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過去との対面③ 高校生活3日目

“リリリリリィ“と目覚まし時計が鳴った。

 今日は高校生活の3日目だ。今日は、学級委員を決めたり、クラブ活動の話や、アルバイトの話があったりするので重要な日だ。クラブ活動はしたいなと思っているので、しっかり先生の話を聞いておかなければならないなと思う。それに、学校内の案内もあるので楽しみだ。

 目覚まし時計の音で、すんなりと目を覚ました。そして、朝食を摂り、洗顔、歯磨き、着替え等をして出発の準備を整えた。今日もすっきりとした晴天に恵まれ、自転車通学の僕にとってはありがたい限りだった。自転車を漕ぐこと約20分で学校に着いた。自転車置き場に自転車を止め、教室へと向かった。まだ時間が早かったからほとんど誰も来ていなかった。自分の席に座り、しばらくすると続々とクラスメイト達がやってきた。3日目にもなり、少しずつ仲良くなる感じで、あちこちから話し声が聞こえてきた。

 僕は、あまり、自分から話しかけるのが苦手で、今のところ昔からの知り合いの乾君と武隈さん、それに、入学式の時に話しかけてきてくれた東原君しか友達はいなかった。頑張って、少しずつでも話しかけていかないといけないなと思った。そんなことを考えていると、東原君が登校してきた。


「おはよう。」

席に着きながら東原君が声をかけてきた。

「何か今日は話ばっかりやな。勉強じゃないからいいけど。」

そう東原君は笑いながら言った。

「そうだね。でも、クラブの話とかバイトの話とか興味があるからしっかり聞いとかないといけないなって思ってるねん。」

僕はそう答えた。

「そういえば桧室君、ボランティア部に入りたいって言ってたね。何でなん?」

「うん。将来的に福祉関係とかそういう方面に進みたいと思ってるから、何か関係がありそうかなって思って。」

「へえ、もうそんなところまで考えてるんだ。すごいね。俺なんて将来のことはまだ何にも考えてないな。俺も考えたほうがいいのかもね。」

「ところで、東原君は何のクラブに入ろうと思ってるの?」

今度は僕が聞いてみた。

「うーん。クラブもいいけどバイトもしたいしなー。その兼ね合いで決めようと思ってるけど、中学の時はサッカーやってたから、入るんやったらサッカー部かな。」

「桧室君は中学の時は部活やってなかったって言ってたな。やっぱり、私立中学は勉強が厳しいの?」

東原君が興味津々に私学のことを聞いてきた。

「そうでもないけど、勉強はうるさかったね。それに、みんな通学が遠かったりするのもあったからかな。」

僕はだいたい用意していた内容で返事をした。

「そうなんや。私立中学ってイメージ沸かないわあ。」

東原君はしみじみといった感じでそう言った。そんなことを話しているうちにチャイムが鳴った。

「あっ、チャイムが鳴ったな。また話そうな。」

そう言って東原君は前を向いた。それと同時に、ザワザワとしていた教室が静かになった。


 しばらくして、担任の風宮先生が教室にやって来た。

「みなさん。おはようございます。今日は昨日言ったとおり、学級委員を決めたり、学校生活の話をします。そうねえ、まずは学級委員や各係をきめていこうかしら。」

先生はそう言って黒板に、学級委員や各係の名前を書きだしていった。学級委員は1名、あと副学級委員もあり、こちらも1名だった。係には体育、図書、風紀、保健、教材などの係があり、こちらは係によって人数がばらばらだった。黒板に書き終えると、風宮先生はこちらを向いて言った。

「じゃあ、まず学級委員と副学級委員をきめようかしら。立候補する人いる?」

教室内は静まり返っていた。そりゃそうだろう。いきなり立候補と言われてもなかなかできるもんじゃないと思う。

「うーん。誰もいないか。みんなせっかく高校生になったんだから、何でも積極的にやらないと。本当に誰もいないの?」

風宮先生は教室内を見渡して言った。

「あっ、私やってみます。」

そう言って僕の隣の席で手を挙げた生徒がいた。武隈さんだった。小学校の時のイメージしかないけど、学級委員とかやるようなタイプの子ではないような気がしたので意外だった。

