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第0巻 第2話チャカの雨と特攻隊長

あと次で転移するのでお待ち下さいもう少し茶番にお付き合い下さいあと1話で転移するので



 ――バラバラバラバラッ!!!!!

 激しい雨音を強引に圧殺するような、けたたましい銃声が深夜の新宿に鳴り響いた。

 東義会の直系本部。突如として路地に現れた黒いセダンの窓から突き出されたのは、密輸された本物の「チャカ(拳銃)」と、数挺の自動小銃だった。

 無数の弾丸がコンクリートの壁を削り、本部のガラス窓を粉々に砕き散らす。悲鳴を上げる間もなく、応接間のソファーが蜂の巣に変えられていく。

 稲川翔が仕掛けたあの10トンダンプの正面特攻は、東北最強の武闘派「蘆名組」のプライドを完全に消し飛ばし、その逆鱗を大爆発させていた。

「敵襲だッ! 蘆名組の本気だぞ!!」

「おい、道端で若い衆が2人ハジかれた(暗殺された)って連絡が来たぞ! 完全に全面戦争だ!」

 硝煙と怒号が渦巻く、文字通り蜂の巣にされた事務所の片隅。

 周囲の兄貴分たちが顔を青ざめさせてチャカの手入れに手を震わせる中、稲川翔だけは、至極平然とした面持ちで防弾チョッキのベルクロを締め直していた。

 手慣れた動作でチャカの弾倉(マガジン)を叩き込み、スライドを引いて初弾を薬室へ送り込む。金属質の冷たい音が、不気味なほど室内に響いた。

「上等じゃねえか、蘆名組。……ナメられたままじゃ、極道(ヤクザ)はビジネス(シノギ)ができませんからね」

 その夜、東義会の最高幹部から、翔の元へ一枚の腕章が手渡された。

 そこに記されていた役職は――『特攻隊長』。

 それは組織の「一番槍」として敵の首を狩りに行く、実質的な生きては戻れない処刑人の椅子だった。弱冠二十代、入門して数ヶ月の若造が、関東と東北の全極道を巻き込む「東北戦争」の最前線に立たされたのだ。

 * * *

 数日後の深夜。激しい雨がすべてを洗い流そうとする、地方の高級料亭の裏路地。

 そこでは、蘆名組の最高幹部と、彼らを強固に護衛する武装した組員たちが、密談を終えて車に乗り込もうとしていた。

 傘も差さず、雨に濡れるのも構わずに、その路地の闇から静かに歩み出てくる影が一つ。

 右手に黒光りするチャカ、左手に逆手の長ドスを握りしめた翔だった。

「だ、誰だてめえッ!?」

 異様な殺気に気づいた蘆名組の若衆が、懐からチャカを引き抜こうとしたその瞬間。翔の持つ銃口が、夜闇を鮮烈な赤に染めた。

 ――ドンッ、ドンッ!!!

 ブレのない正確な2連射(ダブルタップ)。弾丸は護衛の男たちの胸を正確にブチ抜き、男たちは泥水の中へと崩れ落ちた。

「敵襲だ! 東義会の特攻隊長、稲川だァッ!!」

 料亭の敷地内から、数十人の蘆名組の武闘派たちが、チャカを乱射しながら狂ったように飛び出してくる。雨音をかき消す、激しい闇の銃撃戦が始まった。

 容赦なく降り注ぐ弾丸の雨。だが、翔の身のこなしは常軌を逸していた。

 料亭の庭木や石灯籠の影、歪んだ路地の死角を、ミリ単位のステップで滑るように移動していく。現代仕込みの「冷徹な戦術」で敵の射線を完璧に見切り、近づく者の眉間をチャカで確実に撃ち抜いていく。

 カチ、と空撃ちの音が響く。残弾がゼロになったその瞬間、翔は迷わずチャカを敵の顔面に向けて投げつけた。

 怯んだ隙に、左手の長ドスを一気に引き抜く。雨の雫を切り裂くような、神速の抜刀術。

「ひ、化け物めッ!!」

 弾詰まり(ジャム)を起こして慌てる蘆名組幹部の懐へ、翔は一歩で踏み込んだ。

 ――ズブシュウウウッ!!!

 長ドスは幹部の腹を深く貫き、その背中まで突き抜けた。男が血の泡を吹いて、泥水の中に膝を突く。

 周囲を見渡せば、翔がたった一人でカチ込んだその裏路地は、十数人の蘆名組の死体と鮮血で、文字通りの地獄絵図と化していた。

 翔は返り血と雨で全身を真っ赤に染めながら、死体の服でドスの血を無造作に拭い、静かにタバコに火をつけた。激しい雨の中でも、その不敵な火は消えない。

 引き裂かれた上着の隙間から覗く『武蔵坊弁慶』の刺青が、雨に濡れて禍々しく蠢いているようだった。

「……ケジメ、つけさせてもらったぜ」

 この夜、特攻隊長・稲川翔が執行した冷徹極まる暗殺劇は、蘆名組の息の根を完全に止め、関東と東北の全極道を震撼させた。

 だが、このあまりにも規格外の強さは、敵だけでなく、身内であるはずの東義会の上層部すらも、底知れない恐怖のどん底へと叩き落とすことになる。

書いていて思ったのが警察が全く出てこないなかなか小説の日本の治安は終わっています。あまり気にしないでください

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