その後の王家の人々(国王)
※国王の方面です
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祝賀会は主役の英雄がいなくなってしまったので、早々にお開きになった。
この国にお越しいただいた教皇を晩さん会にと国王は伝えたが、教皇はこのまま帰ると言われてしまった。
「なんでこうなってしまったんだ……。
これからどうすればいいのだ」
国王は呟いた。
そして療養という名で軟禁をしていた宰相のことを思い出した。
宰相はやややつれた姿で王の前にあらわれるまで三日を要した。
その間に、正式な独立の宣言はなされ、少なくない数の貴族はそちらについた。
ただ半分にも満たない数の貴族だ。
国王はあらわれた宰相に事の次第を話した。
そして、どうすればよいのか聞いた。
「それは、まず、今の宰相にお尋ねになられるべきことでしょう」
元宰相の公爵はそう言った。
「おお、そうだったな。
そちをただいまより、宰相の位にもどそう」
国王は悪びれることもなくそう言った。
宰相は深くため息をついた。
宰相が、この王家を見限った瞬間だった。
そういうその場の流れで人を軽視するように物事を決めていくのはこの王の悪い点だった。
ただ、この場で何もかもを断ることはできない。
自分の首が飛ぶのは早いか遅いかの違いでしかない。
けれど家門のもの、とりわけ愛する妻と子供たちは守りたいという気持ちが宰相にはあった。
この国がどういう形で終わるか、それが分かるほど宰相は賢くはなかった。
けれど早晩それが来ることだけは分かる。
国王が話した事の次第は誇張が混じっていたりあえて話してはいない内容も多いと宰相は知っている。
軟禁を解かれてすぐ、宰相の手の者たちがこれまでの話の中で軟禁中伝えきれていなかったことは共有されていた。
「まず、王子についてですが。
ご婚約おめでとうございます」
宰相は言った。
「ああ。あれは我も反対ではあったのだが、妃がな。」
妃が何か悪しきものに取りつかれていた話も宰相は知っている。
そして今はつきものが落ちた様に放心していることも。
「まず、婚約についてですが、婚姻するという事しか書かれていないという事は正しいでしょうか」
「そうだ。同盟の話などもしようが無かったからな」
「それでは王子はかの国に婿入りすることにするのです」
「な!?!?」
王は驚いて、ガタンと席をたった。
「王子の発言はもう取り消せないでしょう。
そして外交官達の手によって各国に広がってしまった。
我が国の王子としての暮らしは不可能でしょう。
けれどかの国で姫は手厚く遇されてると聞きます。
でしたら王子の身の安全もその夫である内は確保されるでしょう」
この国にいれば廃嫡の上、爵位についても難しい事態だ。
この事態を生んだ王子を恨んでいるものもとても多い。
「……分かった。
新しい後継者について候補の選定をするように」
「御意」
宰相は深く頭を下げた。




