42話:門での騒ぎ
ものすごく、視線を感じる。
学校の門で双子を待ちながら本を読んでいたのだが、
何故か通り過ぎる生徒からの視線が痛い。
この学校は制服はなく、私服なので
生徒じゃない者が立っていても分からないだろうと
思っていたが、そうでもないらしい。
入口に植えられている木の陰は涼しく
校庭や何処かの教室からは、部活をしている生徒の声が聞こえる。
空は今日も青く、雲が優雅に流れている。
「あのぅ…」
空を観察していたら、前から女の子3人が声をかけてきた。
「はい?」
何だろうと思いつつ返事をする。
「良かったら、名前を教えてもらえませんか?」
驚いて、女の子を見つめる。
まさか、取り調べを受けるとは思っていなかった。
やはり、部外者が学校にいてはマズイのだろうか。
女の子は、沈黙を何か勘違いしたのか
顔を真っ赤にして、恥ずかしげに返事を待っている。
その姿がなんだか、可哀想なので正直に答えた。
「ソラ=ブライアン」
「えっ、あのアル先輩とティアさんと同じ…」
女の子たちは驚いた様に、私の兄妹の名前を言う。
どうやら、アルやティアを知っているらしい。
「あぁ、僕の兄と妹を知っているんだ。」
兄妹の関係者なら、部外者でも多めに見てくれるかと思い
つい安心して笑顔になってしまう。
しかし、何故か女の子たちは顔を赤くし固まってしまった。
この状況は異常に映るのか、門に
先程よりも人が多く集まってきている。
このままでは先生も来てしまいそうに感じたので、
私は素早く女の子たちに別れを告げ、手に持っていた本を鞄にしまい
自分で双子を見つけることにした。




