ばすことはできないよ。
【ウインド】
弱い風を出すよ。埃やごみなどを飛ばしたりできるよ。暑い日は涼むといいよ?
【ここ掘れわんわん】
道具が無くても穴が掘れるよ。野営時のトイレに便利だよ。終わったら埋めてね。
【きれいきれい(クリーン)】
汚れを落としてピカピカにするよ。お部屋の掃除や洗濯に。人体にも使えるよ。
【痛いの痛いの飛んでいけ】
怪我や病気で痛いときに、お手手を当てると痛みが和らぐよ。怪我や病気自体を治すことはできないよ。
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説明を聞いて早速実践する年少組。
ニックたち年長組はすでにマスターしているので見守りだ。
「うわー、火が出たー。水もっ!」
アルフ、ちゃんと出来てるじゃん!魔法が使えて良かったね。
そんじゃ、天才魔法使いのリンカさんもやってみますかね!
「『種火』!うわっ!!」
ちょ、魔力を込めたら指先に巨大な火の玉が出たんですけどっ!?
これが魔力∞の力なの?
「おい、リンカ!誰が【火球】出していいって言った!危ないから早く消せ!」
「ふっ、これは【火球】ではない、【種火】だ(大魔王バ●ン風)」
ニックに怒られたので、あの有名なセリフで反論してみたw
周りを見ると、ちびっ子組が恐怖で右往左往してる。あ、バケツひっくり返した!
徐々に魔力を抑え、火の玉を縮めて行くと、やっと人並みの【種火】になってほっとした。
「えーと…、てへぺろ☆」
「「「「リンカ、恐ろしい子!」」」」
って、なんでみんなガラかめネタ知ってるんだろ?
あ、いつも言ってるから覚えられちゃったのかな?
「それにしても、リンカちゃんの魔力は凄いわね。さすがエルフだわ。先生もビックリよ」
「えへへ、大広間汚しちゃったから【きれいきれい】するね!『クリーン!』」
火の玉から出たススやこぼれた水やらが、あっという間に消えてピカピカになった。我ながらすごいと思うわ。
「ピカピカだ!良かったなリンカ、これでこの間みたいに漏らしても隠せるな!」
「っ!ニックのばかー!だいっきらい!!」
「だ、ダイキライ………orz」
ほんと、ニックってばデリカシーがないんだから。激おこぷんぷん丸だよっ!
謝っても許してあげないんだからねっ!
「ねえリンカちゃん、ニックは悪気は無いと思うの。許してあげて?」
「むー、先生がそう言うなら仕方ないなー、許しますっ」
「ほ、本当か?よっしゃー!」
「「「「(ニック、わかりやすすぎだろ…)」」」」
「?」
ガッツポーズするニック。復活早っ!よくわからん奴だなー。ほら、年長組のみんなも呆れてるじゃんね。
まあいいや、魔法の練習しようっと♪
それから小一時間、ちびっ子組は生活魔法の練習に夢中になるのだった。
「先生ありがとうございました。魔法、使えましたっ!」
「良かったわねアルフくん。でもね、盾も素晴らしいギフトなのよ?ちょっとステータスを開いて見て」
「はい『ステータス』…開きましたっ」
「現在のHPと体力、防御力の数値はいくつかしら?」
「はい、HPが55、体力、防御力も55です」
「そこで、盾を装備するとね…、あら困ったわ、教会には盾なんてないわ…」
「あっ、先生まってて、今とってくるー」
私は走って台所へ。そしてアレを持って戻って来た。
「チャラララッチャラー、おなべのふたー!」
「おい、鍋の蓋なんて何に使うんだ?」
「いいの!ニックは黙ってて!はい、アルフ。ここの取っ手を左手で持って構えるの。どう?ステータスは?」
うるさいニックは放っておいて、アルフに【おなべのふた】を装備させた。
予想通りであれば【おなべのふた】はあの国民的RPGの5で幼少期に活躍した立派な盾なのだ。
「あっ!HPと体力が105、防御力が107に増えてるっっ!」
『ステータスオープン』で見せてもらったら、
おなべのふた装備前
【 H P 】 55/55
【 体 力 】 55
【 防御力 】 55
おなべのふた装備後
【 H P 】 105/105
【 体 力 】 105
【 防御力 】 107(+2)
要するに、盾を装備するだけでHPと体力、防御力が50増えるってこと?
そして【おなべのふた】は防御力+2ということか。
「アルフすごいね。かっこいいよ!」
「えへへ、ありがと。盾も悪くないねっ」
「っ!おおお、俺もすごいんだぜ『ステータスオープン』!」
頼んでもいないのにニックがステータスを見せてきた。
【 H P 】 95/95
【 M P 】 98/98
【 ちから 】 107
【 体 力 】 95
【 魔 力 】 98
【 攻撃力 】 107
【 防御力 】 95
【 知 力 】 78
【 ギフト 】 火★
「魔法を授かるとMP、魔力、知力が50増えるんだぜ!」
「へー、スゴイデスネー(+50で知力がそんだけっすか?)それより補正無しで攻撃力107の方がビックリだわ」
「ああ、鬼人だからな、力には自信があるぜっ!(どやっ)」
「あー、はいはい」
「俺は剣★だが、剣を持つとHP、ちから、攻撃力がそれぞれ+50になるんだ『ステータスオープン』」
「わー、カイ兄のスペックもすごいねっ」
カイ兄は冒険者を目指しているだけあってなかなかの数値だったわ。
きっと将来は凄い冒険者になるんだろうなぁ。
その後、みんなとステータスを見せあった。
私は赤ちゃんの時にダミーの表紙を公開したからバレてるんだけど、二年経ったからね、ちょちょいと補正しておいたよ。
これが今の私のステータス。ダミーだから見せても大丈夫だ。
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○【 名 前 】 リンカ
【 年 齢 】 2
【 種 族 】 エルフ族
【 レベル 】 1
【 H P 】 33/33
【 M P 】 75/145
【 ちから 】 33
【 体 力 】 33
【 魔 力 】 145
【 攻撃力 】 33
【 防御力 】 33
【 素早さ 】 41
【 知 力 】 999
【 幸 運 】 29
【固有スキル】 瞬間記憶(常時発動)
【 呪 縛 】 親に殺される運命(回避不能)
【 スキル 】
○【 ギフト 】
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ま、本当は全項目∞なんだけどね。みんなには内緒だよっ☆
私も三年後にはギフトをもらえる。今から楽しみだな♪
アルフの名前が途中からアレフになってた…orz
壱時間で気づいて直したけど、見ちゃった方、ごめんなさい。




