やっぱり運命だった!
もしも姫君が出自を明かしたとして、王子がどんな反応をするか。
大人たちの意見は真っ二つに分かれていた。
曰く、だましていたことに憤慨するのではないか。
曰く、一見結婚が大円団に見える関係に喜ぶのではないか。
ナナエルは派手好きな王子はそういうものは喜ぶと思っていた。
王子はカサンドラ姫の言う事を驚いた顔で聞いた後、じわじわと顔を紅潮させていた。
ナナエルにはそれが怒りによるものなのか喜びによるものなのかわかっていた。
あの王子が怒る時にはあんな顔はしない。
「キャシーがまさか他国の王族だったとは!!
これぞまさに運命だな!!」
興奮したような声色で王子は言った。
それから周りを見回すそぶりをした後「この美しき姫君に歓迎の拍手を」と言った。
貴族たちは高位貴族程困惑していた。
まばらな拍手がおこっただけだったが、それを遮るようにカサンドラ姫は王子に向かって微笑み、それから言った。
「ねえ、竜討伐の救国の英雄を紹介してくださらないかしら。
是非ご挨拶がしたいわ」
彼女の計画がここまで事前調査したものとたがわなかったことにナナエルは頭を抱えたくなった。
人の上に立つものとして、そんな計画を立てて多くの人たちを巻き込むなんてありえないとどこかで思っていたのだ。
「英雄?
そんなものが学園にいただろうか」
王子が答えた。
慌てて、王子の側近が近づいてきて王子に耳打ちをした。
王子はうなずくそして会場を見渡して、ウィリアムとその隣にいたナナエルと目が合った。
王子は、ナナエルをみて少し驚いた顔をしていた。
けれど、すぐにその表情は消えてなくなる。
それからカサンドラ姫をエスコートして二人の前まで来た。
英雄を呼びつけなかっただけ、まだマシだったのかは分からない。
「お前はつくづく、強い男にまとわりつくのが好きな女なのだな」
最初に言った言葉がこれだから、どちらにせよウィリアムは腹を立てたのだから。




