第六章 イェルマ大循環駅馬車
第六章 イェルマ大循環駅馬車
構想から約一ヶ月…キャシィは遂にコッペリ村を始発駅とする「イェルマ大循環駅馬車」計画を始動させた。まずは試験運転として、今年中に一度運行させてみて、問題がなければ雪が消えた来年から本格的に定期運行させるつもりだ。
旅客用幌馬車五台と大型貨物馬車五台が、護衛のイェルメイド二個大隊250騎を従えて、今まさにコッペリ村を出発しようとしていた。
城塞都市イェルマは少し変わった。イェルマはコッペリ村の入り口に検問所を設置し、そこに一個大隊125名を常駐させた。以前であれば、それはイェルマ橋駐屯地の駐留軍の役目であったが、コッペリ村を正式に領土として、コッペリ村も守備範囲となったからである。
さらには、女王ボタンの英断で…イェルメイドのコッペリ村での「居住」が許された。いくつかの条件はあったものの、その条件をクリアしたイェルメイドはコッペリ村に住むことができる。
例えば、ルカ。彼女はコッペリ村駐留軍の指揮官に任命された。これによってルカはコッペリ村に居住して…毎日イェルマに戻る必要がなくなった。つまり、コッペリ村に居住を望むイェルメイドはコッペリ村駐留軍に所属し、コッペリ村から直接職場の駐留地に通うのである。
現在妊娠中のボタンは考えた。コッペリ村を領土としたイェルマはもっともっと拡大していくだろう。それに伴って、好きな男を見つけて「結婚」を望むイェルメイドも増えていくだろう。
オーレリィさんには悲しい思いをさせてしまったが…オリヴィア、ダフネ、ルカ、キャシィのようなイェルメイドがこれからも増えていくに違いない。とりあえず、コッペリ村駐留軍一個大隊の人数…「125名」の枠を作って試験的に運用をしてみて、その後法制化するとした。できれば行く行くはコッペリ村までなら「魚璽」がなくても行き来ができるようにしたい…。もしかしたら、自分に男の子が産まれるかもしれないから…。これなら、コッペリ村に息子を里子に出したとしても、毎日息子の成長を見守る事ができる…。
コッペリ村では大型貨物用馬車に大量の荷物や食糧を積み込んでいた。皮鎧のルカが荷物リストを確認しながら叫んでいた。
「おぉ〜〜い、荷馬車への積み込みは終わったかぁ〜〜?」
ダフネが答えた。
「ルカ師範、もうすぐ終わるよ。」
「ダフネ、『ルカ指揮官』と呼べっ!…ん、副官はどこ行ったぁ?」
「…オリヴィア副官はとっくに昼休憩に入ってるよ…多分、キャシィズカフェだと思う。」
「何だとぉ〜〜っ⁉︎まだ十一時じゃないか…あいつ、何やってるんだっ!…まぁ、いい。では私も昼休憩に入るから、後はダフネに任せた!」
「あっ…ずるっ…!」
「…何か言ったか。」
「…いえ。」
ルカはちょっと歩いて、コッペリ村唯一の宿屋の前までやって来た。宿屋の前では数人の子供たちが棒を持って素振りをしていた。
ジョルジュが大きな声で挨拶した。
「おはようございます、ルカ師匠っ!」
「…うむっ!」
宿屋の高床の上には、椅子に座ってジュニアを抱いているヘクターがいた。
「ジュニア、待ってろ…もうすぐお母ちゃんが来るからな…。」
ルカは笑顔でヘクターに駆け寄ると、ジュニアを抱き寄せて「よしよし」とあやした。そして、ジュニアに乳を与えるため宿屋の中に入っていった。
ヘクターは椅子の上から子供たちに指示をした。
「イアン、もっと深く踏み込んで!」
「…はいっ!」
(この子たちが大きく育ったら…宿屋を『コッペリ村冒険者ギルド』にするかな…。)
ヘクターはそんな事を考えていた。
