39話 冒険者ギルドに従魔登録
孤児院から外に出ると外はもうすっかり暗くなり始めている。カイルとイルナもたくさん遊んだのか心なしか眠そうにしている。
なので早めにシイナの従魔登録を終わらせて宿に戻らないとね。
孤児院から冒険者ギルドは、そんなに遠くはないのですぐに着いた。
冒険者ギルドの中に入ると、もう少しで夜中になるかもしれないからかいつもとは、違った人たちがたくさんいる。
とりあえずいつもの受付をしてくれるアイランさんを探したのだがやはり夜中なのか見つからないので、他の受付の女性のところに行ってみた。
「あの、従魔登録したいんですが」
「従魔登録ですね。かしこまりました。って、あなたはショウさんですか?」
「え、はいそうですけど」
「やはりそうですか、色々と話は親友のアイランから聞いてますよ」
良かった、アイランさんの親友なら信頼できる。それに従魔登録もすぐに終わらせてくれそうだね。
「失礼しました、私の名前はファニと言います。早速ですが従魔登録を始めましょう」
「はい、よろしくお願いします」
僕は、シイナを抱き上げてファニさんにシイナの事を見せた。
シイナを見たファニさんは、かなり驚いた表情で僕の方を見た。
「ショウさん、この子ってもしかして…」
「この子ですか?」
「そうです、この子ってもしかしてラクーンリザードですよね」
「はい、よく知ってますね」
ギルドの受付の人は、シイナの事を見ただけで種類も分かるなんて魔物の知識もやっぱり豊富という事が分かり僕が感心を受けていると。
「よく知ってるも何も、ラクーンリザードは懐かないことで有名なんですよ。それをいったいどこで何をしたらこんなに懐いたんですか?」
「え、そうなんですか」
ファニさんがいきなり驚いた表情で僕に色々と質問をしてきた。
でも初めてあった時からシイナは、カイルにすぐに懐いていたし僕や孤児院の子にも懐いていたよね。
だから、ファニさんの言っていることが僕は信じられなかった。
「シイナ、いえ、このラクーンリザードの子は僕達に会った時から懐いてくれてましたよ」
「本当に初めて会った時から懐いていたんですか。場所はどこで会ったんですか?」
これは、話が長くなりそうだ。早く従魔登録を終わらせて宿に帰ってカイルとイルナを休ませてあげたいんだけど。
「「お兄ちゃん〜」」
カイルとイルナが目を擦りながら、僕の事を呼んだ。
やっぱり、カイルとイルナの眠気はもう限界だ。
「シャニ、ごめん話が長くなりそうだから先にカイルとイルナを連れて宿で休んでて」
「分かりました」
寂しそうな顔でカイルとイルナが僕の方を見てきたので、二人の頭を撫でた。
「カイル、イルナ、僕もなるべく早く宿に戻るからシャニと一緒に先に帰って休んでね」
「「うん」」
いつもより、元気がない返事だったがそれだけ眠いんだろうね。
さて、カイルとイルナの事はシャニに任せたから僕はこっちの対処をしなくては!
「えっと、じゃあシイナと出会ったときの話からすればいいですか」
「はい、ぜひ教えてください」
「今日のことなんですが…」
ガチャッ
「ファニ、あなた何やってるの?」
僕が今日シイナと出会った時の話をし始めようとするとギルドの入り口の扉からアイランさんが入ってきて、ファニさんに問い詰めていた。
「シャニさんが、眠そうなカイルくんとイルナちゃんを連れてギルドから出てきてショウさんがいないと思ったら。やっぱりあなたが、ショウさんの事を留まらせてたのね」
「いや、なんのことかなー」
誤魔化そうとしているファニさんを注意しているアイランさんが僕が抱き上げているシイナの存在に気付き全てを察したようだった。
「ショウさん本当にすいません。ファニがご迷惑をかけてしまい」
「いえ、特には大丈夫ですよ。それよりアイランさん従魔登録ってすぐにできたりしますか?」
「はい、大丈夫ですよ。それでは、ギルドカードを少し預かりますね。待っている間はこの書類を書いてお待ち下さい」
アイランさんは、そう言うとファニさんを連れて奥の部屋に入っていった。
僕が渡された書類とは、従魔登録の契約書だった。契約書に書かれている内容を僕は、じっくり読むことにした。
・従魔登録契約書
・従魔登録された、従魔が正当防衛以外で他人を傷つけた場合冒険者ギルドは一切の責任を負わない
・従魔が他人に被害をもたらした場合、契約者にはランクの降格や違約金が発生する場合がある
以上の事が書いてある、そこまで複雑な書類ではなくて良かった。
僕は契約書に名前を書き登録終わるのを待っていた。
5分ぐらいした頃だろうか、アイランさんが戻ってきて、新しいギルドカードと契約書を交換した。
新しく貰ったギルドカードには、僕の名前の下に従魔シイナ(コクーンリザード)と書かれていた。
「お待たせいたしました。それではこれで従魔登録の方が終了になります」
「アイランさん、ありがとうございました」
「キュー」
シイナもアイランさんにお礼を言っているのだろうか、僕と一緒に頭を下げている。
「いいえー それでは、私はファニに少しお話をしていきますのでショウさんは皆さんの所に早く帰ってあげてくださいね」
アイランさんは、そう言うとまたギルドの奥に消えていった。
あんなに優しいアイランさんの笑顔がいつもより正直怖かった。
ファニさんの自業自得といえば自業自得なのだろうが、流石に可哀想だ。ファニさんには頑張って欲しい。
そして僕は、アイランさんを絶対に怒らせないと誓った。
まぁ、アイランさんのお陰で早く終われたのだからシイナを連れて、シャニ達が待っている宿に早く帰ろう。




