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ふゅんふうんとどらいしひ 睡儡の淫魔

Fünfunddreißig―――Sui und Lai wurden einer Gehirnwäsche unterzogen.

「ぐぁっ……ら、ライ……!? それに……す、スイ……?」

『……アあ、コの肉体どモハ良いモのだ』

『強さモ申し分ナい、空ヲも飛べル、弱ク地を這ウだケのエるフを失おウと得ル価値があル……』



……ライとスイがそう言うと、この村中のエルフが一斉に襲いかかってきた。

リリィと望乃はエルフに簡単に倒されていた……。

シアこそ戦ってはいるが、体があまり動いていないように見える。



『ライ……? なんで……』

「ぐっ……な、何で……」

『察シが悪イようデすね。冥土ノ土産ニ教えテあげマしョう』



どこかから、とても大きな蜘蛛が現れた。

大型トラック一台分ほどの大きさだ。白い糸が、黒い体の重要な部分を護るかのように包んでいる。



No080 シュピリオネッテ 無属性

Operatiaranea operatio

蛛形綱クモ目コガネグモ科アヤツリグモ属 Spirionette

動物の体に魔法性の糸を巻き付けて操るクモ。巻き付かれた動物は睡眠状態となっている。

生息地:草原、森林


No080+ シュピリオヴェッシェ 無属性

Operatiaranea operatio

蛛形綱クモ目コガネグモ科アヤツリグモ属 spiriowäsche

雌のシュピリオネッテの成体。大量の動物を操り、子供に分け与える。

生息地:草原、砂漠



『コの肉体共ヲ操ッてイるノが、コの蜘蛛ダからデすヨ』

「ライ……っ」

『お前ラに勝ち目ナど、こノ村に入っタ時カら無カったノだ。死ぬガよイ……』



『シカし、脆くトも肉体の一つ。利用しテやッてもいイだロう……勿論、抵抗なドサせヌ……プフィルツィヒ・シュタッヘルシュヴァイン』

『パワードレイン』

「ぐ……っあっ……」



攻撃を喰らい、魔法が思うように出せなくなった。

身動きのほとんど取れない僕に向かって、一匹の小グモが飛んできた……。


僕は考えに考え……最初に放つことのできた魔法を放った。



「ライト……!」



〘シュピリオネッテを倒した!〙

〘経験値25EXPを獲得!〙

〘レベルが1つ上がった!〙

〘スキルポイントを2つ獲得!〙


〘レベル50に達しました。必殺技を習得します〙



声が聞こえた。必殺技……ああ、リシアが使ってた呪文のやつかな?



〘必殺技とは、最大二つ習得する究極の魔法。人や自分の味方モンスターにダメージ”は”ありません〙



必殺技【羽の(E.M.P.エクス)放散(プロージョン)】 核属性 3600 7200S 爆

超高高度でかなりの規模の爆発を起こす。殺傷力はないが、広範囲で一時間の間必殺技を除く魔法が超弱体化する。

詠唱不要


必殺技【惡魔の蒼光(D.S.コア)】 光属性 0 7200S 支

広がり続ける制御不能の蒼い光を放つ。当たってから時間が経つと自身及び敵味方問わず死ぬ。ただし生物以外に効果は薄い。

詠唱不要



……この二つが、僕の頭に流れた。

ツッコミたいところはあるが、そんな余裕はない。



僕は力を振り絞って、声を放った。



「羽の(E.M.P.エクス)放散(プロージョン)」



空が焼ききれんばかりの光に包まれた。まるで太陽がそこにあるかのように……。



……その瞬間から、ライやスイ、エルフ達の動きが鈍り、力も弱まっていく。


『な、ナニをシタ……イ……ト……ガ……』



ライが少し音を発しながら、倒れる。


……そして、どこからか聞き覚えのある声もした。

また出たよこの人……。



「な、何が起こってるなのです? 空が……」

「……行く先々で見かけない?」

「ストーカーだよ。しr……ゆきうさぎって可愛いから」

「違うなのです! ……まぁ、可愛いのは認めるなのです。でもストーキングはしてないなのです!」



野生のリシアが現れた!

どうする? ▶たたかう ポ○モン

       どうぐ  にげる

白兎のはたく! こうかはばつぐんだ(?)!

きゅうしょにあたった「何で戦ってるなのです……」!



