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あいんうんとつばんつぃひ 武器を直しに

Einundzwanzig―――Waffenreparatur

僕は武器が壊れていた事を思い出し、武器屋に向かっていた。



「おう、どうしたんだ? 嬢ちゃん」



僕は武器が壊れた事を伝える。

直してくれないかな……と伝えると、アルティメットゴリラさんは唸りながら頭を掻いた。



「……難しいな。そもそもこれが何で出来てるのかも分からない」

「え、えぇ……」

「すまないな。ここはあくまで武器屋であって鍛冶屋ではないんだ。……アイツなら直してもらえるかもな」

「アイツ……?」



直してもらえるのならいいけど、どんな人なのだろうか。



「……確か……ルキアだったかな。凄い暇人だからすぐ見つかるだろうよ」

「あ、ありがとうございます……」



僕はルキアという人を探しに行った。





……しかし、名前と暇人というだけの情報では見つかるはずもなく。そもそも今ログインしているかも分からない。



……村にはいなさそうで、草原を探してみる。

まぁそもそも人すら見かけないんだけどね。


……探し始めて一時間が経過した。勿論草原から数え始めて。



「……人すらいないなぁ」

「まぁ……今こんな序盤の場所にいる人は少ないですから……ほとんどはもっと進んだ場所にいますから」



少し疲れてきた頃。上空からビュウウウン!! とジェット機のような音がする。それと同時に、放置された便所とエタノールを混ぜたような臭いが微かにした。



『こ、この強烈な嫌な臭いは……!』

「何か知ってるのレーゼ!?」

『……あ、アドラールフト……。……簡単に言えば臭いドラゴンです』



No188 アドラールフト 風属性

Militare aerea 鷲空龍

爬虫綱六足龍目西洋龍科隊龍属 Adlerluft

翼から圧縮した屁を勢いよく発射し、空を飛び回る。縄張りに入った生物がいれば、前腕から爆発する排泄物を飛ばし迎撃する。臭い。

生息地:上空



「アドラールフト……? いや臭……」

「うわ臭……っ、え、白兎! 何なのこの臭い……!? ゲームなのに!?」

「……白兎くん。鼻が深刻な故障を起こしそうなので帰っていいですか?」



……鼻がおかしくなりそう。

そう思いながら、その元凶であろうドラゴンを探す。



……それらしきドラゴンが降りてきた。

臭いから、翼から屁を噴射しないでくれ。



見た目としては、顔はシュッと凛々しく、砲台のような前脚、鷲のような後脚、そして、そのまま飛行機のような翼。全身は黒っぽく、見た目はいい。



「……見た目は割とかっこいい感じ……いや、臭い」



……武器を構えると、ドラゴンは翼から噴射し飛ぶ。

臭……。そ、そして砲台のような前脚から白い何かを飛ばしてきた。



「う、うわ……!? し、白い……なにこr……」



その時、飛ばしてきた白い何かが爆発した。

僕はそれに驚き、思わず背中に向かって倒れる。



『……その。白い……それはですね。コイツの……え、えーっと……その……ふ、糞尿ですね……』

「きったね!? 見た目だけだこのドラゴン……!」



……その間も、ドラゴンは糞尿を飛ばしまくる。

うわぁ……。最悪だぁ……。



僕は糞尿を避けまくるのに必死になっていた。

そんな時だ。どこからともなく声がした。



「皆伏せて! 巨剣(ビッグソード)!」



ドラゴンの翼が切り落とされ、痛みからかドラゴンは糞尿を飛ばすのを止めた。


そして、僕の目の前には見知らぬ女性がいた。


……いや、僕が伏せた意味は果たしてあるんですか……?



そして技名ダサくないですか……? もう少しぐらいはマシにできたろうに……。ジャイアントソードとか……。



「……決まった……。……にしても、桃○獣(ババ○ンガ)天○龍(バ○ファ○ク)かぁ……面倒だなぁ……」

「バ……?」

「あ、いやなんでもない。大丈夫だった? リスカちゃんと……取り巻きの誰かさんたち」



リスカちゃん呼び!? いつもリスカしてるかのように言わないでほしい……! いつもはしてないから!



