ぜくすうんとどらいしひ 強力なブレスだ!
Sechsunddreißig―――Höllenfeu……schnee
『……無駄撃ちご苦労な事だ……龍の覚醒により私に死角など、もう……何もないのだ……!』
「覚……醒……?」
No199+ エルツ・ブレッセルツォーク 氷、風属性
Nobilisdraco glacies 大蒼公龍
爬虫綱六足龍目西洋龍科貴龍属 Erz Blässerzog
強い力を持った蒼公龍。その身は地の主となり得るか。極寒を操る。
生息地:雪山
戦闘が長引くと読者が飽きるのに……!
……あれっ何の話だ……?
「……こ、こんなのがいたなのです……!? 迂闊にやったかとか言うんじゃなかったなのです!」
……知らないんかい!
終わったでしょこれ! 多分リシアが負けたとか言ってるヤツくらい強いでしょこれ!?
……レーゼは口からブレスを出している。
どうしたものか……と思っていると、そこらに倒れているほとんどのエルフが立ち上がってきた。
『……ん……ぁ……? お、俺は……く、蜘蛛に……』
『……お、お前もか……? ……待て、なんで村の中にドラゴンがいんだよ……!』
ゾロゾロと起き上がってきて、レーゼの前に立った。
まだ倒れているエルフもいるが……。
『お前たち、逃げるんだ! こんなところに蒼公龍がいるはずはないんだ……!』
『|地獄の冬《Wintersumpf》』
『しまっ……』
不意をつかれたような雰囲気だが、エルフ達が肉壁となり、ブレスを防いでくれた……。
「や……やってること完全にア○スボーンのミ○ボレ○スなのです……!」
「?」
「劫火ならぬ劫氷なのです……!」
「???」
ブレスが晴れたとき……エルフのほとんどは死んでいてもおかしくないくらい、時が止まったかのように凍っていた。
『小賢しい真似を……無駄死にだがな……!』
……そう言った時、後ろから鳴き声が聞こえた。
『グルル……』
「……え?」
ブレスの冷気のせいか、黒いドラゴンが起きた。
レーゼの前に立ち、大きな咆哮を上げた。
『グォォォォォォォォォ!!!!』
「……りゅ、龍に何が敵うか? ここに龍がいる……なのです! ……いやなんでいるなのです?」
『ガクガクブルブルガクガクブルブル……』
「いつまで震えてるのシア……」
黒いドラゴンはレーゼの額を掴み、糸を引きちぎりながら蜘蛛を取った。
……そして、地面に叩きつけ、蜘蛛を踏み潰した。
苦戦しかけていたのは何だったのか。
その後、黒いドラゴンは満足したように飛び去っていった……。
さて一件落着と、レーゼの方へと向かった……。
いびきのような音が聞こえるが……。
「……レーゼ、おーい」
『……むにゃむにゃ……なんで……紅皇龍がここに……むにゃ』
「……寝てる……? ま、まさかライも……?」
『zzZ……ご主人……高木さん……は、はんが…… きぞ…………? もう一度言ってください……zzZ』
「……寝てた……!」
……そんな時。黒髪のエルフが立ち上がった。
……胸に、蜘蛛が乗ってい……る……?
『マだ……まダだ……! 私は……』
「……はー、めんどくさいなのです」
そう言いながら、リシアはエルフに近づいて、指で蜘蛛を摘んで引っ張った。
大丈夫!?
『……は、はハはハ……何をスる気ダ……私ヲ倒ソうとモ、第二第三の私ガ……』ピチュッ
〘シュピリオヴェッシェを倒した!〙
〘経験値3500EXPを獲得!〙
〘レベルが1上がった!〙
〘スキルポイントを2つ獲得!〙
リシアは蜘蛛を潰した。そして井戸の水で洗い流して捨てた。えぇ……。
黒髪のエルフの糸は外れ、魂が抜けたように倒れた。
……凍ったエルフ達は全員生きていたようで、スクッと立ち上がった。
その後、村は活気を取り戻していった。
……気づくと時刻は8時台であった。
ライとシアとレーゼをしまい、少し冷や汗を流しながらログアウトした。
◇◇
リシアはスイをつついていた。
「……ふぅ、面倒な奴だったなのです……いつまで寝てるなのです、スイ」
:思ったんだけどア○ラル・カと言うよりヤ○カダキでは?
