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第十五話 再会

「たくまっ!!」


 かんなが氷の地面を蹴って走る。


 その後をかずなりとみおも追いかけた。


「生きてたのか……!」


「よかった……!」


 だが。


 たくまを抱きしめていた獣人の少女――アレナが鋭く睨みつけてくる。


「なんなのじゃお前らっ!」


 耳を立て、威嚇するように牙を見せる。


「なんでたくまを知ってるのじゃ!!」


「俺たちはたくまの親友だ!」


 かずなりがすぐに答える。


「治療したい! そこをどいてくれ!」


 アレナは警戒を解かない。


 その瞳は赤く腫れていた。


 ずっと泣いていたのだろう。


「……信用できぬ」


「お願い!」


 かんなが叫ぶ。


「たくっちを助けさせて!!」


 その声は震えていた。


 アレナは一瞬だけ迷う。


 そして。


「……絶対助けるのじゃぞ」


 ゆっくりとたくまを渡した。


「任せて!」


 かんながすぐに魔力を展開する。


 柔らかい金色の光。


 神聖属性。


 傷ついたたくまの体を優しく包み込む。


「っ……ひどい」


 かんなの顔が歪む。


「これ……全部一人で戦ったの……?」


 腕は凍傷だらけ。


 全身傷だらけ。


 魔力枯渇も酷い。


 普通なら死んでいる。


「ははっ……」


 かずなりが苦笑する。


「さすがたくまだな」


「笑ってる場合じゃないよ!」


 みおが怒鳴った。


「ほんとに死ぬところだったんだよ!?」


「悪い悪い」


 だけど。


 かずなりの目も少し赤かった。


 安心したのだ。


 本当に。


 生きていてよかったと。


 その時。


「……ん」


 たくまの指が動いた。


「たくっち!?」


 かんなが顔を近づける。


「おい! たくま!」


 ゆっくりと。


 たくまが目を開く。


 ぼやけた視界。


 聞き慣れた声。


「……なんだこの会話」


 かすれた声。


「まさか……」


 ありえない。


 だってここはダンジョン内だ。


「あいつらが……こんなとこにいるわけ……」


「たくまっ!!」


 その瞬間。


 アレナが勢いよく抱きついてきた。


「ぐぇっ!?」


「よかったのじゃぁぁ!!」


 尻尾をぶんぶん振りながら泣いている。


「たくまが死んだと思ったのじゃ!!」


「い、痛い痛い!」


「もうこんなことしちゃダメなのじゃー!!」


 ぎゅうぅぅ。


「たくまは我と結婚するのじゃー!!」


 その瞬間。


「……ん?」


 かんなの声。


「……ん?」


 みおの声。


 空気が凍る。


 いや。


 さっきまでより冷えてる。


 アレナが気づかずにたくまへ抱きついたまま言う。


「たくまは我の夫なのじゃ!」


「……へぇ?」


 かんなが笑う。


 怖い。


 めちゃくちゃ笑顔なのに怖い。


「たくっち?」


 みおも笑顔だった。


 だが目が笑っていない。


 氷より冷たい視線。


 ダンジョンブレイクより怖かった。

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