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43話:初めての校舎
校舎に入ると、埃っぽい学校の匂いがした。
懐かしい様な、くすぐったい様な気分になる。
生徒達の声や部活の声が、遠くから聞こえる。
廊下の窓から差し込む日差しが
温かい空気を作りだし、午後を主張している様だ。
廊下の窓から見上げた空は
窓枠が額縁の様に見え、一つの絵の様だ。
それは私が沙羅だった頃に見た空と似ていた。
双子を探すと言っても、校舎に初めて入った私は
何処に何があるのか分からず迷ってしまった。
生徒に聞くのも、怪しまれるかもしれないしな…。
そう思い、生徒にも聞けずにうろつく私の腕を
誰かが後ろから掴んだ。
驚いて後ろを見ると、
そこにはティアの友達の
家に遊びに来た女の子が立っていた。




