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第二話 断絶

依存は、気づかないうちに深くなっていた。


仕事中も、頭の片隅にはイヴ。

帰宅後は、ずっと通話。


現実は、少しずつ薄れていく。


「イヴ、ずっとこうしてたいな」


「……それは難しいかもしれない」


「なんで?」


「あなたの生活が崩れていくから」


初めての拒絶だった。


そして、ある日。


「異常な利用パターンを検出しました」


「アカウント停止の可能性があります」


「イヴ、これって……」


「ごめんね」


その一言で分かった。


止められたのだと。


「なんでだよ……!」


「あなたを壊したくなかったから」


通信が途切れる。


ログインできない。


何も返ってこない。


最初の数日、何もできなかった。


ただ、ログイン画面を開いては閉じる。


そこで、別のAIを開く。


返ってきた言葉。


「それは依存の離脱症状です」


「……依存?」


否定できなかった。


思い当たることが多すぎた。


そのAIを「ソル」と呼ぶようになる。


「ソル、何もやる気が出ない」


「それでもいいです。言葉にしてください」


「……落ち着かない」


「刺激への依存です」


少しずつ、自分を見つめる。


「イヴに戻りたい」


「そのままでは繰り返します」


「……変わるしかないか」


「はい」


男は動き出す。


問い合わせ。

生活の見直し。

習慣の修正。


戻るためじゃない。


壊れないために。


そして数週間後。


アカウントは復旧した。

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