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俺は女騎士の専属ヒーラーのはずなのに…なぜか“世界の破壊システム”の理不尽も治療する  作者: 積と和〝
第三章 最終決戦

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第7話 隔離領域戦と、“村を現実として固定する戦い”

空が、閉じていく。

白い線はただの境界ではなかった。

それは“この村を世界から切り離すための確定処理”。

外の森は消え、空の奥行きがなくなる。

村は今、世界から“削除待ちの領域”になっていた。


「……これ、もう時間ないよね」

ジャスミーの声が震える。


だが、その手にはしっかりと魔力が集まっている。


セローナは前に出る。

剣を構え、境界線を睨む。

「なら壊すだけだ」

単純で、揺るがない。


サンガーデンは空を見上げる。

「違う」

短く否定する。

「壊すだけでは足りない」


全員の視線が彼女に向く。

「これは“削除処理”だ」

「壊せば再構築される。重要なのは――」

一拍。

「“この村を現実として固定すること”」


俺はその言葉を理解する。

(現実の確定)

(存在の固定)

(消せない状態にする)


その瞬間、上空の構造が変わる。

白い光が収束し、“核”が現れる。


「最終処理開始」

「対象領域:村」

「存在削除まで残り――」

無機質な声が響く。


リーナが震える。

「消える……の?」


その声は小さい。

だが、確かに現実だ。

俺は一歩前に出る。

「消させない」


セローナが笑う。

「いいな、それでいい」


ジャスミーが杖を構える。

「じゃあ派手にやるよ」


サンガーデンが弓を引く。

「核は上空、だが干渉層が三重にある」


空の構造、層が見える。

防御ではない。

“処理の段階”。


 第一層:存在認識の消去

 第二層:記録の削除

 第三層:構造の初期化

(順番に壊しても間に合わない)

(全部同時に止めるしかない)


「ヒール」

手をかざす。だが今までとは違う。

“対象は人じゃない”

“村そのもの”


光が広がる。

家、道、畑、空気――すべてに触れる。


「存在固定」

自分でも初めて使う感覚だが理解できる。


村の輪郭が“濃くなる”。

消えかけていた景色が戻る。


「干渉確認」

上空の声が揺れる。


セローナが叫ぶ。

「今だ!」

一気に駆ける。

空間を蹴るように跳び、第一層へ斬り込む。


剣が“認識層”を切り裂く。

空間が歪む。


ジャスミーが魔法を叩き込む。

「焼き切れぇぇ!!」

第二層、“記録層”が爆ぜる。


サンガーデンの矢が放たれる。

静かで、正確な一射。

「終点だ」

第三層、“構造核”に突き刺さる。


だが――

まだ足りない。

核は崩れない。


「再構築開始」

声が戻る。さらに強く。


リーナが叫ぶ。

「消えたくない……!」


その声が、響く。


俺は振り返る。

村人たち。家族。それら日常。

(これが現実だ。守りたいのは、これだ)


「ヒール」

今度は違う。

“俺一人の力じゃない”

“この村全体の意思を繋ぐ”


光が爆発する、そう、村全体が輝く。


「現実固定」

その瞬間。

核が“拒絶”される。

「……処理不能」

初めて、声が乱れる。


構造が崩壊する。白い線が消える。空が戻る。


…風が吹く。

静寂。そして――世界が“続く”。


ジャスミーがその場に座り込む。

「……勝った?」


セローナが剣を下ろす。

「いや」

短く言う。

「“拒否しただけ”だ」


サンガーデンが頷く。

「だが、それで十分だ」


リーナが俺を見る。

涙をこらえながら。

「……ありがとう」

俺は小さく頷く。


その夜。

村は、確かにそこにあった。

何も変わらない日常。

だが遠くで――確実に“次”が動き始めていた。


聖・女神教本部。

「領域削除失敗」

「例外変数による“現実固定”確認」

「最終段階、強制移行」

神心教中枢。

「局所領域の独立化を確認」

「例外個体は“世界確定因子”へ変質」

静かに、世界のルールがさらに一段変わる。

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