40話 静かな夜に
宿に着いて、部屋に戻るとベッドにはカイルとイルナの二人がもうすでに眠っていた。
シャニは、僕を待っていてくれたのか僕とシイナが戻ってくるやいなこちらに笑顔を向けてくれた。
「ショウさん、それにシイナもお帰りなさい」
「キュウ」
「ただいま、起きて待っててくれてありがとうシャニ」
「いえ、何だが明日のことを考えるとドキドキして眠れなくて…」
明日の事といえば明日はシャニと二人でお出かけか、シャニと二人でお出かけ・・・
どうしよう、意識したら僕までドキドキしてきた。
僕の顔赤くなってないよね。
僕もシャニも恥ずかしがってしばらく静かな時間が流れたが、静かな時間はいつまでも続くはずがなくシイナが眠そうに鳴いた。
「キュウ」
「シイナも疲れてるだろうから先にベッドに連れてくね」
「そうですね」
シイナをカイルとイルナが寝ているベッドに乗せて頭を撫でながら寝かしつけた。
シャニは、どうやらまだ眠れないようで僕もやはり眠れないので、二人でベッドの所に座りカイルとイルナが起きないように小さい声で少し話をすることにした。
「シャニは、明日僕と二人で出かけるのを楽しみにしてくれてるの?」
「それは、はい、もちろんです」
「そっか、そう言ってもらえると僕も嬉しいよ」
僕としても、シャニとお出かけするのは楽しみだけどカイルとイルナとのお出かけと違って同じ年の女性と二人でお出かけというものが、そもそもこの世界に転生される前からありえないことだったので、今になって緊張をしてきた。
また、静かな時間が流れたのだが先に口を開いたのはシャニだった。
「わたしは、ショウさんと出会ってからの毎日が本当に楽しいです」
優しい笑顔でシャニは、僕に対して言ってくれた。その言葉が、僕は本当に嬉しかった。
「僕もシャニと出会ってからは毎日が楽しいよ」
今僕が言った言葉は、嘘偽りなく本当のことだ。もちろん、シャニだけではなくカイルやイルナと出会えたことも良かったと思ってる。
「そう言ってもらえるとわたしも嬉しいです」
そう言ったシャニは照れているのか、顔を少し赤くしている。耳もぴょこぴょこ動いてる。やはりシャニは可愛い……
ではなくて、どうせまだ眠れないし明日はどこ行くか決めようかな、そう言えばシャニはどこに行きたいとかってあるのかな?
僕だけがいろんな場所に行っているので、どうせなら明日はシャニの行きたい場所に行ってみたい。
「ねぇシャニ、シャニは明日って行きたい場所ってあるの?」
「わたしですか、わたしは……」
そう言うとシャニは、少し悩んでいる顔をしたがすぐに教えてくれた。
「わたしは、ショウさんの連れて行っていただける場所ならばどこでも嬉しいですよ」
シャニが言ってくれた言葉は、僕をさらに悩ます言葉なのだけど、シャニがそう言ってくれのならばあまり僕も悩まないで色々と行ってみようと思った。
「じゃあシャニ、明日は僕と一緒に色々な所に行ってみようか」
「はい、すごく楽しみです」
僕とシャニの話が少し盛り上がってきた時に偶々僕が窓の方を見たとき思った。
今日は、月の光が窓から差し込んでいて僕が今いる場所から、窓のある部屋の端っこまで移動をし窓を少し開け外を覗いて見たら、綺麗な月と星々が見えた。
「シャニもこっちにきて、月と星がきれいだから一緒に少し見よう」
「本当ですか」
シャニも興味津々に僕の隣に来て一緒に月と星を見た。
「本当にきれいですね。わたし、こんなにゆっくりと月や星を見たのは久しぶりかもしれないです」
この世界に来てからは、僕もここまでゆっくりと月や星を眺めたのは初めてかもしれない。
元の世界に居たときは、時折一人で夜空を見るのが好きだった。寂しいやつだと言われればそれまでかもしれないけど、今はこうやってシャニと二人で見てるこの時間が好きだ。
「ショウさんとこうして二人で話をしてたら、少し落ち着いてきました」
確かに言われてみれば、僕も少しリラックスしてきた気がする。
でも、正直欲をいうと僕はもう少しシャニと二人で話をしていたかったのだが明日は二人でどうせ出かけられるのだから我慢しよう。
「リラックスできたことだし、そろそろ寝ようか、シャニ」
僕がそう言って、今いる場所からカイルとイルナとシイナが寝ているベッドに移動しようと動き出した。
ギュッ
「ショウさん、落ち着いてきたとは言いましたがまだもう少しだけショウさんの時間をいたたけませんか」
シャニがそう言って急に僕の服の裾を掴んだ。
シャニが僕と同じ気持ちだったとは思わなかったので僕は驚いたが凄く嬉しかった。
シャニの顔がまた少し赤い、勇気を出してその言葉を言ってきてくれたのであろう、意気地がない僕と違って……
なんて、僕が思っていると不安そうにシャニが僕の顔を見ていたがもちろん断る理由はないので話をすることにした。
「僕も本当はシャニとまだ話をしたかったからもう少し話そうか」
「はい」
こうして僕とシャニは、しばらく二人で話をしてから眠りについた。