キャシィズカフェでは…機織り機を買い付けてきて、エステリック城下町から戻ったセドリックとケントと、駆け込みカルテットの元織工のハンナが機織り機設置のため、裏のシルク工場で忙しくしていた。
オリヴィアとキャシィが十数個のおにぎりをお皿に乗せてやって来た。
「皆さぁ〜〜ん、少し休憩をしませんかぁ〜〜⁉︎」
「おおぉ〜〜、待ってました!」
セドリックは機織り機を運び込むため、コッペリ村で働いていたエステリック王国の元義勇兵たちの手も借りていた。彼らはその場で胡座をかいておにぎりに食いついた。
オリヴィアはセドリックにベッタリと貼り付いて、ひと足もふた足も早い春を謳歌していた。
「セドリックゥ〜〜…シルク工場も順風満帆ね…」
「これもオリヴィアさんの金貨四十枚のお蔭だよ。でも、これからだよ。キャシィ、蚕の卵は?」
「大丈夫っ!一万四千個…ユグリウシアさんにしっかり預けてあるからっ!今年はもう間に合わないけど…来春から養蚕を始めてバンバン生糸を作りましょう!…んじゃ、私、循環馬車の様子を見てくるねぇ〜〜。」
キャシィはキャシィで忙しい。「キャシィ&ハインツ商会」を立ち上げて以来、同盟三国との交易、大循環駅馬車の運用、ワインのコジョー村への出荷、交易リストのチェックなどと、仕事は山積みだ。
キャシィはコッペリ村の入り口に到着すると、人を探した。大循環駅馬車を護衛するイェルメイドたちを見つけたが、その中に荒ぶるベロニカを目撃してキャシィは急いでその場を離れた。今のベロニカは非常に絡みづらい。
「あ、いたいた。アガタさぁ〜〜ん…」
キャシィは書類を束にして持っているアガタをようやく発見した。
「キャシィさん、どうもぉ〜〜。」
アガタは生産部の資材調達部所属の「駆け込み女」だが、事務処理能力が非常に高いので、黒亀大臣のチェルシーから一時的に借り受けていた。今回、アガタは大循環駅馬車に同乗して事務的な指揮を行う。各駅でどの荷物を降ろし代わりに何を受け取るのか…乗客を乗せた場合、目的地に合わせていくらの運賃を徴収するのか…デュリテ村とオリゴ村で駐留軍として誰を下車させるのか…などなどなどなど。
「ああ…頭が痛いわ…」
「が…頑張ってくださいね。何らかの形で必ず報いますのでっ!」
「そこっ!…よろしくね、絶対よろしくねっ‼︎」
こうして…試運転の「イェルマ大循環駅馬車」がコッペリ村を出発した。
その日の朝、フェリックスはソワソワしていた。その横で、デボラ、プリシラ、ポールは朝食代わりのパンケーキを食べていてご満悦だった。
デボラが言った。
「フェリックス、パンケーキ…もっと砂糖をぶち込めよ。それから、バターをもっと増やして。」
「おぉ〜〜い、砂糖もバターもただじゃいんだ、高級品だぞ。バターなんか…銀貨一枚もしたんだぞ。」
「頑張って稼げ。」
「…。」
フェリックスの家にもヤギのつがいがいる。雌ヤギ一頭から搾れる乳の量はたかが知れていて、バターを作ったとしてもほんの僅かしかできない。
「それよりだなぁ…知ってるか?エステリック城下町に、遂に『大循環駅馬車』がやって来るらしいぞ…今日あたりらしいぞ。」
ポールが叫んだ。
「へえぇ〜〜っ…うちの馬車より凄いのぉ?」
「そりゃもう!何十台も馬車を連ねて、人や荷物をいっぱい運ぶんだ…何か、停車駅には城下町の商人がいっぱい露店を出すらしい…」
「わぁっ…」
「…観に行くか?」
「父ちゃん、行こう行こうっ!」
フェリックスがソワソワしていた原因はこれである。貧しい農村にはこれと言った娯楽がない。だから…子沢山になってしまう。
プリシラとポールは準備を始めた。プリシラは人数分のライ麦パンと残ったバターを手提げ籠に入れ、ポールはお気に入りの木彫りのオークとゴブリンを両手に持った。だが、デボラは動かなかった。
