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転移したら何故か転生しました!  作者: 花火 魅妖
序章 異世界転移編
7/13

5話 美味しい

 暫くすると、ラビがお盆に料理を乗せて来た。既に湯気がモクモク上がっているのが見える


 お盆から料理を移す際にジュワァァァ…という音がして心地良い。そして改めて見ると、やはりこちらの世界でも食文化は似ているようだ。肉塊焼きは見た目が完全にハンバーグ。肉塊串は恐らく焼き鳥。そして棒状揚げ芋はフライドポテトだ。シュワシュワジュース・黒は見た感じコーラ。シュワシュワジュース・無はサイダー。何処の世界でも人間は美味しいものを思いつくのだろうと僕は改めて実感した


 ゆずきがそんな事を考えてる内にラビは料理を並べ終えていた


「じゃ…ゆっくりしてってね」


 そう言うと、厨房から他の客への料理を受け取る為に走り去って行った


「こっちの世界の食文化はすぐ馴染めそうで良かったよ!じゃ食べよっか!」


そして2人は同時に手を合わせる


「「いただきます」」


 まずは肉塊焼きから…おや!この店は肉を2つ用意してくれるタイプなのか!


「ベル!食べる?」


 ゆずきがベルの方を向くと、ベルはお面の隙間からストローを入れて飲み物を飲んでいた。そんなに顔を見られたくないのだろうか。するとベルは飲むのを中断した


「一口だけ頂きます…」


 その言葉を聞いてゆずきはニカッと笑って、ベルの方に鉄板を寄せる。ベルは巫女服が汚れないよう、しっかりと袖を捲りあげた。巫女服は無駄に袖が長いので注意しなければならないのだ。すると慣れた手つきで肉塊を切り分け、フォークで刺す。すると、お面の下の方を口元の部分だけ持ち上げ、肉塊を口元に運ぶ。すぐにお面を戻し、咀嚼を始めたようだ


「美味しいです…」


 その言葉を最後に、暫くの間沈黙が訪れた。するとゆずきが肉塊串を持って


「これもきっと美味いよ!」


 そんなこんなで、ゆずきがベルに沢山渡すので、「一口だけ」と言っていたベルもかなりの量を食べた


「よしお会計…。てか僕お金持ってない…」


「はぁ…宿の時も私が払ってますから大丈夫ですよ。今回も私が払います」


 まぁ…ベルは神様だからお金の事はどうとでもなるのだろう


 そして2人は受付に向かった。受付にはラビがいた


「お!美味かったでしょ?」


「はい!また来ますね!」


「いいね!じゃ、次来る時はサービスしちゃうよ!会計は17ゴールドね」


 するとベルは胸元から袋を取り出す。そして中から金のメダルを17個取り出した


 おぉ…これがこの世界の通貨なのか…。冒険者としてやっていくうえで、僕もそのうち自分でお金を稼ぐんだろうな…


 ベルが会計を済ませたので2人は店を出た。外は少し日が沈んでいて暗くなっている


「ふぁぁぁ…眠い…。年越しで起きてたからなぁ…」


「今日は宿に戻ってもう寝ましょうか」


 そして暫く歩いて宿に戻って来た。部屋の扉を開け、ベルがシャンデリアに火を灯す為に浮遊魔法を使う。本来ならハシゴを使うのだ。そしてゆずきはスニーカーを脱いで真っ先にベッドに倒れ込んだ


「おやすみ…」


「はい…おやすみなさい」


 ベルがシャンデリアを灯そうとするのをやめ、心地良い静寂が訪れた。宿の外ではまだ人で賑わっている


 ベルは腕を組んで、壁にそっと寄りかかる。そして狐の面は、眠るゆずきの方を眺めていた。神には睡眠は不要なのだ


 時間はそのまま流れ、辺りは完全に夜になっている。ゆずきの寝顔は何処か楽しそうに見える


 ベルはゆずきを金髪の少年と重ねていた。ゆずきと同じ髪型で、穏やかに眠っている少年だ


「はっ―――」


 ベルが正気に戻った。珍しく、少し動揺したように見える。そして頭を軽く押さえた


「なんであの人を思い浮かべたの…」






 そんなこんなで時間は流れ、朝日が昇り始めた。街の人々は既に働きに出る者もいる


「ん…んぅ…。ふぁぁぁ…おはよう…」


ゆずきの顔はまだ眠そうで、寝癖が目立つ


「おはようございます…。身支度を整えたら朝食を食べて宿を出ます。そしたらギルドに向かいましょう」


 その言葉を聞いて、伸びをしていたゆずきの動きが止まった。そしてあからさまに不機嫌な顔をしてベルを見つめた


「ギルドぉ…?あそこ行きたくない」


 それも無理は無いだろう。異世界人に対してあの様な態度をとるような冒険者が多いギルドに行きたいはずもない


「では、キチンとギルドに行ったら、何かしらご褒美をあげましょう」


「よし、行こう」


 気付くと、ゆずきはいつの間にか玄関の前に立っていた。行動パターンがかなり単純だ


 この宿は一階に食堂があり、宿泊者はタダで食事ができるのだ。ゆずきとベルは空いてる席に座り、お互いに向かい合った


「ベルの分も取ってくるよ」


「私は特にいりません…」


 ゆずきはその言葉を聞いて「そうか…」と呟き、ひとまずゆずきは自分の分の食事を取りに行った。戻ってくると、時々ベルの方を向きながら食事を取り始める。食事はパンとシチューという簡易なものだが味は確かだ


 2人はチェックアウトを済ませ、宿を出た。そして再び、あの騒動があったギルドへと足を進めていく


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