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4話:妹への子守唄
今まで沢山、曲を作ってきた。
そして、今日初めて
声に出して歌ってみた。
その日は母上も父上も兄も忙しく
私とティア以外の家族は、
全員出かけていた。
そのため、私がティアのお守りを引き受けたのだ。
ティアは中々寝付かず、私を困らせた。
窓から差し込む午後の暖かい日差しにつられて
私は窓から空を見上げる。
漠然と広がる水色の空と、漂う雲。
また新しいメロディが私の中で
固まり、弾け、また流れる。
子供を寝かしつけるのは、子守唄。
という、前世での安直な考えで
私は即興で作った歌詞を、
メロディに乗せて歌ってみた。
横たわって布団をかけている
ティアのお腹をポンポンと触れながら
リズムをとる。
きっとベースは子守唄なのだろう。
どこか温もりのある、あたたかい曲になった。
歌い終わり、いつの間にか閉じていた
自分の瞼を開く。
見ると、ティアがスースーと
心地よさそうに眠っていた。
天使みたい。
ティアのやわらかい髪を撫でて、
私の初のリサイタルは幕を閉じた。