「デボラは行かないのか?」
「外は寒い…興味ない。」
すると、プリシラが言った。
「じゃぁ、デボラ。お留守番お願い…お洗濯とお掃除とジャガイモの皮剥きもお願いね?」
「行く。」
四人は馬車に乗り込んだ。
ノーチルス村とエステリック城下町は近い。馬車なら約30分くらいの距離だ。
フェリックスは30分ほど馬車を走らせ、エステリック城下町の南門に到着した。
「うわ…凄い人混みだな…」
荷物を積もうとする商人たちとその馬車、いくつもの露店、物見遊山でやって来た野次馬たち…。
フェリックスたちは馬車を少し後戻りさせて停車すると、そこから歩いて行った。
「まだ来てないみたいだなぁ…。」
みんなは何もすることがなく暇だったので…プリシラの手提げ籠からライ麦パンを出し、ちょこっとバターを付けて食べた。そのライ麦パンもなくなり、デボラは露店のひとつを指差して言った。
「あれ買って。」
仕方がないので、フェリックスは銅貨十枚をデボラ…ではなくプリシラに渡した。デボラ、プリシラ、ポールの三人は喜び勇んで露店に駆けていった。そして、木の皮のボウルいっぱいの揚げピーナッツをポリポリ食べながら戻ってきた。もちろん、揚げピーナッツのボウルを管理しているのはプリシラだ。デボラに任せると独り占めしてしまう。
「来ないねぇ…」
その時、デボラはエステリック城下町で唯一の顔見知りと偶然出会った。
「おっ…少年!」
「あっ…」
それはティモシーだった。ティモシーは情報収集のため、このお祭り騒ぎを見物しに来ていたのである。
それを見ていたフェリックスがティモシーに近づいて、挨拶をした。
「初めまして、夫のフェリックスだ…君はデボラのお友達?」
「ええと、トムです。友達ではありません。デボラ…さんとは城下町でちょっと話をしたくらいで…」
ティモシーは友達であることをきっぱりと否定した。デボラとは友達になってはいけない気がしたからだ…。
(旦那さんがいる…って事はこの人、密偵じゃないんだ⁉︎でも…絶対に只者じゃないんだけどなぁ…)
「そうか、そうか。まぁ…妻と仲良くしてやってくれ。」
そう言って、ティモシーとは別れた。
揚げピーナッツのボウルが空になりそうな午後一時頃、北の街道からけたたましい音を立てて、数十騎の騎馬が向かって来ていた。城下町南門付近が騒めいた。予定よりも四日遅れの到着だった。
フェリックスは興奮した。
「おおおぉ〜〜っ!…来た、来たっ‼︎」
デュリテ村に駐留軍の100騎を置いて来たとは言え、前後に150騎の騎馬隊を従えた十台の馬車は威風堂々と城下町南門に停車した。
イェルメイドたちが馬から降りてきて、アガタの指示に従ってイェルマから持ってきた「米」や「小麦」を降ろし、そして次の駅のステメント村に運んでいく「トウモロコシ」の袋を積み込んだ。試験運転と言う事で…乗客はいなかった。だが、これから深まる冬…大循環駅馬車は復路のオリゴ村の駅で大変な数の乗客を乗せる事になる。それは、戦争で大敗し下降線を辿るティアーク、エステリックに見切りをつけて、これから発展するであろうコッペリ村を目指す人々だ。
循環駅馬車の乗員は一時間の休憩に入り、イェルメイドたちは南門に並んだ露店へと殺到した。彼女たちは目が飛び出るような値段にびっくりした。
「うわっ…高っ!」
「こっちも高いっ‼︎…何で⁉︎」
…あなたたちが戦争に勝ったからだ。
焼き菓子を頬張っていたひとりのイェルメイドが偶然デボラと鉢合わせした。
「あれ…あんた、見た事ある。…斥候房?」
