4話
夜空の綺麗な光が二人を照らす。その光は夜が来る限り必ず私達を魅せてくれるだろう。
星が光る空の下をしばらく歩くと見覚えのある姿が見える。
ミクが椅子に座り、顔を落としている。
こむぎが心配そうに言う
「ミクさん。どうかされましたか?」
ミクが小さな声で言う
「あぁ...君達来てくれたんだね...」
2人は何を言うのか分からないふりをすることができなかった
彼女からは《《時々見えるもの》》があったからだ
ミクが一息ついてから言う
「私ね...相談があるんだ...」
2人は黙って近くへ寄り添う
こむぎが言う
「相談って?」
ミクが何かを堪えて言う
「私...《《お嬢様の事をすごく尊敬している》》の...」
ミクが堪えていた涙を流す
「でもお嬢様は...いつも私に...」
ミクが胸の疼きが抑えきれず声が上手く出せない
「お馬鹿者とか...無能とか...いつも私に怒鳴って......」
ゆうかとこむぎは少し気まずくなり、返す言葉もない
ミクが赤ちゃんのように泣き出す
「うわああああん!!!!私頑張ったのお!!なのにぃ!!私はっ...ううっ...うっ...」
こむぎがなだめる
「おっ...落ち着いて...」
ミクが絞り出すように言う
「私...いつもお嬢様に迷惑かけて...
悪い子なのかな...っていつも思って...
それでも...お嬢様は私のミスの責任を取ってくれるから
...見えない絆で...見えない絆で通じあってると...
思ってるのに.......」
ミクが言う
「私...もう......耐えられない」
星が綺麗な夜だった。空はミクの心を無視して
こんなにも美しい。どうしてこんなに綺麗なのだろうか。
++++++++++++++++++++
次の日
こむぎが朝起きると既に朝ご飯ができていた
机の上のご飯の前へと座る
そうするとりんなが後ろからこむぎの肩を持って言う
「こむぎちゃーん♡今日あんまり寝てないでしょー♡からだ冷たーい♡」
こむぎが唇を尖らせて言う
「ちゃ...ちゃ...ちゃんと寝たもん...」
りんながこむぎの目を見て言う
「私のおめめ見てはなそっかー♡」
こむぎがりんなの目を見ると
なぜか自然と笑ってしまう
「あー!!こむぎちゃん嘘ついたのー♡」
こむぎが目をそらす
「ち...///違う...///違うもん...///」
ゆうかが冷めた目で言う
「じゃーわたしさきいっとくからはやくこいよー」
バタンとドアが閉まる
りんなが言う
「じゃあ私もご飯食べよー♡」
こむぎがグチグチ言う
「朝ご飯はいつも食べない派なの...」
そんなことを言いつつも2人は食べ進める
「こちそうさま。」
りんなが言う
「えー♡こむぎちゃん食べるの早いー♡」
こむぎがしつこいといわんばかりに言う
「うるさい...!」
そういいながらこむぎはメイド服へと着替える
りんなはスマホを見ながらパンを頬張る
こむぎはそんなりんなを置いて部屋を出る
りんなが口を尖らせながら言う
「こむぎちゃん待ってよぉ...」
こむぎがぷんぷんしながら
完全無視を貫き通す
りんなが少し落ち込みながら言う
「こむぎちゃん怒っちゃった...」
こむぎが廊下を歩いていると正面から華美な服を着た小さい女の子とミクが一緒に歩いてくる
こむぎがすれ違おうと思った矢先
小さい女の子が低い声で言う
「そこのメイド。」
こむぎが慣れない敬語で受け答える
「どうか...しましたか...?」
こむぎの声が少し震えている
何故ならこの娘こそが《《ミクを苦しめているお嬢様》》であるからだ
お嬢様が嘲笑する
「メイドであれば道を譲るのは作法ではなかったのか?...w」
こむぎが謝る
「大変申し訳ございません。」(棒読み)
お嬢様が言う
「はぁ...申し訳ございませんだと...?メイドの分際で、誰の許可で喋ってんだよぉ!!」
お嬢様が強く地団駄を踏み怒鳴る。その小さい体では大した音は出ない。
スンっと急におとなしくなり、また馬鹿にするかのような態度へと戻る
お嬢様がつぶやく
「痴れ者が...w」
お嬢様がコトコトと再び歩き出し
そお嬢様とミクはゆっくり通りすぎて行く
通りすがりに見たミクの目はまるで猫に殺されるネズミのように、今起こっている状況を理解することを全て拒んでいたようだった。
廊下の奥でゆうかが足をガックガクブルブルブルリンコしながら震えて見ていた
こむぎが駆け寄る
「ゆうかちゃん大丈夫?落ち着いて?」
ゆうかが震えながら言う
「令嬢...こあい!!」
ゆうかが明らかにまだまだ震えながら
「おっ..おっ..おっ...落ち着いたッ!!」
こむぎが心配そうに言う
「3×3は?」
「ななッ!!あっ違うっっ..きゅう!!」
うんうん全然落ち着いてないねぇ...
++++++++++++++++++++
翔は館に潜入し、透明化魔法を使いそろーりそろりと歩く
少しの音を立てることも許さない。翔は今回での任務では潜入係ではないからだ。
情報や作戦を整理し、的確に指示を出さなければならない。
廊下を曲がれば謎のオレンジ髪の女の子と話すこむぎがいた
こむぎが笑顔で手を振る
あれれ...?私透明化魔法使ったと思うんだけどなぁー...?
まあ、見えてるならもうどうでもいい。なぜ見えてるのかもどうでもいい。
こむぎにハンドサインを送る
「メイド室、来い」
こむぎがOKサインをする
こむぎが言う
「ゆうかちゃんは一旦お掃除しにいこっか!!」
ゆうかは言われるがままに掃除道具を取りにゆく
そうするとこむぎはメイド室へと足を運ぶ
++++++++++++++++++++
こむぎがメイド室へ入ると何故かりんなが正座していた
りんなが物凄くモジモジしながら言う
「あっ..あっ..あの...今日の朝...私...うう...ウザかったよね...ごご..ごめんなさい!!」
こむぎがびっくりするように
「えっ!?えっ!?イヤイヤ...気にしてないよー...!!」
りんなが泣き声で言う
「こむぎちゃんに嫌われると思うと...胸が張り裂けそうになって...張り裂けた胸に
オリーブオイルを回しかけバジルとレモン1切れを添えて...」
なんか洒落た料理作ろうとしてない?
こむぎが言う
「こ...こんなしょうもないことにために呼んだの!?」
翔が足を組み直す
「んなわけないでしょ。」
翔が上着の内ポケットから紙を取り出し、組んだ足を揺らしながら言う
「作戦内容覚えてる?パーティーがあって、その時にターゲット暗殺だから。これは最終確認。」
こむぎがめんどくさそうな顔をする。
「はぁー...そんなすぐに忘れないって...」
「この前忘れてたじゃん...」
翔が声を大にして言う。(声が大きいわけではない)
「ホントにちゃんと覚えてね...?」
りんながニッコニコで言う
「マカセチクリ☆」
やっぱ覚えてねえなこいつ。




