表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は女騎士の専属ヒーラーのはずなのに…なぜか“世界の破壊システム”の理不尽も治療する  作者: 積と和〝
第三章 最終決戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/39

第9話 世界初期化発動と、“全域同時崩壊”

その兆しは、静かに始まった。

空の端が、わずかに“欠ける”。

遠くの山が、音もなく“薄くなる”。

風景が、現実から一段だけズレる。

「……来たな」

サンガーデンの声は低かった。

確信に満ちている。


次の瞬間、空が“割れた”。

白い光が大陸全土を覆う。

村だけじゃない。

都市も、森も、海も――すべてが同時に“処理対象”になる。

「全域初期化開始」

声が響く。もう隠す気はない。

これは“世界そのものの動作”だ。


ジャスミーが息を呑む。

「……規模、おかしくない?」


「これが本来の姿だ」

サンガーデンが答える。


セローナが剣を構える。

「なら、まとめて叩き壊すだけだ」


だが今回の敵は一体じゃない。

場所でもない。

“世界の機能そのもの”。


村の外。大地が崩れる。森が消える。

空が塗り替えられる。


リーナが震える。

「……全部、なくなるの?」


俺は前に出る。

「なくさせない」


だが、その言葉の重さは今までと違う。

守るのは“村”じゃない。“世界全部”だ。

(できるのか?)

一瞬だけ、迷いがよぎる。


そのときセローナが言う。

「一人でやるな」


ジャスミーが続く。

「いつもそうでしょ」


サンガーデンが静かに言う。

「我々は“仲間”だ」

その一言で、迷いが消える。


「……分かりました」

俺は手をかざす。


見えている。世界の層。初期化の流れ。削除の順序。

それは巨大すぎる。

だが――

(全部じゃなくていい)

(“守る場所から”広げればいい)

「ヒール」

光が広がる。まずは村。次に周囲の森。

さらに遠くへ。


だが、初期化の速度の方が速い。

追いつかない。

「……足りない」

その瞬間だった。

村の中から、光が上がる。

リーナだった。

手を胸に当て、目を閉じている。

「……残したい」

小さな声。

それに呼応するように、村人たちも。

誰も魔法なんて使えない。

でも――“意思”がある。


光が繋がる。

村全体が“現実として強化”される。

俺は理解する。

(これだ。俺一人じゃない)

「繋ぐ」

ヒールが変わる。

“治癒”でも“修復”でもない。

“意思の接続”

光が広がる。村から、街へ。

街から、さらに遠くへ。


セローナが前に出る。

「来るぞ!」

空から“処理体”が降りてくる。

今までとは桁違いの数。

ジャスミーが笑う。

「数で来るとか、分かりやすいじゃん!」

魔法が炸裂する。


サンガーデンの矢が空を裂く。

「核は複数。よって同時に潰す」


セローナが駆ける。

一閃。

二閃。

三閃。

だがそれでも足りない。

世界はまだ崩れていく。


そのとき、“上”が動く。

女神機構、そして観測者。


「再構築因子、稼働確認」

「しかし処理追いつかず」

俺は空を見る。

(なら――)

「全部、繋ぐ」

ヒールが拡張されるー大陸全体へ。

光が走る。

都市、人、自然。

すべてを“現実として固定”していく。


世界と、繋がる。

その瞬間。

初期化の流れが、止まる。

「……異常発生」

女神機構の声が揺れる。

「全域固定干渉確認」

「処理停止」

静寂が訪れる。

世界が――止まる。


セローナが呟く。

「やった……のか?」


俺は息を吐く。だが、分かる。

「……まだです」

空の奥。さらに深い層。

“本体”が、動く。


女神機構の中心。そして――最終観測者。

「最終調整開始」

世界が、再び揺れる。

今度こそ、本当の最後。

綺麗に締める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