「……り、リスカちゃん呼びは……その……」

「あ、嫌だった? じゃあなんて呼べばいい?」

「ゆきうさぎでお願いします……」



その時だ。翼を失ったドラゴンの背中が割れ、割れた中から銀色の何かが見えた。その銀色の何かが、ドラゴンの外側へと出てくる。



『脱皮ですか……。確かに翼は治るかもしれませんが……リスクが大きすぎる……。何故このような行動を……?』



脱皮したドラゴンは銀色になった。空を飛び、また糞尿を飛ばし始める。……しかも、どの攻撃も届かない空中で。



「……これどうするの……!? 攻撃届かないけど……」

「わたくしの魔法も届きませんし……」



……終わった。そう思った時だった。

レーゼが気まずそうに言う。



『……あの。我、空飛べるんですが……』

「あ、そうじゃん」



そう言われたのでレーゼを出す。

空を飛び、臭いドラゴンを追いかけ始めた。



「じゃあ任せたよ! 頑張ってレーゼ!」

『……っ!!! ……ぶ、ブリザード!!』



……そう言ったとき、少し謎の硬直のようなものがあったが、レーゼは魔法を放つ。



放たれた魔法により、臭いドラゴンは吹き飛ばされ墜落した。痛かろう痛かろう。


……しかし、そんなドラゴンの背中にまたヒビが入る。



『……ま、また脱皮しようとしている……!? 無茶な……!』

「させないよ! 巨剣(ビッグソード)!!」



だから技名……。……その攻撃によりドラゴンの首が落とされ、ドラゴンは倒れた。



〘経験値800EXPを獲得!〙

〘レベルが2つ上がった!〙

〘スキルポイントを4つ獲得!〙



……死臭と糞便の臭いがするドラゴンは置いておき、女性が名前を教えてくれた。



「……おっと、名前を言ってなかったね。私はルキア。ルキア・シュネークラング。リシアの姉だよ」



あれ、見つかった。なんだこれ、ご都合主義か?


……ん? リシアの姉……?

あの人姉いたんですか……。



「あの、ルキアさんを探してたんですが……その、僕の武器を直してもらいたくてですね……」

「ん? ……あ、ごめん、その武器の修復に必要な材料、めちゃくちゃ入手困難っぽいんだよね……ごめんだけど……」

「そ、そうですか……」



……直せなかった。そこまでご都合主義じゃなかった。ご都合主義でいいじゃん。



「……代わりといってはなんだけど、これはどう?」



太陽の魔杖(まじょう) ★70 光属性 new!!

光り続ける魔法の杖。その光は全てを焦がし続ける。強い熱と強い光を操る。



「お、おお……? いや説明怖!?」

「……そういう武器なんだよ」



代わりの武器が手に入ったから、まぁいいか。





ルキアさんと別れた後、望乃がレベル上げの為に行きたい場所があるようだ。フォウルト密林というらしい。



「フォウルト密林? ……うん、やっぱフォウルトかぁ」

「?」

「……いや、なんでも」



フィルスト、ゼコント、ティルト、フォウルト……。

その次はフィフトかな? ……あんまり変化ないな……。



「まぁ、行こっか」



◇◇



リシアに、あるテレパシーが伝わった。



『大変だ大変だぁ!』

「……なんなのです。スイ」

『弟が起きた! ……一時間くらい前に!』

「そんな大切なことは一時間前に言えなのです!!」

『ごめん』



リシアは慌ててスイがライの様子を見ている場所へと向かった。


ライの瞳は右は治っていたが左が赤黒く染まっており、体は力が入らない様子であった。



『……なのですの人……? ……ご主人はどこに……』

「……ごめん、知らないなのです……。どっかにはいると思うなのです」

『……そう……ですか……』



……ライは立ち上がり、おぼつかない足取りでどこかへと向かった。



『……ご主人は……あそこ……でしょうか』



翼を広げ、不安定な羽ばたきで主の方へと向かった。



「……え、どっか行ったなのです」

『それほど主の事が大好きなんだろうねぇ。まぁ、私m』

「……わーはなーの事嫌だけどなのです」

『わぁ……(泣)』

次回:フォウルト密林

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