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Twin Me  作者: ぼなぺてぃーと
第1章 「1年生編 僕の世界と、夢のセカイ」
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18/22

18話 「幻のドーナツ」

まさか電話しながらこっちに来ていたとは…、メリーさんじゃないんだから。



まあ、綾寧の家は歩いて5分くらいの距離だけどさ。

今度は逆にこっちが行って驚かせてみようかな。



「ね、見て見て!めっちゃ美味しそうじゃない!?」



ぐいっとこちらに身を寄せて、例のドーナツの写真を見せてくる。


丸くて穴の開いた土台に、ありったけの桃とホイップクリームが乗せられていて、それはドーナツというより、ほぼパフェみたいな感じだった。



「僕、さっき昼ご飯食べたとこなんだよね…。」



死ぬほど満腹…という程ではないけれど、かなりボリュームがありそうだからちょっと不安だ。



「ご心配なさらず!食べきれなかったらあたしが貰うから!」



綾寧は昔からめちゃくちゃ食いしん坊。


小学校の時も給食をおかわりしまくっていたし、今だって休み時間に菓子パンとかをよく食べている。



「綾寧、ちょっとスマホ貸してみてよ。」



僕はさっきの商品ページを下の方へスワイプしていき、例のドーナツの成分表示のところを指さす。



「ほら、580キロカロリーだって。こりゃカロリー爆弾だ(笑)」


「もー!食べる前にそんなの見せなくていいからっ!別にあたし、太らない体質だしー?」



実際、彼女は食べる量の割にとてもスラッとしている。


代謝が良いとか、そういう感じなのかな?



そうこうしてる間に目的のお店が見えてきたが…


平日の昼間なのに、すでに開店を待つ人が集まってきていた。



「お、もうこんなに。すごいなあ…」



開店の時間まで、あと20分くらい。


このお店の前はよく通るけど、こんなに人が来てるのは初めて見た。



恐るべし、限定パワー…。



すると、「最後尾」と書かれたプラカードを持った店員さんが出てきた。



「こちらが最後尾になりまーす!本日、15個限定のピオーネドーナツもご用意しております!おひとり様、どちらか一つまででーす」



ピ、ピオーネ?


初めて聞く単語だ。


一体何なのか調べてみようとしたら、綾寧がTシャツの袖を引っ張ってきた。



「マジ!?ねえ、前に何人いる……8人?ってことは…よっしゃああ!」



デフォルトで賑やかな綾寧が、さらにハイテンションになってはしゃいでいる。


まるで、おもちゃを買ってもらえた子供みたいだ。




でも…こういうところは、変わらないでいて欲しい。




やがて入り口が開かれ、前の人から順に入店していく。



僕たちは限定の白桃とピオーネを一つずつ注文した。



それからすぐにトレーに乗せられたドーナツが運ばれて来たけれど…


なんか、写真よりだいぶ盛られてないか?いわゆる、¨逆¨写真詐欺だ。



窓際のカウンター席に座って、早速頂こうとすると…



「ちょっと待ったー!写真、撮らせてよ!」



良い感じの角度を見つけると、ササッと店名の入った紙を画角に収めて、パシャリと一枚。


SNSにでも投稿するんだろうか。



「晴太!ドーナツ持って、こっち寄って!」



綾寧から突然指示を出される。



言われるがままにポーズを取ると…自撮りみたいな感じでツーショットを撮られた。



「ははっ!なんか二人って新鮮だねっ!写真、後で送っとくね~」



ニコニコしながらご機嫌な様子。



確かに、みんなで撮った写真はアルバムにいっぱい保存されているけど、二人の写真は初めて撮ったかも。



「待ち受けにしちゃおっかな、これ」


「……。まあ…良いけど…?」



あれ、思ってた反応と違う。



てっきり芸人みたいにツッコミをしてくるとばかり…



なんか最近、綾寧のリアクションが今までと違う気がするんだよなあ。



「冗談だって、みんなに勘違いされちゃうよ。」


「そ、そうだよね。……さ、食べよっか!」



気を取り直してスプーンを取る。



ピオーネとは、どうやらブドウのことだったらしい。


かなり大粒のそれが、ショートケーキのいちごみたいにして、てっぺんに乗せられている。



クリームの中にもたっぷりと果肉が混ざっていて、しっかりと素材の味が感じられる。



これは人気なわけだ。



「う~~ん!美味しいー!かなり上位に来るよ、これ!」



ゼリーでコーティングされた桃を頬張って、恍惚の表情をしている綾寧。



そのままパクパクと食べ進めていく…


が、さっきから僕のドーナツをチラチラ見ているような気がする。



「一口、食べる?」


「え、いいの!?それじゃ失礼…」



トレーを差し出して、分けてあげる。



別に良かったのに、気を遣ってか上に乗せられているブドウは避けて、クリームの部分だけすくっていった。



「ん、美味しい!……晴太も、はい」



今度は逆に、向こうから分けてくれた。

桃がシャーベットみたいシャリシャリしてて、すごく美味しい。




なんかこう…今まで全く意識していなかったけど、周りから見たらカップルに見えたりするのかな…?




もしそうだったら、恥ずかしいような、むずがゆいような…。



なんか不思議な気持ちだ。


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