第四話 ルール
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「どう思うよ、広!」
翌日、学校に着いた広は先に登校していた織斗に捕まって愚痴を聞かされた。昨晩いなかった事で責められると思っていたが、実際は違った。
そんな事よりも、双子の妹が行方不明だった事の方が深刻らしい。
「悪い、織斗。聞いてなかった」
「はぁ? だから、帰ったら妹いなかったんだよ。爺ちゃんに聞いても知らないって言うし。外探しても見つからなくて、十時半ごろ家に戻ったんだ。どうなったと思う?」
「十時半……家にいた?」
「そう! 俺が一回帰った時はトイレにいたらしい。居眠りしてて俺が騒いでるの気づかなかったって。え、トイレで寝るってヤバくね?」
一人でノリツッコミのような話をする織斗をよそに、広は喉の奥から湧き上がる欠伸を噛み殺した。
先と別れたあと広は家に帰ったが、そこでも家臣と色々あった。揉めたわけではないがとにかく、色んな事が面倒くさい。
「でも外出てなくてよかったよ。夜は緋真のやつらに狙われるからあぶねーし」
織斗の言葉家に首を傾げる広だが、すぐにその意味を理解して「あぁ」と声を出す。
「気にしなくていいぞ、織斗の妹はまだ攻撃対象じゃないから」
「攻撃対象じゃない? なに、どういうこと?」
「神木の双子の妹が生存していた事はまだ本家に伝えてない。だから今、緋真が攻撃対象としてるのは術が使えることが判明している織斗と結奈ちゃんの二人だけになってる」
「え、そうなの? 爺ちゃんや結奈のおばさんは?」
「あの人たちは前の世代だろ、関係ない」
「関係ない事ないだろ、親戚なんだから」
「そうじゃなくて、宿縁抗争においては関係ないだろ?」
「え、だから神木の人間だから関係あるじゃん」
「待て、織斗。宿縁抗争は、現世代で術が使える可能性がある術師以外は攻撃禁止ってルール知ってるよな?」
「ルール?」
本当にわからないという風に、頭に疑問符を浮かべる織斗。
「もしかして知らない、のか?」
広の言葉に、織斗が当たり前のように首を縦に降る。
「ちょっと待て、知らない? マジで?」
「知らねぇよ、ルールってなに?」
「先祖たちが決めた宿縁抗争のルールだよ。子どもには手を出しちゃいけないとか、戦う時は人払いをしてからとか……え、お爺さんは? 言ってなかった?」
「知らね」
「あいつは? 従者の女」
「姫未? 最近まで封印されてたみたいだし」
「封印される前のことは知ってるだろ。それ以前におまえ、なんで自分から聞かないの?」
「聞く? 別に、和解すればいいと思ってたし、敵が広ってわかってからはなおさらその方向でいくつもりだったし」
「不思議というか不安になるだろ。どうして自分から、知りたいと思って動こうとしない? あー、そっか、織斗ってそういうとこあるよな、細かいこと気にしないし、猪突猛進というか」
「勉強もできないしな」
「……自覚してるなら努力しろ、馬鹿」
広がため息をつくと同時、チャイムが鳴って話は終わった。
普通に授業を受けて、普通に過ごして、また夜になる。




