9話
東国内にて、こむぎは親戚パーティーへと正体された。
朝方の涼しい空気が肌に触れる
こむぎがヤケに冷や汗をかいてパーティー会場を歩く
コツ...コツ...
1人の人物が話しかけて来る
「あらこむぎじゃないの!!」
それはこむぎの祖母だった
こむぎが苦しい顔で言う
「あ...あぁ...久しぶりぃ....」
身振り手振りで動揺を隠す
こむぎ祖母がこむぎの華奢な肩に優しく肩パンする
「ちょ...っとやめてよぉ...」
しばらくパーティー会場内を歩いていると従姉妹が話しかけてくる
タッタッタッタ
「よっ!!こむぎじゃん!!」
こむぎが真顔で話す
「久しぶり...」
こむぎのポケットのナイフ握り治す
従姉妹が言う
「こむぎは軍人になったんだって?すごいじゃ_____
従姉妹の首が落ちる
会場が静まり返る
こむぎにはその首を切り落とす動作は慣れすぎていて、切った感触がなかった。
従姉妹の首をこむぎが勢いよく蹴る
一瞬で空気が緊張し、周りのざわめきと共にこむぎが周りの大人に押さえつけられる
「何が起きたの!?」
「し...死んでる.....?」
「きゅ...救急車...!!」
「いや...無理だろ...」
「嫌...嫌ぁぁぁ!!!!!」
こむぎは深く俯いて誰とも顔を合わせたくないというようだ
「...........。」
周りの声が聞こえる
「ど...どうして殺したの!?!?」
「なんで....!!なんでだよ!!」
周りの声が遠くなっていく...目の前が真っ白になる
隠れてその1部始終を見ていたりんなと翔が暗い表情をする
りんなが苦しい顔をしてつぶやく
「こむぎちゃん.......」
こむぎに向かって誰かが歩いてくる音が聞こえる
歩いてきた人は泣いて震える声で言う
「なんで...殺したの...?仲良かったじゃない...?
《《また.》》..おかしくなっちゃったの....?」
こむぎは答えない
この人物はこむぎの祖母だ....
あぁ....どうして.....
震える声のまま叫びこむぎの頭を叩く
「治れ!!!!治れ!!!!治れぇぇぇぇ!!!!!」
周りの人達にこむぎ祖母が押さえられる
「ちょっと!!落ち着いてください!!」
こむぎの従姉妹はスパイだ。
だが、それをパーティーの人間に言うわけにはいかない。
不審な行動をされると相手に悟られる可能性があるからだ
こむぎはしばらく周りの目に耐えてもらわないといけない
今日の任務は
《《スパイ暗殺だ》》。
従姉妹の首には魔力の糸がほんの少しだけ縫った跡があったらしい
《《あの時首を蹴られなればどうなっていたのだろうか?》》
++++++++++++++++++++
深く俯いたこむぎが机につっ伏す
部屋にはほこりが舞ってカーペットが敷かれ、木製の家具が並ぶ質素な小屋
師匠がこむぎに話しかける
「こむぎ...?また泣いてるの...?」
こむぎが震えた声で言う
「私...なんのために生きればいいの...?
何やっても失敗ばっかり...不安で...怖いの....」
「どうせ私なんて...何も出来ない...何をやっても...意味が無い...」
その言葉は、こむぎの人生において、説得力のありすぎる言葉だった。
《《もうこれ以上何をやっても意味がない。》》
分かってる。
でも
師匠が窓の近くに行き一言言う
夕日が師匠の髪を照らす。
師匠が口を開く
「こむぎちゃん。人は...どうして頑張るか、知ってる?」
お互いの髪が揺れる。
「そうかぁ...もう分かってるもんね...」
夕日が眩しくて師匠の顔が見えない。
「私みたいにならない為だよ。君がよく言う、「どうせ私なんて」って言葉。それは自分に価値が無いと思っている人が使う言葉だよ」
「価値を求め過ぎる人間に。価値なんて貰えない。」
小さな懐中時計を渡す
「これは、私の生きた証だよ。
私の夢を、あなたに託します。
聖級魔法使いになりなさい。
そうすればきっと。救われます。」
私は希望を持った。生まれて初めて。いや、それはどうでもいい。
もしかしたら、人生を変えられるかもしれない
夢を見れるかも知れない
聖級魔法使いになれるかも知れない。
++++++++++++++++++++
生きることがこんなに苦痛なら...
《《あの時死んでおけば良かった。》》




