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親ガチャ転生~毎回親に殺されるので転生を拒否したら、異世界の女神様から産まれました~  作者: 里見みさと
第3章 孤児院にて

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16 生後6か月。新年のお祭り

教会の入口でパン屋のハンナさんからお乳をもらっていると、いつの間にか人だかりができていた。

いわゆる公開授乳である。

中には男性もいるが、ハンナさんは気にしていない様子で、私の方が気まずくなってしまう…。


周りを見ると建物や人々の服装から、中世ヨーロッパ風なのが見て取れる。

そういう文化なのだろうが、もし私が子を産んだとしても公開授乳はないわー。


「あら可愛いわねー」

「捨て子かしら?」

「エルフの赤子なんて初めて見たわー」

「養女にほしい!」

「いや、うちの息子の嫁に!」


ギャラリーがうるさい。

院長先生、へるぷみー!


「うふふ、この子はリンカちゃんっていうの。事情があって成人まで()()()()()()ことになりました。養子にもお嫁にも出せませんからねっ!」


穏やかな見た目の院長先生だけど、言うときは言うのである。


「ちぇー、大聖女さまには敵わねえや」


へ?だいせいじょ?

どうやら、院長先生はこの世界に二人だけしかいない大聖女の一人だったようだ。



○●○



それから半年が過ぎ、私はすくすく成長していた。

ハンナさん以外にもお乳の出る人が何人かみつかり、交代でお乳をもらえることになったのが良かったようだ。女神様の加護で飢え死にすることはないとはいえ、腹が減るのは辛いからね…。

まだまだ赤ちゃんで何もできない私だけど、なんと異世界語をマスターしたのだ。ほめてほめて!

言語理解スキルをON/OFFしながら、固有スキル『瞬間記憶』で覚える!

我ながらすごいよね。忘れたくても忘れられない記憶があるのは困るけど…。


で、折角異世界語をマスターしたので、無垢な赤子の振りをして色々と情報収集(盗み聞き)したんだけど、ここは【ダンジョン都市・ドアイ】というらしい。

治めているのは、ヘルマン・フォン・ドアイスキー伯爵。あのとき会った鬼人だ。

見た目は怖いけど、いい領主様なんだって。

その息子のニクラス君は、孤児のアルフ君と仲良しで、しょっちゅう孤児院に来ている。来るのはいいけど、私のほっぺたをつつくのはやめてほしい。



今日は新暦1501年1月1日。新年のお祝いで街はお祭り騒ぎだ。

そして、この日に合わせて領内の町や村から、5歳・10歳・15歳の子が集い、女神様からギフトが配られるらしいのだ。

そう、白い部屋でやったアレだ。


まずは領主様から開催のあいさつがあった。

末息子のニクラス君が5歳になったので洗礼の儀を受けるそうだ。


「はーい、5歳の子は集まってー。白紙のカードを配りますねー」


シスターが10人くらいのちびっこ達を集めてカードを配る。


「はい、ではカードを()()()()()に持ってね。ちょっと左手の指がちくんとするけど、我慢しようねー」


「うわーん」「いたいー」「やーだー、もーかえるー」


泣いちゃう子も出たけど、なんとかみんな金色のカードになったみたい。

良かった良かった。って、赤子の私が心配してどうするんだか。


続けてガチャ回しだ。スロットにカードを差し込み、回していく。


「あ、ぼく【ひ】だー」

「わたし【みず】ー」

「つちー」


今回は、あたりは出なかったようだ。


「では、みんなで『ステータスオープン』って言ってみようか」


「「「「すてーたすおーぷん、うわー♪」」」」


それぞれが自分のステータスを見て喜んでいる。外部の人からは見えないけど、領主様が鑑定眼鏡でギフトの欄をチェックしている。

ステータスとカードが一致しているのを無事確認できて、洗礼の儀は終了だ。

ちびっこ達、お疲れ様。


続いて、10歳の子たちの番だ。

こちらも10人くらいで、チビ達に比べればおとなしい。

みんな一列に並んでガチャ待ちができて偉いね。

列は進み、ハズレが続く中、最後の子の番になった。

少し緊張しているようだけど、大丈夫かな?

ガチャ!


「あ、また光………」

『おおーーー!』

光を当てた子はガクリと膝をついた。

どよめく周りの人達。


その子は隣の村に住むクリスティーンちゃん。5歳の洗礼の儀でも光の属性を当てたという。

つまり、光★★。聖女に認定されたということだ。


聖女に認定されると、否応なく教会の所属になり家からは離される。

わずか10歳の彼女でも例外ではない。

現在この世界の聖女は10人しかおらず、それが一人増えたことになる。

喜ばしいことだけど、本人は親元から離れなければならないのだ。


家族や友人だろうか、抱きしめあって泣いている。

別れは、辛いよね……。


私も、元の世界にいる友達のことを思い出してしまった。

私のお葬式には出たのかな?

悲しませちゃったかな?

みんな今頃なにしてるのかな……



私はこっちで元気にしているからね。




【異世界・人物覚え書き】

今後、活躍するであろう人々。


女神 フィーレア様

院長【大聖女】マーサ様

乳母 ハンナさん(火★★★のパン職人)

領主(鬼人)ヘルマン・フォン・ドアイスキー伯爵

領主の息子 ニクラス・フォン・ドアイスキー(5)通称ニック

孤児 犬耳の男の子 アルフレッド君(3)通称アルフ 

新・聖女 クリスティーンちゃん(10)通称クリス


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