姫様入場です☆
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王子が婚約者でもない令嬢を馬車で迎えに行くわけにはいかない。
そのため王子とキャサリンは学園で待ち合わせをしていた。
ホールの前の待機場所にはもう誰もいない。
王子が最後の入場者だからだ。
そこにあらわれたキャサリンを見て、王子は驚いた。
元々美しい娘だった。
それに磨きがかかっているだけではなく、どう考えても男爵令嬢では手の出ない豪華なドレスを着ている。
薄く透けるシフォンを幾重にも重ねたものはそれぞれに宝石でできたビーズが縫い付けられておりキラキラと光り輝いている。
それにこれほどまでに薄い生地を作るのも保管するのも専用の侍女が必要になって来る。
そういう侍女が持てる高位貴族以上でなければ着ることすらできない逸品だ。
当然貸衣装に等そんなものは置いていない。
どこかにひっかけて破いてしまったときの違約金の方が高くついてしまう。
「これは、一体どういうことだ?」
王子は聞いた。
王子は王子より偉い人は父親しか知らない。
だから、世の中の自分以外の人間は自分より下なのだと無意識に考えている。
しぃー。
キャサリンは口元に人差し指を立てた。
口紅で美しく彩られた唇も、いつもよりなまめかしかった。
「すぐにお伝えしてお分かりになることですので、今は秘密ですわ」
キャサリンは言った。
キャサリンは入場後即注目を集めるだろう。
そのまま、自分が高貴な血筋なのだと宣言して更に注目を集める予定だ。
キャサリンは胸が高鳴った。
今日の王子も王子らしく白に金色の縁取りがされたジャケットが王子らしさを高めている。
キャサリンの髪の毛の金色の系統だ。
今日は最高の一日になりそうとキャサリンは思った。
真実を打ち明けて、他の人間とは違うというところを見せつけて、それから、だからこそ守られるべき人間なのだと学園の人間皆に思わせる。
勿論竜討伐の英雄にもだ。
キャサリンは今日参加している令嬢の中で一番美しく着飾れていることに自信があった。
そして自分の容姿にも特別な自信があった。本人は中身を見て欲しいと言っていても容姿に自信があるからこその言葉でしかなかった。
王子の肘にそっと手を寄せると自然とエスコートをされる。
あの公爵令嬢はこんなこともされたことが無い。
何もかもが違う事を見せつけて私のための世界を作り上げる。
キャサリンはそれが当たり前だと思っていた。