:↑ネ○スキュラとヤ○カダキとア○ラル・カを混ぜて3で割った感じだな
:何で喋るんだよ弱く見えるじゃん
……その時。リシアから黄緑の髪のエルフが出てきた。そのエルフの周りには霊が漂っている。
『……あ、あのー……リシアさん? コイツ、一応同族なので埋葬してあげたいんですけど……』
「うひゃぁっおばけっ!?」
リシアはエルフ……の周りに浮かんでいる霊に腰を抜かした。
……そのエルフの名はユーリ。どうやら白兎のことがトラウマになっているせいで出てこなかったようだ。
「……あ、ごめんユーリ、なーの存在忘れてたなのです」
『酷く……ないですか……?』
:すまんワイも忘れとった
:ええんやで
:↑誰だよ
:その辺に捨てたらいいのに
「人の心とかないんかなのです」
:ドブカス……がぁ!!
リシアは近くのエルフの男に話しかけた。
……筋肉モリモリ、マッチョマンの変態だ。
「あ、あのー……このエルフを埋葬してあげたいなのです……」
『……ああ……ん? 誰だそいつ。見たことねぇ顔だな……』
「え?」
『……ん? こいつ、そいつみたいにフィルストのエルフっぽい顔だな……故郷だろうフィルストの集落で埋葬してやったらどうだ?』
「え?」
:何も理解してなくて草
:顔違うの? わかんない
……ユーリは、嫌そうな顔をしながら黒髪のエルフをお姫様抱っこで持ち上げた。
『……はぁ、なんでコイツを……コイツの面なんて二度と見たくなかったのに……』
「え? な、何が何で何なのです?」
:なんか嫌ってて草
:何も分かってないリシア(15)
:↑こいつ15なんだ
:↑おっすにわか。こいつ呼ばわりとか終わってら
:↑お前も大概やろがい
◇◇
……さて、夕食を食べる。
黒菜が頬を膨らませている……。
気のせいだね! うん!
「……遅いよお兄ちゃん」グゥ〜
「ごめん」
……黒菜の腹の虫が五月の蝿のようになっていた。
ごめん。……同級会には、行けません。今、シンガポールにいます(?)。
「8時だよ? 二回目だよ? しかも明日も平日だよ?」
「ごめんて」
……今日のお子様ディナーは、パスタ三種盛り。
子供が食べるには些か多い気もするが、フィットチーネのカルボナーラ、スパゲティのペスカトーレ、変な形の麺のジェノヴェーゼである。
……ペペロンチーノが食べたい。
黒菜は焼きそばと白飯。……あと変な黒い瓶。
「……く、黒菜? また変なの持ってるけど……シュールストレミングとかじゃないよね?」
「? まるみて……?」
「マーマイトでしょそれ!? ……美味しくなくて渡されても絶対食べないからね?」
……黒菜は海苔の佃煮かのように、マーマイトをご飯にかけて食べた。大惨事になる缶詰に比べれば無に等しいとはいえ、独特な匂いもしたが……。
「……うん、思ってたよりは美味しいかも」
「不味いと思ってたの!?」
美味しいならいいが……その瓶使い切れる?
僕食べないからねそれ?
あと、パスタ三種盛りは美味しかった。
……粉チーズをだいぶかけたけど。
チョモランマ!
「……お兄ちゃん、なんだっけそれ……パルチザンチーズ?」
「パルメザンね? ゲリラでもしてるの? まぁこれゴーダチーズなんだけどね」
「えっそうなの!? 友達にドヤ顔で家にパルチザンチーズがあるって言ってたんだけど!?」
「パスタを食べる家庭には大体あると思うよ!? それに何で粉チーズの話題が出てるの!? ドヤ顔で言う事でもないし!」
◇
「……あれ? 望乃からメール?」
自室に戻り、携帯を触った瞬間、通知が鳴った。
近い蓑『白兎くん、おやすみなさい』21:18
近い蓑『携帯触っていないで寝てください』21:19
……ごめんなさい。
僕は寝た。おやすみ。Gute Nacht.
紅魔郷クソ難くて草。
次回:たまには学校来いよ(笑)




