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その先にあるもの② 夢に向かって

 次に日からは僕は心の迷いを振り切って、目標に向かって頑張ることにした。自分の目標も達成できないようでは、先生に想いを告げる資格はないと思ったからだ。授業や部活もこれまで以上に頑張り、風宮先生にお願いした難易度の高い課題もこなしていった。そんなある日、先生に言われた。

「桧室君、武隈さんと別れたんだって?」

「はい。別れました。」

「そうなの。あんなに仲良かったのに何かあったの?」

「僕に他に好きな人ができたからです。」

「ふーん。それは誰なの?」

先生が笑いながら言った。僕は、「先生が好きです。」と言いたかったがじっと我慢した。

「それは・・・。秘密です。」

とだけ僕は言った。

「そうなのね。頑張りなさい。応援してるわ。」

先生は相変わらず笑いながら言った。


 2学期の中間テスト、期末テストの結果も上々の出来で、どちらも学年1位を取ることができた。任意で受けた模擬試験では目標の公立大学はB判定だった。A判定が出るまで、もっと頑張らないといけないなと思った。そして、新年を迎え3学期になった。3学期の学年末テストも上々の出来だった。こうして、あっという間に高校1年が終わった。


 そして年度が変わり高校2年生になり、クラス替えが行われた。高校2年からは文系と理系に分かれることになっていて、僕は理系を選択した。高2のクラスでは、乾君や武隈さんとは別のクラスになったが、また新しい友達もできたりした。担任の先生が風宮先生だったことが嬉しかった。高2になっても基本的な生活は変わらなかった。授業を受け、クラブ活動を頑張った。進学に向けての勉強もコツコツと頑張っていた。先生への想いも変わらなかった。いや、むしろ大きくなっていた。でも、じっと胸に秘め、表には出さずに我慢していた。そんな中、空手道部で嬉しいことがあった。1年間の頑張りが認められ、2級への昇級試験を受けることになったのだ。昇級試験は小学校6年生の時以来なので、おおよそ4年半ぶりだった。緊張したが、無事に合格して昇級することができた。このまま順調にいけば高2の終わりには初段になって黒帯がもらえるかなと思い、もっと頑張らないといけないなと思った。この頃には僕も試合に出さしてもらえるようになっていた。なかなか思うようには勝てなかったが、試合に出られることが嬉しかった。昇級試験や試合の時は、風宮先生が同行だったので、それも僕にとっては嬉しかった。成績の方も、中弛みすることなく、学年1位をキープできていた。こうして、順調に高2の日々が過ぎて行った。高2の終わりには予定通り空手道部で初段に合格し、黒帯を巻くことができた。黒帯は一つの憧れだったので、とても嬉しかった。先生も自分のことのように喜んでくれたのが、また僕には嬉しかった。頑張って来た甲斐があったなと思った。


 月日は巡り高校3年生になった。またクラス替えがあり、クラスのメンバーが変わった。担任の先生も変わるだろうなと思っていたが、嬉しいことにまた、風宮先生だった。これで、3年連続担任を持ってもらえることになり、僕はとても嬉しかった。何だか、あっという間に高3になったなと思ったが、そんな感傷に浸っている暇はなかった。受験生になったが、夏まではクラブ活動もあるので、授業とクラブ、それに受験勉強と、とても忙しい毎日を送っていた。夏休みになり、空手道部で高校生活最後の試合があった。僕は2回勝ち、3回戦まで進むことができた。僕にとってこれが高校3年間の最高の戦績だった。試合が終わり、半ば放心状態で座っていると、先生が近寄ってきて「よく頑張ったね。」と言ってくれた。僕にとっては、最高のご褒美だった。ボランティア部の方も、無事に活動を終えた。夏休みが終わり、高校でのクラブ活動が終わった。僕にとってはかけがえのないとても充実した時間だった。2学期になり、これからは本格的な受験体制に入った。僕の第1志望の大学は模試ではA判定とB判定を行ったり来たりしていた。風宮先生は、「このままいけばおそらく大丈夫だろう。」とは言ってくれていたが、受験では何があるのか分からないので、確実にA判定が出るようにもっと頑張ろうと思った。両親は、「あんたの好きなところに行ったらいいよ。」と言ってくれているのでありがたかった。そして、あっという間に受験シーズンに突入した。推薦入試で進路が決まった生徒や就職が決定した生徒も結構いたが、僕は年明けのセンター試験からが本番だったので、今は一心不乱にただひたすら勉強していた。風宮先生のところには、毎日のように通うようになっていた。ただ、この頃になると先生への想いよりも、勉強を教えてもらいたいという思いの方が勝っていたように思う。先生も僕の真剣な姿に、真摯に向かい合ってくれて、分かるまでじっくりと教えてくれた。


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