8話:父上の仕事
突然だが、父上の職業について
触れたいと思う。
父上は洋服のデザイナーだ。
その独創的なデザインが評判をよび
今ではそこそこ名が知れ渡ったお店になっている。
父上の素質もあると思うが、
私は民族衣装を取り入れたりして
斬新な服を作る父上は凄いと尊敬している。
母上は父上のお店の手伝いをしている。
洋服を作成したり、会計を行ったりするが
お店のファッション・モデルもする時がある。
もちろんお店ではモデルさんを何人か雇っている。
しかし、父上が母上に着せたい洋服を思い
考えて創作した服は、
最初に母上に着てほしいらしい。
何年経っても仲が良い夫婦である。
その日、今日も丘に行こうとしていた私を
母上が玄関で引きとめた。
夕食を作るため、父上や他の店員よりも
早く帰宅する母上は、
よく父上からの伝言を預かってくる。
「ソラ、悪いのだけれどお父さんのお店に
これを持って行ってくれないかしら?」
差し出されたのは、何枚かの布とお菓子。
きっと、この布を持ってきて欲しいと
父上に頼まれたのだろう。
しかし、このお菓子は何だろうか。
不思議そうにお菓子を眺める私を見て、母上は言った。
「実は今、新しいモデルさんが来ているの。」
どうやら、そのモデルさんへの差入れらしい。
分かった、と引き受けたは私は
村にある父上のお店に向かった。




