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どらいうんとつばんつぃひ 白騎士

Dreiundzwanzig―――Weißritter

……さて。少し雑談していると。

空から金属の擦れるような音がした。



「……な、何この音……!?」

『……こ、この音は……』

「何か分かるのレーゼ!?」



レーゼがこの音の元凶? について知っているように言った。レーゼからその元凶を聞く……前に、その元凶らしき存在が降りてきた。



『……白騎龍ヴァイスリッター。本来、群れるはずなのですが……』

「一匹だけ……」



目の前のドラゴンは、銀色の体、槍と盾のように見える翼、弓のような後ろ足。全体的に誇り高い騎士のような風格を感じる。



No194 ヴァイスリッター 無属性

Nobilisdraco comitatus 白騎龍

爬虫綱六足龍目西洋龍科貴龍属 Weißritter

全身が鎧のように硬いドラゴン。後脚に弓のような弦が付いており、長い前脚で矢を使い発射する。

生息地:貴龍属の住処付近



『ど、ドラゴン……っ!?


ぷるぷる……オレ、わるいスライムじゃ、ないよ……』



……シアはビビったのか、一瞬で赤いスライムになり震え出した。……待って、一人称オレなの?



『ビビってるんですか? かっこ悪い……』

『だ、だって……ドラゴン……スライムが、勝てるわけ……ないし……』

『スライムなのにワイルドオーク倒してた奴がなんか言ってる……』

『……う、うぅ~……』



……シアは僕の足にしがみついてきた。

よく見るとコンセントみたいな目から涙のような液体が出ている。



『やだ……ドラゴンだけは……やだ……炎……嫌い……』



そう言いながら、僕の足にしがみついて離れない。

……もしかしてトラウマでもあるの? 一瞬でさっきまであった雰囲気ぶち壊れたよ?



……多分炎吐かないドラゴンに見えるが、無理はさせられないなと思い、しまってあげることにした。



『……ご主人っ! 後ろです……っ』

「……へ?」



僕の背中に激痛が走った。……目の前にドラゴンがいるというのに。まさか残像……!?



「つぅ……っ!?」

『ご主人……。……ヴァイスリッターは矢を放ってきます……! 油断してはいけません……!』

「~~……っっ!」

『……ご、ご主人?』

「ぁぁぁ~っ……!」



背中がとても痛い。

何かが背中に突き刺さっている……。


『ご、ご主人!? 抜いちゃ……』

「え……? 虫……!?」



No077 ハネヤヤンマ 風属性

Anotogaster sagitta

昆虫綱蜻蛉目オニヤンマ科オニヤンマ属

尻尾に羽のような構造のついた細いヤンマ。突き刺さりやすいため、ヴァイスリッターに矢として使われる。



「よ、よくも……っ! シャイン!」

『キュァッ!?』



閃光に目が眩んだか、ドラゴンは地面に激突した。

鎧のような外殻がひび割れ、少しじたばたとした後起き上がった。……目は閉じたままである。



『キュアアアアアア!!!!』

「わぁっ!?」



ドラゴンは叫びながら、尻尾を振り回した。

目が閉じていたため、足掻いての行動だろう。


しかし、その尻尾に当たってしまい、僕は地面に倒れてしまった。周りを見ると、望乃もリリィもだった。


……ライはおろおろとしていた。



『……!? ご、ご主人……何かがこっちに近づいている足音が……!』

「え……?」



今度は何!? ……と思っていたら、とある女性の姿が見えてきた。



「……迷子になってしまった……。……ん? あの子は……」

『……あれ? 見覚えが……誰でしたっけ……』

「……えーっと……ルルエさん……でしたよね?」



ルルエさんだった。ら行が多くて誰か分からない?

……レーゼと戦った時の人だよ。



「……ヴァイスリッターか。今持っている武器の素材元だな」

「……た、確かに色が似ている……?」



……ルルエさんはドラゴンの目の前に立ち、武器を構えた。戦うんだ……。



「獲物を横取りさせて貰おうかな? 拒否権はないけどね」

「い、いいですけど……」



……獲物というか……。急に襲われたというか。

まぁ、なのでいいですよ。



「ふふ……隙だらけだ。滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる 爬行する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力をs」

『キュァァァ!!!』

「ぐべらっ!?」



なんか急に呪文みたいなものを……!?


