2 テニス部ギャル②
『――どもー、今日もお邪魔していい?』
午後6時過ぎ。
学校から徒歩0分の柊家。
インターホンが鳴ったのでモニターを確認した政親は、クラスメイトのテニス部ギャルこと早坂陽葵を捉えた。
「また女子シャワー室混んでたのか?」
「うんっ、またシャワー貸してちょ~」
「しょうがねえな」
政親は陽葵を迎え入れた。
ありがとね~、と言いながら陽葵は荷物と共に脱衣所へ向かった。
政親はリビングに戻った。
陽葵にシャワーを貸すのは、政親にしてみればお安い御用であった。
何せ対価として《ご褒美》がもらえる――。
都合よく利用されているので、こちらも都合よく利用する。
そういう関係である。
とはいえ、まだ踏み込んだことは出来ていない。
下着姿を見せてもらっているだけだ。
そろそろ踏み込んでみようか、と思う今日この頃である。
「――ふぅ~、生き返った~!」
およそ20分後、シャワーを浴び終えた陽葵がリビングにやってきた。
自前のオーバーサイズな白Tシャツを着用し、下は何も穿いていないように見えるが恐らくパンイチだろう。このあとの下着鑑賞タイムを陽葵も分かっているから、そんなスタンスでリビングに来るのがいつしか当たり前になった。
さらさらと揺れる金髪から、爽やかなシャンプーの香りが漂ってくる。
「ほな今日も下着鑑賞でいい?w」
「なあ……少し要求してもいいか?」
政親はそう言った。
「ほうほう、何を要求するのですかなw」
「おっぱいを……」
「ほうw」
「……触らせてください」
政親は言ってしまった。
「ちなそれはまじで言ってんの柊?」
陽葵の表情からニヤけが消えた。
いつもなら「スケベ〜w」と一蹴するか、イタズラっぽくからかってくるはずの彼女が、ジッとこちらを見つめている。
静まり返るリビング。
やらかしたか、と政親は若干後悔し、冗談であると発言の撤回を口にしかけたが、
「……あは。柊ってば、ついに本気出してきちゃった?w」
陽葵がクスッと笑った。
こちらの動向を楽しんでいたかのように。
それでいて、その声は心なしか少し上ずっており、彼女の頬がみるみるうちに淡い赤色に染まっていった。
「ま、触りたいなら触ってもいーよ?w そんな度胸あるなら、だけどねw」
挑発するかのように煽ってくる陽葵。
政親はごくりと生唾を飲み込み、陽葵に迫っていく。
「……ホントにいいのか?」
「度胸があるなら、ね?w」
「じ、じかに触ってもいいのか?」
「え、じ、じかはまだダメ……」
「……なんだよ」
「ざ、残念がるなこのエロ助! 下着の上からなら許したる……」
陽葵が恥ずかしそうにシャツをたくし上げ、色気ないスポブラをあらわにさせた。
下は案の定パンイチだったので、実質下着オンリーの陽葵が目の前に現れたことになる。
陽葵の胸は発育がよく、スポブラに押し上げられた肉が深い谷間を作っていて柔らかそう。
「じゃ、じゃあ触るからな……」
そんな谷間に邪念が育てられ、我慢という選択肢は消え去る。元々なかったとも言えるが。
政親は手をゆっくりと持ち上げ、陽葵の胸元に寄せていく。
そして直後、スポブラの上からそのハリのある双丘を――むにゅり。
「ひぁっ……」
陽葵が可愛い声を上げた。
「すっげ……」
布越しとはいえ、初めて触ったおっぱいに政親は感激した。
これが校内人気の高い陽葵の感触。
「こういうこと……他の男にされたことは?」
「あ、あるわけないじゃん……ばか」
ごくり、と喉が鳴る。
こんなに可愛い陽葵のおっぱいを初めて触った男が自分。
徒歩0分がもたらした栄光。
政親は言い知れぬ達成感を覚えた。
「も、もうおしまい……」
「もうちょっとだけ頼むよ……」
「じゃあもう30秒だけ……」
「……おう」
ここからの政親は人生で一番、30秒という時間を堪能した。
学校からの徒歩0分の柊家。
このアドバンテージは、絶対に手放せない――。




