どらいつぇーん 先輩達はペドフィリアなの?
Dreizehn―――Die Senioren sind Lolicon
部活動。この高校では一人一つ(委員会は含めない)までであり、入るか入らないかは自由である。
この高校では運動部は10、文化部は7つ、同好会は5つ、委員会は8つある。
尚、この学校での部活と同好会の違いは殆どないが、人数や歴史などで決められているという。あ、全部部費は出る。
運動部は陸上部、野球部、サッカー部、卓球部、テニス部、バドミントン部、バスケ部、バレー部、弓道部、水泳部がある。
文化部は美術部、園芸部、演劇部、料理部、文芸部、吹奏楽部、軽音部がある。
同好会には、茶道の会、ゲームを作ろうの会、学生アイドルの会、お嬢様言葉の会、漫画研究会がある。
委員会には、図書委員会、購買委員会、保健委員会、生徒会、校内議会、風紀委員会、放送委員会、選挙管理委員会がある。
生徒会と校内議会、風紀委員会は、だいたい三権分立だ。行き過ぎた生徒会は退陣させられて、校内議会の内、次に得票率が高い人が生徒会になるか、解散されて総選挙が行われる。また、学期の初めには必ず総選挙が行われる。
あと、この高校には政党のような制度もある。……その名前は必ず、○○の集まり、のようになるのだが。
おっと、かなり話が脱線していた気がするので戻しておこう。
さて、僕はゲームを作ろうの会に、望乃は弓道部、リリィは料理部に入っている。
僕の所属している、ゲームを作ろうの会は僕含め6名の部員がいる。だが一人は幽霊部員であり、僕もそこまで働いていない。というよりやれることがほとんどない……先輩方が有能すぎるという意味で。
また、この同好会には、本名ではなくペンネームで呼び合う謎の習慣があり、僕のペンネームは兎。
「わー、本当に幼女になってんだね兎」
この人は汐谷 花嶺。二つ上の女の先輩であり、アクションゲームはかなり得意。国語が得意だが、字はとっても下手。
ペンネームは汐ち。
「ほんまやなぁ、そないなことあるんや……びっくりやわぁ……。何で可愛え女の子になってるんやろか?」
いけずな方言のこの人は山城 美与。いつも糸目で、二つ上の女の先輩。クイズゲームが得意で、最近数学Ⅲに苦戦しているらしい。
尚、糸目なのはすんごい光に弱いからであり、暗いところなどでの開けた目は綺麗で、顔は整っている。あとおっぱ……大き……何でもないです。
ペンネームはMIYO。
「……自分でも分からない……のですけどね……?」
「そっかぁ、わからへんのな……。聞いて悪かったわぁ……、ごめんな? ……あといつも言うてるけど、敬語外してくれへん……?」
「すみません……。MIYO先輩の……その……えっと、兎に角敬語が外せなくて……」
優しくて怒ることはないが、何かある度にうっすらと微笑んでくる。本人は狙っていないらしく、治したいらしいが、少し怖い。ちなみに本人に怖いと言ったら一時間は凹む。
「そやなぁ……ウチが怖いことは分かっとるからなぁ……いつもごめんな……?」
「まず目を開けたらいいと思うんですけどね……? その後その方言を治したらどうです?」
「眩しいから嫌やわぁ……方言は治らへんしなぁ……」
なら諦めてお茶漬けとか出しててください「そんないけずなことはせーへんよ!? うちを何やと思てはるん!?」……雰囲気が怖い人、ですかね。
「はいはい、とりあえず話すことあるから一旦黙っててねMIYOと兎」
「はーい」
「すんまへんなぁ……堪忍な?」
「こひゅ」
「なんでやぁ……!?」
◇
この同好会で作るゲームについての話であった。今回は恋愛ゲームらしく、役割の割り振りが決められた。
「……で、今回のゲームのストーリーは文芸部に依頼するわけだけど……なにか質問ある?」
「はい」
「兎は何が言いたいか分かったから却下」
……しかし、僕は質問……というより不満しかなかった。人数が実質五人と少ないというのに、僕はやらなくていいとの事らしい。
先輩方は確かに有能ではあるが、それはそれとして、先輩達は細かくストーリーを練る事ができない。僕の出番は細かいストーリーだけなのに……。
「……いやいや、兎の意見も聞いたってやぁ……? まぁ、その理由は役割が全くあらへんからやろけどなぁ……」
「いや、兎には一応役割があるからね?」
「そうなん?」
嫌な予感がした。どうせろくでもないことだろう……。
「応援とかして、メンタルケアとか……あ、ハグとかのスキンシップでもいいよ? というかして」
「そやった……汐ちは小さい女の子が凄い好きなんやったわぁ……」
ロリコンしかいないのかこの学校には。あ、例外はそこそこいるけども。
「……汐ち先輩もロリコンなんですか……? 周りがロリコンまみれなんですが……」
「そやなぁ……。そうなるかもしれへんなぁ……」
「いや、ロリコンじゃなくてペドフィリアだからね!?」
意味はあまり変わらないだろうに……。このロリコンどもめがっ!
