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第1巻第10話首領の計画

投稿遅れてすいません




「――これより、周辺のクズどもを全員狩り尽くす。ギルドボスの計画を丸ごと乗っ取って、『東義慶』のシマ(縄張り)を一気に広げるぞ」

 翔が獰猛な笑みを浮かべて言い放つと、シイナは「なるほど……!」と深く頷き、手元の羊皮紙をさらに一枚めくった。

「その周辺勢力の掌握についてですが、ボス。実は、最も厄介で、最も早急に処理しなければならない連中がいます。この廃墟街からさらに東にある山を拠点にしている、賞金首『血塗れ兄弟』のギタとカブです。周辺の国々からも懸賞金が掛けられている、本物の凶悪犯です」

 シイナは苦り切った顔で、報告を続けた。

「元々のギルドボスは、あの凶暴な兄弟をどうにか飼い慣らそうと、何度も使者を送り、高価な貢ぎ物を捧げていたようなのですが……。結果は最悪です。兄弟は贈り物をすべて奪い取った挙句、送られた使者たちを一人残らず惨殺して、その生首を廃墟街の入り口に投げ返してきたそうです。ギルドボスは恐怖のあまり、完全に舐め腐られていました」

 使者を殺され、貢ぎ物を強奪されても、怯えて引きこもることしかできなかった前ボスの無能さ。

 だが、その血生臭い報告を聞いた瞬間、稲川翔の目が、今日一番の凶暴なぎらつきを放った。

「――いいねぇ。血塗れ兄弟、か」

 翔は低く笑い、懐からゆっくりとナガドスを引き抜いた。鈍色に光る刃が、朝日に照らされて妖しく輝く。

「シイナ、ちょうど良かった。ウチの組も百六十人まで膨れ上がったが、頭数がいるだけで、前線で身体張って突っ込めるゴリゴリの『武闘派幹部』が足りねえと思ってたところだ。その血塗れ兄弟とかいう奴ら、ウチの組織(東義慶)に引き入れるぞ」

「えっ……っ!? ひ、引き入れる、ですか!? 倒すのではなく!?」

 シイナが驚愕のあまりメガネをずり落とした。使者を容赦なくブチ殺すような狂犬を、配下にしようというのだ。正気の沙汰ではない。

「当たり前だ。ヤクザの世界じゃあな、凶暴な狂犬ほど、一度首輪をはめちまえば最高の鉄砲玉(戦力)になるんだよ。貢ぎ物なんかで機嫌を取ろうとするから舐められる。本物の『極道の暴力』って奴を骨の髄まで叩き込んで、俺の忠実な犬に変えてやるよ」

 翔はナガドスを流れるような動作で鞘に収め、ドスを利かせた声で執務室の扉を開けた。

「野郎どもに新しい武器を持たせろ。東の山に引きこもってる賞金首どもに、新しい『飼い主』が挨拶に来たと教えてやる」

 チートなき極道・稲川翔。

 百六十人の武装私兵を従え、異世界で最も凶暴な武闘派幹部(狂犬)を調教するための、血塗られた進軍が始まった。

次から血塗れ兄弟ギタカブが登場します?!

ぜひこの兄弟の意見や感想頂けると嬉しいです?!

次から新章入ります新キャラもたくさん出て来ます

どうぞよろしくお願いします?!

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