7話:歌うことの制限
私は人前で歌うのは
家族の前だけと限定した。
兄や妹は、もっと大勢の前で
歌うべきだと思っている様だったけれど。
両親はソラの好きな様にしなさい、と
言ってくれた。
私はなるべく目立たずひっそりと
地味に暮らしたいのだ。
ただでさえ、恵まれた環境。
私にこれ以上の幸せは贅沢だ。
家族の誰かが落ち込んでいる時には
寄りそい、元気がでる歌を。
季節ごとのイベントをする時には
イベントの雰囲気に合う歌を。
家族の誕生日には、幸福や安全を願い、
心こめて歌にしてささげた。
私にとって歌は
体の一部の様になっていった。
6歳になった私は、
村の外れにある丘が、お気に入りの場所。
村全体が見渡せるこの場所は
空もとても良く見える。
赤い、赤い、夕日で染まる街並み。
ふと、メロディが自然と口から流れた。
外では歌わない様にしていたが、
人のいる気配がない場所なので気が緩んだ。
目で見てたり、風や夕日を肌で感じた、
この情景を歌にして紡ぐ。
バサッ バサッ
周りの木や丘にいた鳥が飛び立ち、
驚いた事に私の近くに降りてきた。
歌ったら鳥が寄ってくるなんて
ディ●ニーのお姫様みたいだ。
嬉しくなって、沢山歌ったため
帰りが遅くなり両親に怒られたのは
言うまでもない。
私は人のいない場所で
歌う事が好きになった。




