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親ガチャ転生~毎回親に殺されるので転生を拒否したら、異世界の女神様から産まれました~  作者: 里見みさと
第1章 はじまり

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2 その支配からの卒業

令和8年3月●日 

第38回 県立山奥高校卒業式


式は予定通りに進み、ついに卒業生代表の答辞の時間になった。


「卒業生代表、長谷川凛花。前へ」

「はい」


前に進む。手と足が一緒に出ている気がするがご愛敬だ。

答辞のカンペは丸々暗記してるので上手に出来ると思う。頑張れ私!


「答辞 暖かな春の光に包まれた本日、

 私たち卒業生のために~

    ~(中略)~

~ご列席の皆様の心からのご多幸を祈念し、

 卒業生代表の答辞といたします。

令和8年3月●日 卒業生代表 長谷川凛花」


よし、完璧の母!


壇上から父兄席を見ると母が泣いているのが見えた。父は…来ていないようだ。


席に戻るために歩いていると、父兄席から囁き声が聞こえてきた。

『あれが……』

『わが校初の東大合格』

『ほら、県警捜査一課長の…』

『あの鬼のチョーさんの娘か?』


うん、自分で言うのもなんだが、私は東大に現役合格を果たした才女だ。

そして父は凄腕の刑事(デカ)として有名だ。

仕事ばかりで家庭を顧みない父は、母との関係がうまくいっていなかった。

別居が始まったのは、山奥に住む父方の祖母が寝たきりになった五年前だ。

父は有無を言わせず私と母を山奥に住まわせて祖母の世話をさせたのだ。

八つ当たりで嫁いびりしていても、父は何の対策も取らなかった。

こんな山奥の一軒家なんて処分して、老人ホームに入れれば良いと母と私で父に抗議したこともあった。

その度に、この土地だけは手放せないと父は頑なに拒んだのだ。

昨年やっと祖母を看取って、母は肩の荷が下りて完全に離婚モードになった。


そんなわけで明日には母と共に東京に発つ予定だ。

荷物もまとめたし、母は自分名義の信用金庫の口座を解約したと言ってたし。

東京には信金の支店ないもんな。

多分、母はもう戻らないつもりなんだろう。

離婚するのは警察官あるあるだって笑ってたけど。



…色々考えているうちに、卒業式は無事終了した。

ちなみに校舎裏での告白タイムはなかったよ。

期待なんてしてなかったんだからねっ!


その後は仲の良かった友達とカラオケボックスに行った。

卒業ソング大会で斉藤●貴と尾●豊の『卒業』2曲を歌ったら、『昭和だ!流行に乗ったな?』と笑われた。

いや、だって前々世は昭和を満喫してたんだもの。内緒だけどね。

あの時代のテレビは変な規制がなくて面白かったな…。


楽しい時間はあっという間に過ぎ、外が暗くなり始めていた。

そろそろお開きの時間である。


「凛花、東京に行っても私たち友達だからね!」

「悪い男に引っかかるなよー」

「夏休みには戻って来れるのー?」

「とにかく体に気をつけてねっ!」

「ありがと、みんな大好きだよ~~」


泣き出した子の背中をポンポンしながら私も泣いた。

どうしてか、みんな涙が止まらなかったんだ。


まるで、それが永遠の別れでもあるかのように……



話の都合上、合格発表を早めています。

受験生の皆さんに桜が咲きますようにお祈り申し上げます。

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