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俺は女騎士の専属ヒーラーのはずなのに…なぜか“世界の破壊システム”の理不尽も治療する  作者: 積と和〝
第一章 異世界の村

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第13話 村の決断と、“仲間の誓い”

第一章完です。次回から第二章に入ります。

戦いが終わった翌朝。

村は静かだった。

だが、それはもう“平穏”ではない。

誰もが理解していた。

――ここは、もう安全じゃない。


「結論を出す必要がある」

セローナの声は冷静だった。

村の集会所。

俺たちは向かい合って座っている。


「この村は狙われている」

「そして次は、もっと大規模になる」

誰も否定できない。

聖・女神教は“撤退”ではなく“準備”に入った。


ジャスミーが小さく呟く。

「じゃあ……どうするの?」


サンガーデンが即答する。

「離れるべきだ」

それが正しい。

「ここにいれば巻き込まれる」


沈黙。その中で、俺はリーナを見る。

リーナは俯いていた。

震えている。

でも、泣いてはいない。


「……ジネンさん」

小さな声。

「私、この村が好きです」

その言葉は静かだった。


「でも」

リーナは続ける。

「ジネンさんたちが危ないのも、嫌です」

顔を上げる、まっすぐに。

「だから……行ってください」

その瞬間、空気が止まる。


「リーナ……」

ジャスミーが驚いた声を出す。


リーナは微笑む。

「私が止めたら、きっともっと危ないことになりますよね」

「だから、見送ります」

その言葉は“覚悟”だった。


セローナが静かに言う。

「お前はそれでいいのか」


リーナは少しだけ笑った。

「いいです」

そして――

「だって私は」

胸に手を当てる。

「ここで“帰ってくる場所”になりたいから」


その言葉に、俺は息を止める。

(帰る場所)

その意味が、重く刺さる。


サンガーデンが目を細める。

「面白い存在だ」


ジャスミーは涙目になっている。

「ずるいよそれ……」


セローナは立ち上がる。

「決まりだ」

全員を見る。

「ここは捨てる」

「だが――」

剣を握る。

「守れなかったわけじゃない」


俺は立ち上がる。

「行きます」

「このままだと、もっと多くの人が巻き込まれる。なら、こっちから止める」


ジャスミーも立つ。

「あたしも行く!。今さら置いてかれるのはムリ!」


サンガーデンも小さく頷く。

「観察対象が移動するなら追うだけだ」


そしてセローナ。

彼女は少しだけ目を閉じる。

「なら、パーティだな」

短い言葉だが、それがすべてだった。


リーナは少しだけ笑う。

「行ってらっしゃい」

そして、少し震えながら続ける。

「……必ず帰ってきてください」

その言葉は、以前より強かった。


俺は頷く。

「必ず」

今回は迷わなかった。


その夜。村の外れ。

出発準備。

リーナが小さな袋を渡してくる。

「これ、薬草と保存食です」


「ありがとう」

受け取る。少しだけ沈黙。


「ジネンさん」


「ん?」


「私、ここで待ってます」

その言葉は揺れていない。

「だから……」

少しだけ笑う。

「ちゃんと帰ってきてくださいね」


俺は頷く。

「ああ、必ず。では行ってきます」

俺たちは“村の外”へ一歩踏み出した。

後ろで、リーナが見送っている。

それが見える限り――

まだ戻れる場所はある。


森の向こう。

見えない場所で。

「対象移動確認」

聖・女神教。

「回収フェーズ移行」

「次は“追跡戦”へ」


静かに、世界は動き続ける。

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