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31、不良軍団④

用事が済んだので下校する事にした私が、中庭から連絡通路に向かうと、周囲を取り囲んで見物していた生徒たちが左右に別れて道が出来たので、そこを通った。この場には全校生徒六百名近くがいたが、観客の一般生徒達は静まり返っていて、声がするのは負傷した不良軍団の呻(うめ)き声ぐらいだ。

 校門を出たくらいで、走ってきた鈴ちゃんが私に追いついて隣に並ぶ。しばらくは二人で黙って歩いていたが、校舎から離れ、周囲に他の生徒がいない辺りまで進むと、私は鈴ちゃんに手の平を向けてVサインをした。

「軽く圧勝しました」

 片方の眉毛を上下に動かしておどけると、鈴ちゃんが笑って、

「凄かったね」と感想を述べた。

「まあねー、鈴ちゃん明日も学校来てね。いじめるヤツがもしいたら、私が秒殺するから」

「ありがと」

 数十メートル上空で泳ぎながら見守っていた白龍も、そのまま付いてくる。

 いつものように鈴ちゃんの家に立ち寄ると、ジュースとお菓子で祝勝会をした。いじめられた後遺症なのか、鈴ちゃんは心身ともにいつも緊張していたが、その力(りき)みが取れて、不安から解放された事が分かる。よく笑っていたからだ。いじめられっ子オーラの女の子が、半透明になって消えかかっている。とても良いことだ。一時間ほど談笑して帰ることにしたが、部屋を出る時、浮かれている自分を戒(いまし)めるためか、

「アイツら仕返ししてくるから気をつけないと」

 と鈴ちゃんが言った。

「大丈夫、大丈夫、アイツらは私に手を出せないから」

 そう言って笑うと、私は鈴ちゃん家(ち)を後にした。


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