「……いうてうちも、兎を見てるとけったいな気分になるからなぁ……、もしかしたらうちもロリコンなのかもしれへんなぁ……なんやろか、この気分……」
「も、もしや殺意ですか……!? 嫌悪感ですか……!? そ、それとも……」
「絶対にちゃうよ……!? 安心してやぁ……?」
MIYO先輩は確かに見た目こそ怖いが、それはそれとしてイジリがいがある。本人も別にイジられることは満更でもないらしいし。
「……ね、MIYO、兎……撫でたくない?」
「……そやね」
「……この学校やっぱりロリコンばっかりだぁ……。ふ、ふしゃーっ!」
MIYO先輩はなでなでしたいくらいの意味だろうが、汐ち先輩からは他の意味も感じた。僕は威嚇した。
「ミナミコアリクイみたいで可愛いね」
「引っ掻きますよ?」
「兎は寂しいと死んじゃうから面倒見てるだけだよー」
「寂しいじゃなくてストレスで死んじゃうんですけど」
脱兎の如く逃げ出したい。この部に味方はいないのか?
「……先輩方、やめてあげてくださいよ」
「はおりん先輩……」
杉木 羽織。ひとつ上の先輩で、ペンネームははおりん。声は高く、見た目は落ち着いた文学少女のようだ。
……だが男だ。
「先輩方はロリコンの上ショタコンという救いようのない人達なんですね」
「うっ……」
「何も言えへんなぁ……」
はおりん先輩は、僕が入るまでこの二人にいいようにされていたという。詳しくは言わないでおくが。
……しかし、僕を守るように抱きついた、はおりん先輩も同じ穴の狢であった。
僕の視線は、コイツの股間に向けている。
「……はおりん先輩が言えることですか?」
「へ?」
はおりん先輩の股間部の海綿体に血が集まったようだ。僕は軽蔑した。
「……あ、その……っ!? こ、これは……」
「BLはちょっと好きじゃないのでお断りします」
「┏(┏^o^)┓……」
はおりん先輩は四つん這いになって^o^という顔をしている。いやどういうことだろうか。
……さてゲーム制作が進んでいく。
◇
『おいどんが好きでごわすか……? ……おいどんも、まぁ……やぶさかではないでごわすが……』
「よぉし、ヒロイン一人できたよ」
……ゲームは順調にできていくが、ネタ満載の恋愛ゲームになってきている。
「なんやねこれ……? 本当に女の子やんな……? 力士に歌舞伎の化粧付けたみたいな見た目なんやけど……?」
「女の子らしいよ? ちなみにボイスは演劇部に頼んだよ」
「こんなのの声になった演劇部の娘が可哀想やわぁ……!」
「クソワロタ? って言ってたけど……」
それは本当にその通りである。格闘ゲームに男の強キャラとして出てきそうな見た目なのに、声の人は女性だもんね。
「他のキャラはどうなってるんです?」
「兎、見る? 出来てきてるけど」
先輩は製作途中であろう画面を見せてきた。
『はぁげはぁげ♡、そんなんだから毛根が寂しいんじゃないの♡』
「……あのぉ? 文芸部……?」
また髪の話してる……。あ、僕は禿げたくはないですね。
『ウホッ……いい男……』
「アウトアウト……」
や ら な い が ? え、突然僕の目の前でツナギのホックを外しはじめるの? あ、違う、相手がされる側か。
『Ум○реть……♡』
「Милашкаみたいなノリで罵倒を流さないで!? 日本語訳がなかったら良かったのに……」
何でその単語でハートマークが付いているのだろうか。全く可愛くないよ?
「今流したのは、メスガキキャラ、清楚キャラ、たまーにロシア語でキレるキャラらしいね」
「どれをとってもアウトですよ!? 文芸部にやり直しを請求してください!?」
恋愛ゲームってなんだっけ……。こんな酷いセリフって普通あるっけ……。
「え? この清楚キャラもアウトなの?」
「清楚キャラかどうかよりもセリフですよ! セ リ フ !」
「……?」
あぁ、何も分かってないこの人……。とても人前で流せるものではないセリフだというのに……あれ、僕がおかしいだけ?