「……シュピリオヴェッシェ……なるほど、やっぱり蜘蛛(コイツ)が犯人だったなのです……わーのスイに手を出したこと、どう落とし前をつけてやろうか……なのです」



リシアは不敵な笑みを浮かべている。

こわ……。なんか覇気出てる……。



「我(わー)に宿る、しなつ風神の力。その力は鬼畜すら敵に非ず。風神奪操・冬! 風よ我(わー)を守り給え。風よ全てを渦に巻き込め。己(なー)に吹く風は神の力なり。その風、乱れて舞え! 颶の遺(はやてののこり)!」



リシアが何か所々前のと違う気がする呪文を放つと、大きな蜘蛛に向かって、冷たい強風が起こる。

そこに間髪入れず、何かを唱えていた。



「我《わー》に宿る、やまつ土神の力。その力は鬼畜すら敵に非ず。土神奪操・植! 岩よ我(わー)を守り給え。岩よ全てを土に還したまえ。己(なー)に載すは神の力なり。その岩、巨木を植(た)て! 巖の骸(いわのむくろ)!」



またリシアが所々違う気がする呪文を放つと、蜘蛛の頭上から大岩が落下し、潰れた。

大岩は崩れ、双葉が生えた……。



「……やったか、なのです……」

「フラグ立てるのやめてくれない!?」

「そりゃあ配信的に面白いからなのです」

「撮れ高ぁ……」



崩れた岩の中から糸が伸び、反応できる前に僕の身体中に触れた。身体中に巻き付かれ、身動きが取れない。



「ぬぁっ……!?」

「白兎……くん……?」



声が出せない。体が勝手に動く。

体が言うことを聞かない……。



「……油断ハ大敵ヨ。コノ様ニナルノダカラナ」

『マスター……!?』



声が勝手に出る……。あ、操られた……?



「……弱キ体ニ興味ハナイガ……ヤハリ試シテハミルモノダ……アア……ヤハリマダイタカ……ソレモ特段ヨイモノガ……」

『……な、なぜ我が……っうああっ!?』

「……う、な、操られ……倒したはずじゃ……!」



目の前に、レーゼが出て……僕の糸が外れる代わりに、僕に付いていた糸に襲われていく。……いや、村中の糸がレーゼに向かっている。

まだまだ崩れた岩の下からも出てくる。



レーゼは瞳孔が開き、身体中が糸に包まれた。



『……アあ、こノ身体はいい……最高のものだ……!』

「な、何で……」

『……ああ、本体ですらないものに必殺技を放って、ご苦労なことだ……無意味だがなァ……!』

「(……ア○ラル・ネ○トなのです)」



レーゼはドラゴンの姿となり、頭上に小さな蜘蛛が乗った。とても強い冷気も放っている……。



『他の肉体などもう必要ない……龍に何が敵おうか?』

「……龍には龍をぶつければい……無理か」



……リリィが何か言った気がしたが、気のせいかな。



「……しr……ゆきうさぎ、何かある!?」

「……シア……は……」

『ドラゴンこわい……たしゅけてぇ……もやされるぅ……』



シアはうずくまって溶けながら泣いている。

レーゼ炎とか吐かないけどね……。氷なら吐くけど。



「……ライ……は……」

『……』

「……気絶してるか……」

『……zzZ……しゃむぃ……zzZ』



ライ……そしてスイも、そのまま倒れている。

……レーゼ相手は、どうするべきだろうか。



もう一つの必殺技……は論外。みんな死ぬしかないじゃない!


ニュークとかの魔法……は必殺技のせいで超弱体化してる……。

カタツムリくんは干からびるので出せない。



……大戦犯かましてるな僕……!



『抵抗できるのならやってみるが良い……必殺技はもうなかろう? 大した力の出ない……或いは出てもこの体を殺し得る魔法の中でなァ……!』



……詰んだ……。数時間待ってリシアの必殺技が回復するのを待つしか……。



「……おっと? まさかわーのレベルが50程度だとでも思ってるなのです? 確かにその時は必殺技は二つ……50なら、なのです」

『……何を、言う気だ……』

「さぁ? なのです……」



……え? まだあったんですか?



「しなつ風よ、やまつ土よ。我(わー)は此処に在り。冬も春も過ぎ、植える地もなく。骸(むくろ)も遺(のこり)もない、あるのは抗えぬ風の力。あるのは導く土の力。風土の八百万よ、己(なー)の力が必要である」

『させてたまるかァッ!!!』


「衞嶋神風(えいとうしんぷう)!!」



とてつもない嵐が起き、砂や倒れたエルフやらを巻き込みながら大きくなっていく……。



「……やったか、なのです」

「更にフラグ立てないで!?」



……嵐が晴れ、そこには……。


見た目の変わったレーゼがいた。氷のベールのようなものを纏い、尻尾が十字槍のような形へと変わっていた……。



『あア、痛かったなァ……ほんの僅かだがなァ……』

「嘘……でしょ?」



……まだ、頭には形をそのまま保った蜘蛛が乗っていた。どうするのこれ……?

計測ミスさえなければちゃんと50レベルになってるはずです。ミスしてたら知りません。


……本当にここからどうしよう。


次回:強力なブレスだ!

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