ルルエさんは目が覚めたドラゴンの翼で薙ぎ払われ、そのまま地面に倒れた。


……ん? なんか聞いたことあるなその呪文……?



「……何しに来たんですか。横取りってなんですっけ……」

「くっ……完全詠唱できたというのに……次こそ……」

「隙だらけですよね……?」



……次こそ期待して見ているか……。

なんか期待できないけど……。



「千手の涯 届かざる闇の御手 映らざる天の射手 光を落とす道 火種を煽る風 集いて惑うな我が指を見よ 光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔 弓引く彼方 皎皎として消y」

『キュアッ……!!』

「ぐわっ」



ルルエさんはドラゴンに吹っ飛ばされた。

……だから何しに来たんですか。



「完全詠唱できたというのに……!」

「本当に何しに来たんですか……?」

「……」



……そう言って、ルルエさんは矢を放ち、ドラゴンといい勝負をし始めた。



「……さっきのは本当になんだったの……?」

「あれだよ、白兎。厨二病ってやつ」

『あぁ、アカ……じゃない、シアと同じですか』

『オイ?』

「あの詠唱……聞き覚えがありましたが……黒○と……詠唱破棄してユ○坊が発射されるやつですよね?」



……? ユ○坊が発射されるやつ……? ……実況者がその時に言っていたとかなのかな……?

さて……。そんな話をしていたら……。


ドラゴンは見ただけでも分かるほどボロボロになっていた。ドラゴンはお腹を空に向け、暴れもせずぐでっとしていた。……服従のポーズ?



「……ふざけたことしてなければ余裕で勝ってましたよね? バカなんですか?」

「あまり強い言葉を使うなよ……泣くぞ」



……弱く見えるぞ、じゃなくて……?

あと泣くなら勝手に泣いてください……。



「……で、どうしようかな。このドラゴン」

「服従のポーズみたいになってますけど……」

「……連れて行った方がいいか?」



いいんじゃないかな。


……すると、ドラゴンはどこかへと消えた。

おそらくルルエさんがしまったのだろう。


……傍から見れば塵にして吸収するように見えるんだ……しまう時って。



『おかしい……。我の知る限りこいつらは何があろうと死ぬまで戦うバカまみれなはずなんですが……』

「え、そうなの……?」

『……恐らく……ずっと孤独な個体か、単純に力を試したか、それとも……』



『何かに恐怖して仕方なく従い、一時的に敵対した……? そして……この人がその、何かよりも強いと判断して裏切った……?』

「……どういう……?」

『あくまで憶測の域を出ません』



……そんな時だ。ライが冷や汗をかきながら口を開いた。



『……ご、ご主人……。悪いニュースともっと悪いニュースがあります。どっちから聞きたいですか?』

「どっちも悪いニュースなの!? ……悪いニュースからで」


『黑境龍シュヴァルクグラフというドラゴンが近づいています』

「……もっと悪いニュースは?」

『正体不明の、強そうなモンスターも近づいています……シュヴァルクグラフと時間差はありますが……最悪の場合、同時に戦う可能性も……』

「……え?」



正体不明? 何それこっわ。

正体不明という言葉を聞いてか、ルルエさんが肩をビクッとさせた。少々リアクションが大きいような……?



『もうドラゴンやだぁ……うぅ……』

『出てきてください。猫の手も借りたいんですから』

『オレ猫じゃない……』

『そういうこと言ってる場合じゃないんですよ……! 良いから出て……!』



シアがライに脅されて仕方なく出てきた。

スライムの状態でめちゃくちゃ震えている。



「ま、まさか……正体不明って……今日リシアが探し始めたあれか……!? 今日見つかるのか……!?」

「……なんか申し訳ないねリシアに」

「まだ確定しているわけではないのでは……?」



……確かに。これで全然違うモンスターとかだったらライをシバく『なんでですか!?』。



『……戦えば、いいんでしょ……戦えば……』

『そもそも、わたしだってドラゴンに凍らされたんですけど』

『凍らされたって……復活できるじゃん』

『凍った後、割れては戻り、凍る……を繰り返すのは地獄でしたけど!?』



……あ、ライもなんかドラゴンにトラウマがありそう。なんかごめんね。レーゼの時に出して……。

(ちな作者某作品九十と九十一以外全く知らない)



リシア「最初に見つけたいのではなく戦いたいだから別にいいなのです」



次回:闇のドラゴン

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