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俺は女騎士の専属ヒーラーのはずなのに…なぜか“世界の破壊システム”の理不尽も治療する  作者: 積と和〝
第三章 最終決戦

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第6話 聖・女神教の再接触と、“村への干渉開始”

村での夜は、静かだった。

何も起きない夜。

それが、どれほど貴重なものか――もう俺たちは知っている。


「こういうのが続けばいいのにね」

リーナが小さく笑う。

焚き火の光が揺れている。


セローナは少し離れた場所で周囲を見張っている。

戦場でもない村で、それでも警戒を解かない。

それが今の“日常”だった。


ジャスミーはリーナと話している。

意外と気が合っているのか、少しだけ表情が柔らかい。

「都会の話とか、もうどうでもよくなってきたかも」

そんな冗談を言うくらいには。


サンガーデンは森の方を見ていた。

その視線は鋭い。

「来ているな」

短く言う。

焚き火の揺れが一瞬止まる。

風が消える。


「……何?」

リーナが不安そうにこちらを見る。

その瞬間だった。

村の外周に“白い線”が走る。

地面ではない。

空間そのものに刻まれる光の境界。


「結界?」

セローナが即座に剣を抜く。


「いや」

サンガーデンが低く言う。

「これは“分離”だ」


ジャスミーが息を呑む。

「分離って……何から?」

答えはすぐに来た。村の外側の風景が“薄くなる”。

森が消える。地平線が歪む。


リーナが震える。

「なに……これ……」

村の“外”が、切り離されていく。


セローナが一歩前に出る。

「やり方が変わったな。直接初期化じゃない、これは空間ごと隔離か」


そのとき空に声が響く。

「対象領域:非戦闘区画」

「干渉開始」


白い法衣の者たち。

聖・女神教の“浄化隊”。

以前の司祭や枢機とは違う。淡々とした“作業者”。

「この村は観測外にある」

「例外変数の影響下」

「よって除外処理対象」


リーナが震える。

「除外……って」


ジャスミーが叫ぶ。

「ふざけないで!」

魔法を放つ。

だが――届く前に“消える”。


「領域外干渉は無効」

冷たい声。


セローナが前に出る。

「村ごと消す気か」


「はい」

即答だった。


その瞬間、俺の中で何かが跳ねる。

(村)

(リーナ)

(ここは“日常”だ)

「ヒール」

反射ではない。

意識して“村全体”へ伸ばす。

光が広がる。

だが今回ももう治癒ではない。

“隔離そのものへの干渉”。


一瞬、村の外側が止まる。

白い線が揺れる。

「干渉確認」

浄化隊の声がわずかに変わる。


セローナが動く。

「今だ!!」

剣を振り切る。


ジャスミーの魔法が炸裂する。

サンガーデンの矢が“境界線”を切る。

白い線が崩れる。

空間が一瞬だけ“戻る”。


だが――次の瞬間、さらに強い圧が来る。

「再構築」

「隔離領域固定」


村の外が再び閉じる。

今度はより強固に。


セローナが舌打ちする。

「……切り替えてきやがった」


サンガーデンが静かに言う。

「これは警告ではない」

「処理だ」


リーナが震えながら俺を見る。

「ジネンさん……」

その一言が重い。

この村はもう“巻き込まれている”ー世界の構造に。

俺はゆっくり息を吐く。

(ここまで来たか)

(もう“見逃される場所”じゃない)


「守る」

短く言う。


セローナが剣を構える。

「やっと戦場らしくなったな」


ジャスミーが拳を握る。

「じゃあ燃やすよ、全部」


サンガーデンが弓を引く。

「制御点は見えた」


村の上空。白い“処理構造”が展開される。

次の段階――完全隔離解除。

その中心に立つ。俺は空を見る。

(これはもう、日常と戦争の境界じゃない)

(“どちらを現実とするか”の戦いだ)


風が止まる。

次の瞬間、戦いが始まる。

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