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29.今日はうちに泊まって!

 無事、冒険者ギルドへの登録は終了した。


 初日からCランクを上回る動きと、目立つ称号で冒険者ギルドの話題の中心になった俺。アリサと相談の上、依頼を受けるのは明日からと決め今日の所は冒険者ギルドを脱出した。何となく流れで明日もアリサと一緒に依頼を受けることになっている。


「ところでヒデキ。」


「なんだ?」


「伝説的チロウってなぁに?」


 アリサの先制口撃!本気で言ってるのか!?


「いや、ギルドでも言ったけど、俺には全く心当たりが無いんだよ。」


「生まれつきの天才ってこと?」


「称号についての話はよくわからないからもう止めよう。それよりもこれからどうする?俺はこれから宿屋を探さなきゃいけないんだが。」


 この世界に転送されてから(しばら)くは野宿だったし、この街に来たら即ヘルメスに捕獲されてたから、何気にこの世界に来てから初めてのまともな外泊なんだよね。


「泊るところがないの?」


「今朝この街に戻ってきたばかりだからな。街の様子も一カ月でかなり変わってるから、宿屋以外も色々と見て回らないと。」


「じゃぁ、今日はうちに泊まって!街も案内するよ!」


 いきなり大胆なお誘いキター!


「良いのか?」


「当然!お母さんも喜ぶよ!」


 まさかの親公認!?いや、アリサのお母さんは毒で顔色が悪く痩せてたけど、結構きれいな人だった印象がある。おそらく男の下心には敏感に反応するだろう。ここで下手に下心を見せてしまっては駄目だ、ダンディかつ紳士的に振舞(ふるま)うんだ。


「じゃぁ、今日はアリサの家に泊まらせてもらよ。」


「やった、一名様ごあんない~」


 ん?一名様?ご案内?


 そして到着したアリサの家にはINNの看板がついてました。


「アリサって元々この街に住んでたわけじゃなかったよな?なのにたった一カ月でなぜ宿屋?」


「ヒデキに助けてもらった後、お母さんはこの街の宿屋で働いてたんだ。けど、その宿屋が満室でお客様の宿泊を断ることが多くて、働いていた宿屋のオーナーから支援を受けて今日から独立したの。お客は働いてた宿屋から満室で断った人を紹介してもらえる予定なの。」


 あー、工事が進んで人増えたからな。元あった壁の補修は終わり、さらにその外側では既に穴掘り作業は終わったから堀は構築済み、最低限のモンスター対策も済んだと言えるし。


「お母さん、ただいまー。」


「あら、アリサお帰りなさい。」


 店には恰幅のいい女性が一人。繰り返す。恰幅のいい女性が一人。


 わずか一カ月の間に一体何があればこんな事になるのか。


「お母さん、この人が一カ月前に助けてくれた人だよ!名前はヒデキ!今日からここに泊まってくれるって!」


 今日から?いきなりずっと泊まることが確定してる?


「あら、あなたがあの時の。私は覚えていないんですが、本当に助かりました。旦那がモンスターに殺されてしまって、私までいなくなったらこの子達はどうなっていたか。ヒデキさんは私たちの恩人です。」


「いえ、私としては出来ることをしただけです。どうかお気になさらずに。」


「私たちにとってヒデキさんにはいくら感謝しても足りないくらいなんです。大したことはできませんが、自分の家だと思ってここを使ってください。素泊まりなら一泊銀貨5枚です。」


 旦那がモンスターに殺されたの一言が心に突き刺さる。そもそもその苦境の原因を作ったのは俺、まさにマッチポンプ。


「ありがとうございます。ところで、この子達ということはアリサさんにはご兄弟がいらっしゃるんですか?」


「私には弟と妹がいて、母さんが元いた宿屋で住み込みで修業してるんだ。この店の客が増えたらここで働く予定なんだよ。」


 あれ?アリサは宿屋で働かないのか?ここで聞いて地雷踏んだら嫌だから後で踏むか。


「さぁ、話はこれくらいにして、アリサはヒデキさんを部屋に案内してあげて。」


 そんなわけで部屋へとアリサに案内される。その途中でさっき気になったことを聞いてみる。


「アリサは宿屋で働かないのか?冒険者は危険な職業だからあまり良い仕事とは言えないと思うんだが。」


「私には接客業が向いてないってことは一カ月間で良くわかったからね。馬鹿だから他にとりえもないし、嫁に出るまでは街の周囲で薬草でも採ってるしかないって話になったんだよ。」


 やっぱり馬鹿なのか。薄々そんな気がしてたんだ。


「そうか、やっぱり馬鹿なのか。薄々そうじゃないかと思ってたんだ。」


「ボロボロとか臭いとか馬鹿とか、ヒデキは容赦が無いよね。」


 おっと、心の声がそのまま出てた。


「それだけアリサに気を許してるってことさ。」


 やばい。これ、ちょっとカッコいいセリフじゃないか?


「キモッ」


「…アリサこそ容赦ないんじゃないか?」


「それだけヒデキに気を許してるってことだよ。」


 おかしい、尊敬される救世主ポジションからほぼ同レベルなポジションへと一気に下落。この間僅か半日。良いのか悪いのかよくわからんが、とりあえず仲良くなれたっぽいので良しとしよう。


 この後、街を二人でブラブラしながら必要になりそうなものを購入して一日は終了。



 当然ながら、深夜にアリサが部屋へ訪ねてくるような展開はなかった。



ストックなくなってきました。

ブクマと評価があればやる気出ます。

多分。

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