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過去との対面⑧ ボランティア部の説明会

 保健室を出た僕らは何となくお互いに話すこともなく校舎を後にした。彩音さんとの過去をみんなに話した僕はスッキリとした気分だったが、みんなにしたら衝撃的で言葉が出ないというのがこの状況の表れだろう。

「それじゃあな。また明日。」

誰がともなく言って僕たちは帰路に着いた。明日からは通常授業なので、気合を入れて頑張らなくてはいけない。それにボランティア部の説明も楽しみだ。今日は何だか疲れたので早めに眠ることにした。


 翌日になった。久々の授業は初回ということもあり、説明が多かったが新鮮だった。ようやく高校生になったんだなと感じた。そして、放課後。

「桧室君。行こっか。」

すっかりと支度を整えた武隈さんが声をかけてきた。

「うん。行こうか。」

僕はカバンを持ち席から立ち上がりながら答えた。そして2人並んで、ボランティア部の説明を聞きに行こうとしたら、風宮先生に呼び止められた。

「桧室君。今からボランティア部の説明を聞きに行くのね。」

先生は確認するような口調で聞いてきた。

「はい。そうです。」

「それが終わったら、ちょっと職員室に寄ってくれるかしら。」

僕は何か呼び出されるようなことをしたかなと思いながら、

「はい。分かりました。僕、何か怒られるようなことしましたか?」

少し不安になって先生に尋ねてみた。

「違う。違う。そんなんじゃないから安心して。」

先生は笑いながら言い、職員室の方へと去っていった。

「何だろうね?」

武隈さんがいぶかし気に僕を見て言った。

「うん。何だろう?まあ、怒られるんじゃないから何でもいいよ。」

僕も内心では(何だろう?)と思っていたが、今は気にしても仕方がないので、ボランティア部の説明のある教室へと急ぐことにした。

「それより早く行こうか。」

「そうね。」


 教室に着くと、もうすでに結構席が埋まっていた。僕たちは空いている席を探して2人で並んで座った。それから、しばらくして、ボランティア部の先輩と顧問の先生がやってきた。

「ようこそ。暁南高校ボランティア部へ。」

 顧問の先生が僕らを見回して言った。そして、部の説明が始まった。活動内容は、以前にもらったプリントに書いてあった通りで、毎週1回のミーティング及び清掃活動、そして福祉施設への訪問・交流活動だった。その週に1回の活動日が木曜日だったので、空手道部の練習日と重ならなかったので良かった。でも、これで月、水、木、金とクラブ活動になってしまうのでバイトはできないなと改めて思った。また、中学の時とは違って自由時間はなくなるけど、それに代わる充実感のようなものを感じていた。先輩たちの説明を聞いていると、ボランティア部のみで活動している部員はほとんどおらず、他の部と兼部だったり、アルバイトをしながらだったりする部員が大半を占めているらしい。これなら気軽に参加できそうで良かったなと思った。武隈さんに聞いてみると、硬式テニス部は月から金まで毎日が練習日だから、木曜日はボランティア部に参加すると言っていた。硬式テニス部も、そこら辺の融通は利くらしい。説明会が終わり、僕たち2人はその場で入部届を提出した。


「これで同じクラブね。よろしく。」

武隈さんが笑いながら言った。

「こちらこそよろしく。」

僕も笑顔で答えた。

「それじゃ、僕、風宮先生に呼ばれてるから先に行くね。じゃあ、また明日。」

そう言い残して僕は足早に職員室に向かった。


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