22.早くも伝説の金属を手に入れる
ついに俺はヘルメス様の軟禁から開放され、自由の身となったのだ!夕方には戻るけどね。
まずは、アクティブにしっぱなしだった探知スキルの上達具合を確認。この世界に移転してから約10日程使いっばなしだったにもかかわらず、熟練度は僅かに2までしか成長していない。
熟練度の上昇とともに上昇率が落ちていく事を考えると、100まで上げるのに軽く3000日は掛かりそうだ。チュートリアルダンジョンが如何に恵まれていたのかがよくわかる。
次は両替商で金貨を崩すんだったな。俺は道行く人に両替商の場所を聞き、それっぽい店舗に辿り着く。
「すみません、ここは両替商であってますか?」
若いメガネをかけたお姉さんが一人で店番してる。大金を扱う場所だろうに大丈夫なのか?
「そうですよ。借入れ?それとも両替ですか?」
「金貨を5枚、銀貨に両替をお願いします。」
「金貨一枚に付き手数料で銀貨一枚頂きますが、よろしいですか?」
「大丈夫です。」
そう言って金貨を5枚手渡す。
「では、銀貨495枚です。」
「思ったより多いですね…」
積まれた銀貨の山を目の前にしてやや困る。こんな時、インベントリが使えないったらありゃしない。さっき金貨を100枚放り込んだら、金貨1枚が100個登録されやがった。全く同じものでなければスタックされないのが困る。
「お困りでしたら、こちらのマジックポーチ(小)はいかがですか?貨幣なら1000枚ほど入って便利ですよ。お値段はたったの金貨10枚です。」
「それください。」
「いやー、お客さんは運がいい。収納量が大きくて値段の高いマジックポーチと違って、この手の収納量が少ないマジックポーチは、需要が少ないので中々出回らないんですよ。」
いきなり所持金の一割を使ってしまった。まぁ、インベントリには999アイテムまでしか入らないので、必要経費としておこう。
両替商を出てブラブラ歩き、ふと鍛冶屋っぽい店舗を見ると、武器やら防具やらに混じって、青、銀、ピンク、金色の粉が入った小さな瓶が並べられている。
「おじさん、この透明な入れ物に入ってる粉は何?」
店の中で剣をシコシコ砥いでいるマッチョでダンディなオジサンに聞いてみた。
「それか、みたことないだろ。青いのがオリハルコン、銀色がミスリル、ピンクがヒヒイロカネ、金色がアダマンタイトだ。」
「へー、これって売り物なの?」
「買うのか?0.01gしか入ってないが、馬鹿みたいに高いぜ?本来は見本として置いてるだけなんだが、売るとしたら一瓶金貨20枚だ。」
「本当に恐ろしく高いな。」
「まぁな。だが、金剛貨がアダマンタイト10gで出来てるって考えれば、妥当な値段だとわかるだろ?」
えーと、金剛貨1枚が白金貨100枚だから0.1gで白金貨一枚。
白金貨1枚で金貨100枚だから、利益を考えると確かに計算上は妥当な値段だ。
「よし、4つとも買うぜ。」
「本気か?まぁ、たまに物珍しさから買ってく馬鹿がいるから置いてるんだけどよ。」
「見本じゃないのか?」
「見本なんて置いてても、誰もこんな金属使った注文なんてしねーよ。作る設備も無いしな!」
さて、マジックポーチと合わせて、一気に所持金の9割を使ってしまったが、興味本位で無駄遣いをしたわけじゃあない。
瓶を受け取ったらハイドとステルスを発動、人の気配が少ない所へ移動する。早速、粉を鑑定し手に取り感触を確かめ、原材料作成のスキルで作れるようにならないか試してみる。
結果、原材料作成スキルに4つとも登録できた。
オリハルコンの粉1g:MP3,000,000
ミスリルの粉1g:MP3,000,000
ヒヒイロカネの粉1g:MP3,000,000
アダマンタイトの粉1g:MP3,000,000
まぁ、お値段を考えると仕方がないのか?現状だと最大MPが足りないし、武器を作ろうとするとキロ単位で必要なので、使いみちができるのは当分先だな。
さて、次は伝心がどこまで届くか実験だな。




