21.お嬢様と心でつながる
ハイハイ、まずは主の腕輪を鑑定っと。
主の腕輪 Lv3
保有MP:12万/4000万
→従の腕輪と対になる腕輪
保有MPが最大値になるとMPを全て消費しLvが上がり、能力が進化する。
従の腕輪の装備者から直接的な危害を加えられなくなる。
従の腕輪の装備者からMP回復量の一割を奪い保有する。
従の腕輪の装備者を召喚できる(消費MP100万)。
保有MPを装備者が使用可能(Lv2)。
従の腕輪の装備者との伝心が可能になる(Lv3)。
伝心?テレパシーみたいな感じか?いよいよ逃げられなくなってきたなぁ。
従の腕輪の方はまたスキルの共有だからMP回復を共有っと。
『ヘルメス様、主の腕輪の新しい能力は伝心です。』
「わっ!イチロウさまの声が頭の中に響く!」
よし、こっちからも伝心を送れるな。主からかの一方的な命令だけ送られてくる設計じゃなくてよかった。
『従の腕輪の方はMP回復Lv12を共有しました。』
『イチロウ様、ありがとうございます。』
お、ヘルメス様も伝心をすぐに使えたか。使えることがわかれば、なぜか直感的に使い方がわかるからかなり便利だ。
俺の存在を隠している都合上、出入りは窓からステルスを使って行う。その為ヘルメス様に部屋にいてもらわないといけないので、戻ってくる時間を厳密に決めようと思っていたが、伝心のおかげで多少は時間の融通が効くようになった。
まぁ、伝心が短距離でしか通じない可能性もあるので、今日の散歩はどの程度の距離まで通じるかの実験もしなきゃな。
「イチロウ様。この伝心があれば、イチロウ様と人前に出ても大丈夫じゃないですか?知られたくないことは伝心で伝え合うことができます。そろそろイチロウ様と私のことを公開したいので、そのことについて話し合う時間を頂けませんか?」
グイグイくるな。けど、こんな所で拘束される訳には行かない。俺の冒険はこれからだ!
「ヘルメス様。私には地位も名誉もありません。今の状況で私の能力を公開したら、良くて国に軟禁、悪ければ危険人物として暗殺されるでしょう。また、他国に目をつけられて拉致されるかもしれません。能力を公開するためには、私とヘルメス様に対し、他者が文句を言えない実績と実力が必要だと思います。」
「そうですね。二人で逃げることになるかもしれませんね。すみません、急ぎすぎました。」
一人で逃げたほうが楽そうですけどね。
「ところでヘルメス様。私はこの街に来てすぐにヘルメス様に捕まったので、この街について全く知りません。今の街で最初に行くべきところってどこかありますか?」
「そうですね。既に仮設店舗で営業を再開している所が多いので、店舗を見て回るのが良いと思いますが、イチロウ様は金貨以外の貨幣はお持ちですか?」
「持ってないですね。」
「では、そこら辺の店で金貨で買い物すると迷惑なので、最初は両替商に行くべきだと思います。」
そんな訳で説明を受けた通貨単位はこんな感じだ。
金剛貨1枚=白金貨100枚
白金貨1枚=金貨100枚
金貨1枚=銀貨100枚
銀貨1枚=銅貨10枚
銅貨1枚=鉄貨10枚
鉄貨1枚=軽銀貨10枚
軽銀って何?と聞いたら実物を見せてくれた。とても金属とは思えない安っぽさ、完全に一円玉です。色が銀に似ているから軽い銀ってことだそうな。一般的な庶民の月収が金貨一枚程度らしいから、価値も一円玉と同レベル。
そして妙に価値が低い銀貨は半分以上銅で出来ているらしい。一番使われる通貨だから、耐久性や使い勝手を良くするためにこうなったとか。
ちなみにエリクサーは1個白金貨100枚で売れたらしい。
100個売って金貨1,000,000枚だから、1000人の労働者を1000日使える計算に。あれ?普通に壁工事したら人件費だけで足りなくなるんじゃね?最初の計画だと高さ10m幅8m延長28kmの長大な壁で、堀も深さ5m幅10mと馬鹿みたいに深くて広かったぞ。それでも足りたのか?
もしかしたら一般の労働者が馬鹿みたいに高性能なのかもしれない。俺も3kg位ある鉄っぽい剣を片手で簡単に振り回せるしな。とりあえず、補修工事中の壁の様子も見てこよう。
さぁ、街を探検だ!




