その後の王家の人々(王子)
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――母上は訳の分からないお説教をした後、修道院に入ってしまった
王子はそれを見て、悪い商人とかかわりを持ってしまった王妃が悪かったのだと思ってしまった。
その王妃は責任を取った。
これで元通りだ。
と思ったけれど、そうではなかった。
まず側近たちがよそよそしくなった。
特にとある商会の息子だった男は露骨に王子達から距離を取るようになった。
迷っている様な素振りを見せるのは宮廷音楽家を目指していた男と、高級官僚のうちの息子。
最初、姫と王子の護衛としてどこまでも御供いたします!!と豪語していた男は、大痣を顔に作ってからは申し訳ないと言って王子から離れていった。
その中で国王が言ったのは「カサンドラ姫とともに小国へ赴き、そこで婿入りをするように」という事だった。
王子には意味が分からなかった。
だから、当然反発をした。
暴れて見せもした。
けれどいつものようにかばってくれる母である王妃はもういなかった。
宰相はため息とともに「覚悟をお決めくださいませ」と言って出立の準備を急がせていた。
その宰相の態度について国王に抗議したが国王はもう王子を見ようともしなかった。
結局、音楽家だけが王子についていくという事になった。
けれど小国に向かう道中、音楽家はどこかに消えてしまった。
王子の周りには誰もいなくなった。
まだ、キャシーがいる。
王子はそう思った。
けれど、姫は王子が婿入りするとなってから上手く会話が続かなくなっていた。
姫の国について国王と謁見した。
おじさんは私には甘いのよ。と姫は言っていたはずなのに一様に厳しい顔をしている。
特に王子にはにらみつけている様だった。
婚約は成っているのだ。本来の形に戻るようにこの国の国王からも言ってもらおうと思ったけれど到着の報告後すぐに姫と別々にされてしまった。
それから、今までのことを根ほり葉ほり聞かれた。
聴取の結果、不当を訴えるのだろうと思っていた王子はきちんと不当ととらえてもらえるよう答えた。
それから何人も何人も人が変わり、王子から話を聞いたり、逆に何かを説明されたりした。
説明されたことは大体王子が憤慨するようなものばかりだった。
王子はきっとあの性悪な公爵令嬢に自分ははめられて陥れられたのだと思った。
いつか王の座というふさわしい場所に行くが、今はまずこの国で重要なポジションを得て橋頭保を築くことが大切だと考えた。
今までの功績がある。
王子はとても評判がよかったのだ。
姫を妻とするのだ。それなりの役職が準備されるものだと思っていた。
王子には何も与えられなかった。
与えられる訳が無いとこの国のものは皆言った。
今までの話や説明の中にはその資質を見極めるものもあったらしいが全て不合格だったそうだ。
そんなものがあったなんて聞かされていない!!王子は怒った。
けれど特別な爵位と王都ではないが特別な屋敷を用意していざという時のために待機するようにという事になった。
小さな国だ、有能な王子を使う場所が無いのだ。と王子は考えなおした。
王子は姫と一緒にその屋敷に向かった。
王子と姫は、王子と姫ではないただのユリウスとカサンドラになったけれど、王子はそれを理解しなかった。
この屋敷には商人も碌に来なかった。
待遇の悪さを使用人に怒鳴りつけても、どこ吹く風の様子に王子は最初いらだっていたが、やがていつかいざという時に呼びだされることを思い出して、その時の計画を練り始めた。
その計画が実行されることは一生無いのだけれど、王子はいくつもいくつも、現実にはあり得ない計画を練り続けて時間ばかりが過ぎていった。




