15話 「最終回…?」
目を閉じているはずなのに、瞼の奥がとても明るい気がする。
そして首から背中にかけて、ザラザラした感触…なんか暖かい?
「!?ここ…って…」
噂をすればなんとやら。さっき恭介が言った通りに、僕は再び夢のセカイへやって来た。
しかし早速、今までとは違う違和感を感じる。
目覚めがやたらと良い…?
この前までは意識がはっきりしないことがほとんどだったし、謎の少女と話した時だってまともに会話できるようになるまで時間がかかったはずなのに。
今は頭も普段と遜色ないくらい動いてるし、視界もはっきり見えている。
一面に広がる青い海がそこにあった。そして太陽の光が尋常じゃないくらいにまぶしい。……と、目の前の情報を整理しつつあったその時、僕はその場から飛び上がった。
「アッツ!!」
まるで、首筋をライターで炙られたかのような痛みが襲う。
それもそのはず、僕は太陽光によって加熱された砂浜の上に寝転がっていたんだ。
全く、誰の仕業か分からないけど、初期スポーン地点くらいはちゃんと考えてくれ…。
それは置いといて、これからどうすればいい?
周りを見渡した感じ、ぽつぽつと人の姿は見える。とはいえ今の状況をなんと説明すればいいんだろう。
「夢のセカイに迷い込んでて…」なんて正直に言ったら、頭のおかしい人だと思われてしまう。
いや、本当に夢の中なら別になんて思われたって問題ないか…?要は僕の脳が勝手に作り出した映像ってことだし。
自問自答を繰り返していると、小さな船が沖の方から右の方に進んでいる。
あれ、さっき釣りしてた時もこんなを景色見たっけ。
目線でその船を追いかけていると、どうやら船着き場のような場所に向かっていくのが確認できた。
何か手掛かりがあるかもしれないと思って、そこへ僕も行ってみることにした。
うだるような暑さの中、僕は懸命に歩き続けた。
途中で自販機を見かけて水でも買おうかと思ったけど、よく考えたら財布を持っていない。
それどころかポケットに何も入っていない。どうやらこの夢は持ち込みは一切禁止のようだ。
滝のような汗を流しながら、ようやく船着き場に到着する。
そこには、船の受付らしき小さな建物があり、看板には電車の路線図みたいに、船の航路表とその運賃が書いてあった。
「……?一体どうなってるんだ」
すぐに異変に気が付いた。
そこにある日本は、小さな島の集まりで構成されている…。
「東京」「大阪」「名古屋」などなじみのある地名で、場所もおおよそよく知っている日本地図と同じような場所にあるのに、それらは独立した島の集まりだった。
まるで理解できない。
しばらくぼう然と立ち尽くすことしかできなかった。
こういう時ってどうするのが正解なんだろう。
信じられない状況過ぎて、これまでの人生経験が何一つとして生かせるはずもなかった。
そして、そうこうしてる間も汗は止まらない。
(やばいな…、本格的に熱中症になりそうだ…。)
そう思った時にはもう遅かった。
唇は完全に乾ききっていて、頭も痛いし、平衡感覚がおかしい…。
夢のセカイで死ぬのか、僕は。
もしここで死んだら現実世界でも…なんてことがあったらどうしよう。
(あれ、なんか目の前が…)
ぷつりと意識は途切れて、この物語はここでおしまい…?