◇
「えー、このゲームが兎の意見によりポシャりました。文芸部は泣いてます(適当)」
「まぁそらそやろなぁ……」
「折角の機会だったのに……。だから兎、ちょっと愛でさせろ」
「……、なんか嫌な予感がすんのやけど……?」
嫌な気配を感じたため、僕はドアノブに手を触れて、部室から逃げようとした。
しかし、引き戸な事を忘れて、逃げられなかった。泣いていいだろうか。
「大丈夫……大丈夫だよ……? 悪いようにはしないから……」
「ひぇ……」
セクシャルハラスメント! セクシャルハラスメントです! やめてください!
「助けてください……」
「そうだなぁ……私にぎゅーってしてお姉ちゃん大好き、って言ったら解放してあげようかな……あくまでゲーム制作に活かしたいだけだよ、あくまで」
現在時刻は17:00。そろそろ帰りたいのだが。
「し、汐ち先輩、もう下校時刻ですけど!?」
「大丈夫大丈夫……ちょっとだけだからね」
「大丈夫やあらへんのやろなぁ……」
「助けてください!?」
静かに見ていないで助けてくださいよ先輩。
僕が襲われてしまいます「しゃーないなぁ……」
◇
帰宅した僕(体言止め)。帰宅した、僕は(倒置法)僕は帰宅していないか(背理法)? 家は帰宅され、僕は帰宅した(対句)。僕は帰宅する、僕は帰宅する(反復)……他って何があったっけな……。
さて今日の夕飯も、やはりお子様ディナーであった。内容は違うが。
天津飯、焼売、麻婆豆腐、春巻き、杏仁豆腐。中華って感じのお子様ディナーだ。
……いや麻婆豆腐赤黒くね? 大丈夫か? 見た目からして辛くない? いや僕自体は食べられるけども幼女になってから食えるのか?
まぁいいや。いただきます。
「……え、お兄ちゃん……それ辛くないの?」
「辛くな―――……からっ……!? ゲホッゲホッおえっ……かっ……うぇぇ……!!??」
麻婆豆腐は、最初は美味しかったのだが、後からとても辛みが来た。どう考えても大人用だろこの麻婆豆腐。美味しいけども。
……花椒の辛みもあるが、やはり唐辛子といった辛さだ。辛すぎだろ。子供じゃなくても食べられない人いるだろ。めっちゃ泣いてるよ?
「だ、大丈夫お兄ちゃん!?」
「ぅ……りゃいじょーぶぅ……。おいひいよぉ……おいひいけりょ……かりゃい……」
「無理して食べないでね!? お兄ちゃん!?」
「むりにゃんかひへにゃいよぉ……えほっ……」
美味しいのに。辛いけども。無理はしてないのに。食べたいから食べてるんだよ。
涙も鼻水も出てくる。だが、唾液もドバドバと出てくる。やみつきになっている。
「……麻婆豆腐全部平らげたよこの妹」
「兄だよ……!?」
「……Gr○kの?」
「Xにしたおっさんの性癖のキャラではない」
……舌の辛みも落ち着いてきて、他のおかずを食べ始める。
「いや黒菜。何また僕の杏仁豆腐に手を伸ばそうとしてるのさ?」
「か、体が……勝手に……!?」
「二度あることは三度あるかぁ……」
しかし、三度目の正直というべきか。
今回は盗られはしなかったが。
甘くて美味しかったぁ……。
「……うん。美味しかった……美味しかったけども。全体的にあまりお子様用の味ではなかったかなと思う……」
「どんな風に?」
「辛すぎるし……ほぼ全く甘みないし……胡椒やら花椒が効きすぎ……!」
……とりあえず、このお子様ディナーだけは絶対に二度と頼まない。いやお子様ディナーも頼みたいわけではないけど。
◇
なんとなくで適当に動画サイトを漁っていると、おすすめにとあるチャンネルが出てきた。
╭ ╮リシア・シュネークラング
@Rishia Schneeklang
╰ ╯チャンネル登録者数43万人・138本の……
わーはリシアなのです。わーは個人勢なのです。
X
ttps://tw○tter.com/RishiaSchneeklang
……
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【VWFT】ルルエ姉さんとコラボなのです #87
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【VWFT】紅王龍と戦うなのです #86
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……
……昨日のあの人か。チャンネル登録者数かなりいるんだなこの人。全く知らないけれども。配信日的に、昨日のは88回目の配信なのだろうか。
というか誰だよルルエ姉さん。……配信者なのだろうが、僕は聞いたことないし知らない。そして紅王龍とやらも何だ。
……まぁそんなことは置いておき、タイトルだけでもゲームがしたくなった。
M先輩「○ねどす……? そないなこと言わへんからな?」
なお文芸部
文芸部A「……えっこれ送ったの誰?」
文芸部B「すみません部長……私がやりました。間違えて深夜テンションで作って送ってしまって。反省はしていない」
文芸部A「しろや。……よし謝りに行こう」
次回:冰のドラゴン