「…あっ!」
揚げピーナッツにしか注意を払っていなかったデボラでもさすがに気がついた。
(…大循環駅馬車って、イェルマから来てるのかっ!これ全部イェルメイドかっ⁉︎)
すると…
「やぁ、こんにちわ。デボラの夫のフェリックスです。妻がお世話になってます。ええと…デボラのお知り合いの方?」
「デボラ?ああ、そっか…『ズボラなデボラ』『欲しがり屋のデボラ』か、思い出した。何でこんなとこにいるのかしら?」
デボラは言った。
「お前には関係ない。あっち行け。」
それを聞いて、そのイェルメイドは急ぎ足でスタスタと循環馬車の方に去っていった。デボラ…あまり関わりたくない人物だ。
「デボラ、今の皮鎧の女の人…知り合いだったのか、故郷の仲間?どっかの兵隊さんのようだったが…」
「知らない人。もう帰ろう。」
こうしてフェリックス一家の大循環駅馬車見物は終わった。
次の日の夕方近く、大循環駅馬車はラクスマン城下町を経由してステメント村に到着した。ここの駐留軍はリーン族長区連邦が引き受けてくれたので、イェルメイドたちの下車はない。
大勢のステメント村の村人が出迎えてくれた。アガタは言った。
「ラクスマンで積んだワイン十樽とお米100kgはここで降ろしてぇ〜〜。」
エヴェレットお待ちかねのワインである。このワインとお米はリーン族長区に運ばれて行く。
ひとりのイェルメイドがアガタに言った。
「そろそろ日没だよね…?ここで一泊して行こうよ…」
「ステメント村かぁ…そうねぇ、そうしよっか!」
イェルメイドたちはダフネやアンネリの話でステメント村をよく知っていた。ウシの飼育を生業とする村…牛肉の一大生産地!
馬車の荷揚げ、荷下しもそこそこに、150名のイェルメイドはステメント村の宿屋になだれ込んでいった。
「牛肉のステーキ…食うぞぉ〜〜っ‼︎」
「分厚いステーキが銅貨五十枚って…激安だろっ⁉︎ダフネの言ってた通りだなぁ…!」
「誰か…お金貸してぇ…」
「旅行に出るのに、なぜお金を持ってこない⁉︎…そんな奴は荷馬車のトウモロコシ汁でも啜っとけっ!」
宿屋の一階ホールは入り切れないほどのイェルメイドで大盛況だった。
テーブルで向かい合ってステーキを食べているイェルメイド二人が話をしていた。
「ねぇねぇ、コニー隊長。私、エステリックでデボラを見ましたよ。彼女はどうしてあんなところにいるんですかね、密命で…スパイとか?」
「何だって⁉︎」
コニーは斥候房の師範である。コニーは今回、護衛隊の指揮官として循環馬車に同行していた。
「デボラの夫って言う人が出てきて挨拶されちゃいました。」
「…そうなのかぁ。分かった。とりあえず他の者には黙っておいてくれ。…そのステーキ、私の奢りだ。」
「ゴチでぇ〜〜っす!」
ここステメント村はイェルマから遥かに遠い。なので魔導師の「念話」は届かない。
コニーは思った。次の次の駅…オリゴ村に立ち寄った際にイェルマに「念話」を送ろう。デュリテ村の駐屯地の魔道士を経由すれば、「念話」はイェルマに届く。そして、斥候房の房主ヒナギクとデボラの処遇について相談しよう。
デボラは勝手にイェルマ軍から脱走した。見方によれば…「敵前逃亡」とも取れる。これを許すと、真似をする者が出てきて軍の規律が乱れる…。
デュリテ村のイェルマ駐屯地。村の協力を得て、急造の兵舎を建てたが…それはまだ掘っ建て小屋に近かった。これからここに一個大隊…125名のイェルメイドの兵士が住む事になる。
村長がやって来て、剣士房中堅で指揮官のライラック副師範に挨拶をした。
