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過去との対面④ 空手道部に入部

 こうして高校生活の3日目が終わろうとしていた。教室を出たところで斎藤さんと上林君がいた。

「あれ?乾君は?」

斎藤さんが僕に聞いてきた。

「副学級委員になったから先生に呼ばれて職員室に行ってるよ。」

と僕は答えた。

「何だ。そうなの。じゃあ職員室の前で待っとこうっと。」

斎藤さんはそう言って職員室の方へ向かって言った。続いて上林君が声をかけてきた。

「よう、桧室。クラブはどうする?一緒に空手道部に入るか?」

僕は半分その気になっていたけど、もう少し話を聞いてからにしたいなと思ったので、

「うん。今迷っているところ。空手道部の顧問が担任の先生だから話を聞いてみたいなと思って。」

僕はそう言った。

「じゃあ今から職員室にいって先生のところへ話を聞きに行こうか?」

上林君がそう言って僕を促した。

「うん。そうしよう。」

僕もそう言って上林君と並んで職員室へと向かった。


「失礼します。」

少し緊張しながら僕と上林君は職員室に入っていった。職員室の中には多くの先生と生徒たちがいた。風宮先生の場所が分からなかったので、入り口近くの机に座って仕事をしていた先生に聞いてみた。

「あの、すみません。風宮先生はどちらですか?」

すると、その先生は顔を上げて僕たちを見渡し言った。

「何だ。新入生か。風宮先生なら右奥の方だよ。」

といって、右奥の方を指さしてくれた。その方向を見ると風宮先生と武隈さん、乾君が見えた。

「ありがとうございます。」

僕たちはお礼を言って風宮先生の元へと向かった。ちょうど、先生と武隈さん乾君の3人で話をしているところだったので、僕と上林君は少し離れて話が終わるのを待つことにした。

2人で所在なく佇んでいると、風宮先生が声をかけてきた。

「あら?何か私に用かしら?」

「はい。空手道部についてお話を聞きたいなと思ってきました。でも、そちらのお話が終わるまで待っています。」

と僕は答えた。

「もう、こっちの話は終わっているわよ。ちょっと3人で雑談してただけだから。こっちにいらっしゃい。そちらの君は?」

先生は上林君を見て言った。

「1年2組の上林といいます。僕も空手道部の話を聞きたいと思って来ました。」

神妙に上林君が答えた。そして僕たち2人は風宮先生の元へ近寄って行った。

「確か、桧室君はボランティア部に入りたいって自己紹介で言ってなかったっけ?」

先生は僕を見ながら言った。

「はい。でもクラブ案内のプリントを見たら兼部ができるみたいでしたし、ボランティア部にも入ろうと思っています。」

僕はそう答えた。すると、横から武隈さんが声をかけてきた。

「なんだそうだったの。最初聞いたときはもうボランティア部には入らないのかと思ったわ。ボランティア部はまた一緒に聞きに行こうね。」

と少し笑いながら言った。

「もちろん兼部はできるけど、結構たいへんよ。大丈夫?」

先生が心配そうに僕に聞いてきた。

「はい。頑張ってみようと思います。」

僕はそう答えた。

「えっと、上林君だったっけ。君も兼部するの?」

先生が今度は上林君に聞いた。

「いえ、僕は空手道部だけです。」

上林君が答えた。

「分かったわ。それじゃあ説明するね。あっ、武隈さんと乾君はもういいわよ。ありがとう。」

先生が2人に言った。

「いえ、桧室の入るクラブに何か興味があるので僕らも聞いていていいですか?」

と乾君が少し笑いながら言った。武隈さんもうなずいている。

「まあいいわ。それじゃあみんな説明するわね。プリントにも書いてあったと思うけど、顧問は私がやっているの。練習は月・水・金の週3回武道場でやってるわ。部員数は多くはないわ。各学年4、5人ってところね。何か質問ある?」

先生が僕と上林君を見て言った。

「あのー、僕は小学校の時に空手の経験があるんですけど中学校に入ってからはまったくやっていませんけど、大丈夫でしょうか?」

僕は少し遠慮がちに質問してみた。

「大丈夫よ。高校に入ってから初めて空手を始めた生徒もいるしね。先輩たちもみんな優しいから心配しなくても大丈夫よ。ちなみに桧室君は段か級は持っているの?」

「はい、一応3級を持っています。」

小学校の時のことだったので少し恥ずかしかったが僕は答えた。

「3級?十分経験者じゃない。上林君はどうなの?」

「僕は初段を持っています。今度2段を受けようと思っています。」

上林君は少し得意げに答えた。

「バリバリの経験者ね。期待しているわ。それで、2人とも入部しようと思うの?」

先生は少し真剣な顔をして僕たち2人を見た。

「はい、入部するつもりです。」

上林君が即答した。

「僕も入部します。」

本当は少し迷っていたが、上林君もいるし、そう返事をした。

「それじゃあ、入部届の用紙を渡すから必要事項を記入してね。」

そう言って先生は机の引き出しから入部届の用紙を出して僕たちに渡してくれた。それは、学年とクラスと氏名を書くだけの簡単なものだった。僕たちはその場で記入して先生に手渡した。

「今日が水曜日だから明後日からね。放課後、道着を持って武道場に来て頂戴ね。そのときみんなに紹介するわ。ところで、乾君や武隈さんは何のクラブに入るの?」

先生は僕たちの書いた入部届を手にしながら聞いた。

「僕は硬式テニス部に入るつもりです。」

と乾君が答えた。

「私も、硬式テニス部に入るつもりで、桧室君と同じでボランティア部と兼部を考えています。」

とこちらは武隈さんが答えた。

「あら、そうなの。みんながんばってね。クラブもいいけど勉強もしっかりやらないとダメよ。まだ気が早いけど高校生は将来のことも考えていく時期だからね。」

先生が少し釘を刺すような感じで言った。


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