「えーと、あなたは武隈さんね。立候補ありがとう。他にやってみようという人はいない?」

風宮先生が言ったが、他に挙手する生徒はいなかった。

「そしたら、学級委員は武隈さんで決まりね。1学期の間、よろしくお願いね。」

そう言って風宮先生は黒板の学級委員のところに武隈さんの名前を書き込んだ。

「次は副学級委員ね。誰か立候補いないかしら?」

「じゃあ、俺やります。」

そう言って手を挙げたのは乾君だった。

「あら、乾君やってくれるの?他にやりたい人はいないかしら?」

風宮先生は再度クラスの生徒を促した。しかし、他に手を挙げる生徒はいなかった。

「それじゃあ、副学級委員は乾君で決まりね。よろしくお願いね。あら、そういえば、武隈さんと乾君って同じ中学出身なのね。それじゃあ、このコンビで1学期の間よろしくお願いね。そしたら、続いて各係を決めていこうかしら。」

 それから各係を決める段になった。こちらは学級委員とは違って立候補する生徒もいてスムーズに決まっていった。僕は図書委員に立候補して、図書委員に決まった。そうこうしているうちにチャイムが鳴り、休憩時間になった。

「はい、そしたらこの時間はおしまいね。次の時間は学校生活やクラブ活動の話をします。チャイムが鳴ったら席についていてね。」

そして束の間の休憩時間が終わり、次の時間が始まった。


 この時間は、学校生活やクラブ活動の紹介だ。高校生活をする上で重要な内容なので集中して聞かないといけないと思った。

「はい。じゃあ、まずクラブ紹介から始めるわね。このプリント配るから後ろに回してちょうだい。」

 そう言って風宮先生はプリントを配り始めた。プリントが回ってきた。そこには、運動部系と文化部系のクラブが分かれて書かれていて、それぞれのクラブの簡単な紹介と顧問の先生の名前等が記載されていた。運動部では、硬式野球部、サッカー部、乾君たちが入りたがっている硬式テニス部などがあった。上林君から誘われている空手道部もあった。

 次に、文化部の方を見てみた。美術部、書道部などがあり、ボランティア部もあった。ボランティア部のところを詳しく見てみると「兼部可能」と記載されてあった。これだったら、空手道部との兼部ができるかのしれないなと思った。ボランティア部の主な活動内容は、毎週1回のミーティングと清掃活動や、福祉施設への訪問・交流活動だった。そして、空手道部はというと、こちらは週3回の活動となっていた。あとは大会への参加だ。こうしてプリントを見ていると風宮先生が言った。

「本校のクラブは以上です。あとは各自、見学に行くなり、顧問の先生に話を聞くなりして入部するか決めてね。あと、クラブ活動は強制ではないのでやらない人はやらなくても結構よ。じゃあ、次にアルバイトの説明をするわね。」

 そう言うと風宮先生は別のプリントを配りだした。回ってきたプリントを見てみると、アルバイトは禁止ではなく届け出制だった。

「アルバイトはしてもらっても大丈夫よ。ただ、そのプリントに書いてあるとおり届け出制だから、アルバイトをしようと思っている生徒は私のところまで用紙を取りに来てね。」

 

 僕はアルバイトも考えていたが、クラブを兼部してアルバイトまでは無理だなと思った。高校生活も大事だが、重要なのはその後の進路だ。将来的には福祉の仕事に就きたいと考えているから、福祉系の大学か専門学校に行こうかと思っている。早い段階で進路を絞ってそれに向けて勉強もしていかなくてはいけないなと思った。

 そんなことを考えているとアルバイトの話は終わり、次は校則などの話になった。聞いていると私立とは全然違うなと思った。学校のレベルもあるかもしれないが、「勉強。勉強。大学。大学。」とは言われなくなった。逆に、それが怖いなとも思った。何も言われない分、自分自身がしっかりしていないと、とんでもないことになるような気がした。ここでだらけてしまっては公立高校に来た意味がないし、彩音さんも悲しむことだろうと思った。そんなことを考えているうちに先生の説明も終わり、チャイムが鳴った。

「はい、今日はこれで終了です。何か分からないことがあったら遠慮なく私のところまで聞きに来てね。明日からは通常授業が始まるから、みんながんばっていきましょう。あと、学級委員の武隈さんと乾君は後で職員室の私のところまで来て。」


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