エステリック大侵攻で剣士房はフレデリカ師範を含む多くの剣士を失った。ライラックはリグレットの母親でまだ兵役免除期間であったが、人手不足でそうも言っておれず、リグレットが七歳になるまでの二年間という約束でライラックを副師範に昇格させイェルマから比較的近いデュリテ村の指揮官として派遣した。
「どうもどうも、よくぞいらっしゃいました。私が村長です…。みなさんにお会いするのは三度目ですねぇ、歓迎いたしますよ…。サリーさんはお元気ですか?」
「…え、三度目?…サリー?」
「いつもいつも、このデュリテ村をアンデッドから守っていただき、ありがとうございます…。」
「…アンデッド?」
「傭兵も大変ですねぇ…。どうぞ、ゆっくりして行ってください。」
「…傭兵?」
訳がわからないライラックは魔道士のベロニカを呼んだ。
「はぁ〜〜っ⁉︎私に分かる訳ないじゃない。村長…ジジィだからボケてるんだよ。気にするな、放っとけ放っとけ。」
「博学の魔道士なら、村長の言っている事が分かるかと思ったんだけどねぇ…。」
ベロニカは魔道士房の師範である。蒼龍将軍で魔道士房の房主マーゴットの命令でしばらくティアーク城下町で間諜をしていた。色々あって、晴れてイェルマに帰還したが、すぐにこのデュリテ村イェルマ駐屯地の連絡係として、再び「イェルマの外」に出されてしまった。ベロニカはこの人事を「左遷」だと思っている。
ベロニカは一応師範なので、「指揮官待遇」で小さいが個室をもらっていた。が、しかし憤懣やる方ないベロニカは不平不満を言って、いつも周りに当たり散らしていた。
(クソババァ、クソババァ、クソババァ…約束が違うじゃんかよぉ…!戻って来て良いって聞いたから、喜び勇んでイェルマに帰ったのに…すぐに島流しかよぉっ‼︎私が何したって言うんだよぉ〜〜っ…)
性格が悪いから飛ばされた…とは、本人は思っていない。
早朝、ライラックは点呼の前にリグレットを連れて新天地のデュリテ村を散歩していた。すると雪が降ってきて、宙をちらちらと舞った。
それを見たリグレットは…
「ママァ〜〜ッ、雪、雪ぃ〜〜っ!」
そう言って、リグレットは逃げていく雪をきゃっきゃと叫んで追いかけ回していた。その様子を見て、ライラックはほっとしていた。
(セイラムちゃんとのお別れの時は大泣きされたけど…安心した。ここは何もないところねぇ…。まぁ、それでも地理的にデュリテ村はエステリックやティアークからは離れているし、安全といえば安全ね…。)
デュリテ村はエステリック城下町とコッペリ村のほぼ中間地点に位置している。その地理的特性から、「念話」が得意なベロニカが「中継器」としてデュリテ村の連絡係に選ばれたのである。これからベロニカはステメント村、オリゴ村からの「念話」を中継してイェルマに送信するという大事な任務に就く。
ライラックとリグレットが散歩していると、村長がやって来た。
「おはようございます、村長さん。」
「おはようさんです。その子はライラックさんの?」
「はい、リグレットと申します。これからお世話になります…。この村は何か特徴とかはないのですか?」
「この村は、レンコンとウシガエルと…スライムがいっぱいですなぁ。」
「ふふふ…スライムですか。それは面白い…」
すると…遠くの方で声がした。
「じいちゃ〜〜ん、朝ご飯できたよ〜〜。」
ライラックは言った。
「呼んでますよ。」
「ああ、儂の息子夫婦ですわい…。」
リグレットが声の方向に振り返ると、若い夫婦がいた…奥さんの方は小さな娘を連れていた。
息子夫婦の小さな娘を見て…リグレットは駆け出した。
「あたしはリグレットだよぉ〜〜っ!あなたのお名前、教えてぇ〜〜っ‼︎」




